猫も寂しいと感じる?
猫は犬ほど社会性の高い動物ではありませんので、仲間や群れのリーダーがいなくても基本的には生きていけます。こうした生まれついての習性の結果として「孤独をそれほど苦痛に感じない」という傾向があることは事実です。
しかし長いこと人間と同居し、エサを依存していたり遊び相手になってもらっていた猫の場合、仕事や旅行などで飼い主がいなくなると寂しいという感情を抱くこともあるでしょう。個体によって留守番の得意・不得意の差は当然あるでしょうが、 基本的に2日以内の留守だったら家で留守番をさせ、留守が3日以上に長期化するようだったら、その他の方法をとるということにします。
調査チームはもっぱら室内飼いされている14頭の猫(メス9頭 | 6.2歳)と14人の飼い主(女性10名)を対象とし、留守番が猫の行動にどのような影響を及ぼすのかを検証しました。
猫が普段暮らしている室内にカメラを設置し、「飼い主との別離時間30分」と「飼い主との別離時間4時間」というバリエーションを設け、あらかじめ決めておいた時間帯における行動を録画観察したところ、飼い主と4時間離れ離れだった時だけ、再会後5分間におけるストレッチとのどをゴロゴロ鳴らす行動が増えたそうです。
こうした結果から調査チームは、長時間飼い主と離れ離れになった結果、社会的交流(=甘えること)に対する欲求が高まったのではないかと推測しています。猫は基本的に孤独に強い動物ですが、やはり長い時間ほったらかしにされると寂しいと感じるのかもしれませんね。
しかし長いこと人間と同居し、エサを依存していたり遊び相手になってもらっていた猫の場合、仕事や旅行などで飼い主がいなくなると寂しいという感情を抱くこともあるでしょう。個体によって留守番の得意・不得意の差は当然あるでしょうが、 基本的に2日以内の留守だったら家で留守番をさせ、留守が3日以上に長期化するようだったら、その他の方法をとるということにします。
飼い主がいない状況を猫が寂しいと感じるかどうかに関しては、スウェーデン農業科学大学のチームが面白い実験を行っています。
こうした結果から調査チームは、長時間飼い主と離れ離れになった結果、社会的交流(=甘えること)に対する欲求が高まったのではないかと推測しています。猫は基本的に孤独に強い動物ですが、やはり長い時間ほったらかしにされると寂しいと感じるのかもしれませんね。
😿猫の分離不安
猫の中には、飼い主との結びつきが強く、分離不安(ぶんりふあん)の症状を示すものもいます。「分離不安」(separation anxiety)とは、飼い主が側にいないと寂しいと感じて不安になり、ニャーニャー鳴いたり破壊行動に走ってしまう病的な状態のことです。
猫にこの分離不安の徴候がある場合は、日頃から少しずつ飼い主のいない状況に慣らすなど、事前の下準備がある程度必要です。詳しい解決策については以下のページもご参照ください。
NEXT:留守番の必需品
猫にこの分離不安の徴候がある場合は、日頃から少しずつ飼い主のいない状況に慣らすなど、事前の下準備がある程度必要です。詳しい解決策については以下のページもご参照ください。
留守番に必要なものごと
家を空けるのが2日程度の場合は猫に留守番をさせます。その際必要になる物事は、おおよそ以下です。
ケージ
猫に留守番してもらうときは基本的に部屋の中を自由に歩き回れるようにします。しかし「猫が怪我をしている」「同居猫同士のケンカが絶えない」「1歳未満のやんちゃ盛りで怪我をする恐れがある」といった場合においては、例外的に猫をケージに入れることも考慮します。ただしケージを使ってよいのはせいぜい数時間ですので、24時間(一泊)以上家を空けるような場合は別の方法を取らなければなりません。具体的には「3日以上家を留守にするときは?」をご参照ください。
ケージを用いる際は寝床や餌場とトイレが分かれたものを用います。人間と同様、排泄物が近くにある場所では食欲や睡眠欲がわかないからです。またケージに取り付けるノズルタイプの給水器で水を与えるときは、事前に「ここに口をつけると水が出る」ということを猫に教えておかなければなりません。さもないと使い方がわからず、のどが渇いているのに延々と水を飲めないという可哀想な状況が続いてしまいます。
給餌器
給水器
エアコン
エアコンは、猫の体温管理に使用します。汗腺(汗を分泌する器官)を持たない猫は、どちらかといえば暑さに弱い動物です。特に夏場の暑さ対策では、猫が熱中症にかからないよう、日光の入りやすい窓のカーテンは閉め、除湿(ドライ)で28度くらいに設定しておきましょう。カーテンに関しては猫が勝手に開けてしまわないよう、両端をロックしておくと安全です。
冬場は多少寒くても、毛布などを用意しておけば、勝手にその中に入って丸まりますので、寒さで凍え死ぬということは無いでしょう。電気カーペットなどの電化製品は、万が一猫がコードで感電した時に対処する人間がいないので、寒さ対策としてはやはり毛布や電源を切ったコタツなど、電気を用いない防寒具の方が無難です。
エアコンの暖房をつけっぱなしにする際は、猫が誤ってリモコンを触って「冷房」に切り替えてしまわないよう、手の届かない場所にしまっておきます。温度が高すぎると逆に熱中症になるかもしれませんので、設定温度は25~26℃程度でよいと思います。
冬場は多少寒くても、毛布などを用意しておけば、勝手にその中に入って丸まりますので、寒さで凍え死ぬということは無いでしょう。電気カーペットなどの電化製品は、万が一猫がコードで感電した時に対処する人間がいないので、寒さ対策としてはやはり毛布や電源を切ったコタツなど、電気を用いない防寒具の方が無難です。
エアコンの暖房をつけっぱなしにする際は、猫が誤ってリモコンを触って「冷房」に切り替えてしまわないよう、手の届かない場所にしまっておきます。温度が高すぎると逆に熱中症になるかもしれませんので、設定温度は25~26℃程度でよいと思います。
予備のトイレ
おもちゃ
留守番カメラ
飼い主の匂いがついたもの
飼い主の匂いがついたものは、たとえ飼い主本人が目の前にいなくても、匂いを嗅ぐことで猫に安心感を与えてくれる可能性があります。毛布やシャツなど、飼い主の体臭の染み付いたものを置いておくと、ちょうど子供にとっての「安全毛布」(security blanket)と同じように留守番の寂しさを紛らわせることが出来るかもしれません。
NEXT:注意事項一覧
2021年に行われた最新の観察調査では、飼い主がいないのに匂いだけがある状態を、猫たちがストレスと捉えている可能性が示されました。ですから「飼い主の匂いをなるべく室内に残さない」という逆説的な対策も、場合によっては考慮しましょう。
猫に留守番させるときの注意
猫に留守番させる際、飼い主が気をつけなければならないことがいくつかあります。部屋の中を自由に動き回れる場合、猫の身に危険が及ばないよう「キャットプルーフ」を完了しておくのがポイントです。
戸締りをしっかりする
戸締りとは、猫が窓から外に出てしまわないように鍵をしっかり閉めておくことです。うっかり外に飛び出してしまうと、交通事故に遭ったり、迷子になったりする危険性がありますので、出かける前に細かいところまで再度確認して下さい。
立入禁止エリアを守る
家の中にはキッチン(台所)、お風呂場、寝室など、猫に入ってほしくない場所がいくつかあります。留守中に猫が侵入できないよう、こうした立入禁止エリアの戸締まりをあらかじめしっかりとやっておきます。具体的なチェック項目は以下のページをご参照ください。
倒壊事故を防ぐ
誤飲・誤食事故を防ぐ
誤飲・誤食事故とは、部屋の中に落ちている小さなものや有害なものを猫が誤って飲み込んでしまうことです。非常に多くの物がありここでは書ききれませんので、詳細は以下にご紹介するページを参照して下さい。
落下事故を防ぐ
落下事故とは、猫が高い場所から転落することと言うよりはむしろ、高い場所に置いてあるものが猫の上に落下する事故のことです。猫が飛び乗りそうな場所には、重量のあるものやガラス製品などの危険物は置かないようにしましょう。またたとえ猫が登れなくても、地震などで棚の上から物が落ちてしまうということは大いにありえます。倒れやすいパネル型テレビなどはあらかじめ床の上に移したり耐震ゲルで補強しておいたほうが安心です。
NEXT:留守が3日以上のとき
飼い主が家にいるときの防災対策としても重要ですね!
3日以上家を留守にするときは?
2日程度の留守なら、猫に留守番をさせますが、留守期間が3日を越えるようなら、各種の工夫が必要です。具体的な方法は以下です。
知人・友人にエサ係を頼む
知人や友人に頼んでエサ係をやってもらうという方法があります。一定の時間になるとエサ係がやってきて、猫のエサを補充してくるというやり方です。エサを補充するついでに、猫が怪我や病気をしていないか、あるいは室温に異常は無いかどうかなどをチェックしてもらえば安心です。気心の知れた仲なので、合鍵を渡すことに対する抵抗感が少なくて済むでしょう。
ペットシッターに依頼する
ペットシッターとは、犬や猫を始めとするペットの世話を代行してくれるサービスのことです。ペットシッターに合鍵を渡し、定期的に留守番中の猫の世話を請け負ってもらいます。
猫の場合は食事の世話、トイレの掃除と取替え、退屈しのぎの遊び相手、などが主なサービス内容となります。一匹・一回3,000円以内のところが多いようです。その他、ワクチン接種を受けていない猫は受け付けないなどの規則もありますので、ご利用の際は各会社の細目をご確認下さい。
猫の場合は食事の世話、トイレの掃除と取替え、退屈しのぎの遊び相手、などが主なサービス内容となります。一匹・一回3,000円以内のところが多いようです。その他、ワクチン接種を受けていない猫は受け付けないなどの規則もありますので、ご利用の際は各会社の細目をご確認下さい。
猫を外出先に同伴する
猫を外出先に同伴するというのは根本的な解決策のようですが、問題点もあります。
「猫は家につく」といわれるように、猫は自分の住み慣れた環境に固執する傾向があります。見慣れない環境に連れて来られた場合、好奇心をそそられて目をらんらんと輝かせる猫よりも、不安を感じてニャーニャー鳴く猫のほうが圧倒的に多いことでしょう。やむなく猫を外出先に同伴する場合は、使用する交通手段(電車・バスなど)によって規則のある場合がほとんどですのでご確認下さい。
「猫は家につく」といわれるように、猫は自分の住み慣れた環境に固執する傾向があります。見慣れない環境に連れて来られた場合、好奇心をそそられて目をらんらんと輝かせる猫よりも、不安を感じてニャーニャー鳴く猫のほうが圧倒的に多いことでしょう。やむなく猫を外出先に同伴する場合は、使用する交通手段(電車・バスなど)によって規則のある場合がほとんどですのでご確認下さい。
ペットホテルに預ける
ペットホテルとは、ペットを専門的に宿泊させる施設のことで、ぺットブームに合わせて最近にわかに増えています。空港内に併設されているものもあり、ペットの様子をリアルタイムでモニターできるサービスや、シャンプーをしてくれるサービスなどもあります。ただし繁忙期(ゴールデンウィークやお盆など)になると、若干料金が割高になるところが多いようです。
また、環境の変化を嫌う猫にとって、住み慣れた家を離れて得体の知れないケージの中で眠ることは、それ自体が相当なストレスになることもあります。他の犬や猫が同じ部屋の中にいることをストレスに感じる猫もいるでしょう。
この調査では、動物保護施設における猫の住環境とストレスとの関連性が調査されました(:Fraser, 2006)。その結果、猫が強いストレスを感じるのは、隠れ場所の無いような閉鎖空間において、人間が無規律にタッチすることであることが明らかになっています。
調査対象となったのは、4つの異なる住環境に入れられた合計165匹の猫たちで、住環境の設定は以下。
ペットホテルに預けられた猫も、大なり小なり「個別・単調型」のストレスを感じるものと考えられます。ですから、経済的に余裕があるからと言って、事あるごとに猫をホテルに預けてしまうのは、少し可哀相かもしれません。
NEXT:猫の留守番Q & A
また、環境の変化を嫌う猫にとって、住み慣れた家を離れて得体の知れないケージの中で眠ることは、それ自体が相当なストレスになることもあります。他の犬や猫が同じ部屋の中にいることをストレスに感じる猫もいるでしょう。
ペットホテルにおける猫のストレスを理解する際は、2006年にカナダのバンクーバーで行われた調査がヒントになるでしょう。
調査対象となったのは、4つの異なる住環境に入れられた合計165匹の猫たちで、住環境の設定は以下。
保護施設における猫の住環境
- 個別・単調型様々なスタッフによる無規律な触り方+無味乾燥なケージの中に1匹だけ入れられる
- 個別・充実型一定のスタッフによる一貫性のある触り方+切り離されたケージ+高い場所と隠れ場所がある
- 共同・単調一定のスタッフによる一貫性のある触り方+他の猫と一緒+充分な距離を置けるくらいの広さ
- 共同・充実型一定のスタッフによる一貫性のある触り方+他の猫と一緒+遊び道具やスペースがあり他の猫とも交流できる
ペットホテルに預けられた猫も、大なり小なり「個別・単調型」のストレスを感じるものと考えられます。ですから、経済的に余裕があるからと言って、事あるごとに猫をホテルに預けてしまうのは、少し可哀相かもしれません。
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猫の留守番Q & A
以下は猫の留守番についてよく聞かれる疑問や質問の一覧リストです。思い当たるものがあったら読んでみてください。何かしら解決のヒントがあるはずです。
多頭飼いで寂しさは紛れる?
猫同士がきょうだいでない場合、それほど退屈しのぎにはなりません。
猫が分離不安である場合、不安感やストレスの原因はあくまでも「飼い主(人間)の不在」ですので、同居猫がいようといまいと不安が軽減することはありません。
では猫の分離不安がそれほど重症ではない場合、他の猫の存在が退屈しのぎになってくれるのでしょうか?1999年、イギリス・サウサンプトン大学が行った調査では、猫同士が血縁関係にある場合は密な親愛行動が見られたと言います。具体的にはくっついて寝る、お互いをグルーミングする、近くで食事をとるなどです(Bradshaw, 1999)。またフランス・ロイヤルカナンリサーチセンターのチームが猫たちの自由行動を観察したところ、血縁関係がない猫では他の猫との接触行動が最も少なかったとも。
こうした事実から推測すると、血縁関係にない猫を新たに迎えても、お互いの存在が気晴らしや退屈しのぎにはなりにくいと考えられます。イギリスとオーストリアの大学から成る共同チームが行った調査では、猫の多頭飼育によっておしっこの失敗やマーキング行動が増えると報告されていますので、安易に新しい猫を迎えることが逆にストレスの原因になる危険性すらあります。家の中に2頭目、3頭目の猫を迎える際はいろいろな注意点がありますので、以下のページを参考にした上で慎重にご検討下さい。
犬を飼えば寂しさは紛れる?
猫の分離不安傾向によります。
多頭飼育の場合と同様、猫の分離不安が強い場合は、同居犬がいようといまいと不安が軽減することはありません。
一方、猫の分離不安がそれほど重症ではない場合、犬の存在が退屈しのぎぐらいにはなってくれる可能性があります。イギリスにあるリンカーン大学のチームは、犬と猫の両方を飼っている人を対象としたアンケート調査を行いました。その結果、犬の8割、猫の9割は「相手がいるときくつろいでいる」という回答が得られたと言います。 犬と猫は基本的に、お互いの存在を疎(うと)ましくは思ってはいないようです。とは言え、留守番させるときは1つの部屋に強引に一緒にするのではなく、お互いのプライバシーを尊重した環境設定が必要だと考えられます。具体的には、犬がコンタクトできないような隠れ場所や登れないような高い場所にプライベートスペースを設けてあげることが重要になるでしょう。
フェロモンはストレス解消に効果的?
孤独ストレスが軽減する可能性があります。
猫の顔から分泌される5種類のフェイシャルフェロモンの内、「F3」を人工的に合成した「フェリウェイ®」という商品があります。オレイン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、パルミチン酸などを主成分とするこのフェロモンは、未知のメカニズムを通して猫のストレスを軽減する可能性が示されていますので、試してみる価値はあるでしょう。「近くに仲間がいる!」と錯覚してくれるのかもしれません。
留守番中の音楽は効果的?
猫専用の音楽が良いかもしれません。
アメリカにあるルイジアナ州立大学の獣医療チームは、猫のストレスを緩和することを目的に作られた猫向け音楽の効果を検証するため、臨床上健康な猫を対象とした比較実験を行いました。「サイレント(無音)」「クラシック音楽」「猫向け音楽」という3種類の環境音楽を猫に与えた所、猫向けに作られた音楽が動物病院で診察を受ける時のストレスを軽減してくれる可能性が見えてきたといいます。
病院におけるハンドリングストレスと、留守番中の孤独ストレスは同じものではありませんが、音楽の存在が害になるとは考えにくいので試してみる価値はあるでしょう。インターネットで入手可能ですので、具体的な音楽の内容は以下のページをご参照ください。
テレビやラジオをつけっぱなしにした方が良い?
音は消した方が無難です。
突然の物音に反応して飛び上がる現象を「聴覚性驚愕反射」(ASR)と言います。この驚愕反射が強かったり繰り返し起こったりすると、ストレスに起因する病気を発症してしまう危険性が示されています。 例えば特発性膀胱炎などです。
テレビやラジオの番組は通常ランダムで放送されますので、映画やドラマの爆発音や人間の叫び声が突然流れてしまうことがあるかもしれません。猫は突発的な音に敏感ですので、上記した聴覚性驚愕反射が起こってストレスを溜め込んでしまうことになるでしょう。放送内容を事前に把握できないテレビやラジオの音は消しておいたほうが無難です。
夏場の扇風機は効果的?
ほとんど意味はありません。
暑い夏の季節、汗腺を持たない猫たちは汗をかく代わりにパンティング(panting)と呼ばれる激しい呼吸にって唾液を気化させ、上昇した体温を下げます。扇風機の風を口の中に当てても気化熱の発生量はそれほど変わりませんので、人間ほどの体温冷却効果はありません。
エアコンの代わりに扇風機をつけっぱなしにした状態で猫に留守番させることは、熱中症のリスクを高める危険な行為です。「帰宅したら猫が死んでいた」という事態も起こり得ますので、絶対にやってはいけません。
部屋は真っ暗でもよい?
豆電球くらいは灯けてあげましょう。
猫たちは暗くなってから活動性が増す薄明薄暮性(crepuscular)の動物です。しかしあまりにも部屋の中が真っ暗だと、自分の周囲の環境をしっかりと把握できず「予測不能性」が高まって猫の不安が増幅される危険があります。
暗い部屋で留守番させるのは少しかわいそうですので、豆電球くらいの明かりは残してあげましょう。あるいは暗闇を感知して自動的に点灯するセンサーライトも100均などで売っています。電気代はほとんどかかりません。
留守中の停電が心配です
どうしようもありません。
留守中に停電が起こるかどうかは予測ができません。冬場に起こった場合は、たとえエアコンがオフになっても体を丸めてなんとか寒さをしのいでくれるでしょう。一方、夏場に停電が起こった場合は、クーラーがオフになって猫が熱中症にかかり生命が脅かされます。同じことは、留守中にエアコンが故障したりブレーカーが落ちた場合にも当てはまります。
こうした事故はどうしようもありませんが、モニターカメラなどを設置して猫の様子をこまめに観察していれば、異変にいち早く気づけるかもしれません。また留守番させる時間がなるべく短くなるように配慮してあげましょう。
換気のため窓を開けっぱなしでよい?
よくありません!
夏場、窓を開け放して風通しを良くすれば猫が涼しくなると勘違いしている人がいます。しかしこの行為は猫の命を脅かす危険なものです。
窓を開けたからといって、常に換気が促されるわけではありません。仮に風通しが良くなったとしても、猫は汗をかきませんので気化熱による体温の低下にはつながりません。また開けた窓の隙間から猫が脱走してしまうという致命的なリスクを抱えています。
脱走と熱中症が起こらないよう、窓はしっかりと閉めてから出かけるようにしましょう。
見守りカメラは必要?
あった方が良いです。
留守番中の猫たちが何をしているのかをリアルタイムでモニタリングしてくれる機器は「見守りカメラ」などと呼ばれます。「猫の危険な行動がわかる」「猫の問題行動がわかる」「緊急事態にすぐ気づく」といったメリットがありますので導入した方が良いでしょう。
近年はスマートフォンのアプリなどでも登場していますので試しに利用してみてはいかがでしょうか。録画機能や録音機能が付いたものもありますが、リアルタイムでモニターできるものの方が良いでしょう。赤ちゃん向けに開発された見守りカメラをペット用に転用することもできます。
近所からうるさいと苦情が来ました…
防音対策をしっかりしましょう。
分離不安傾向が強い猫の場合、留守番中にずっと鳴き続けることがよくあります。一軒家でもマンションでも、こうした騒音を快く思わない近隣住民はいるでしょう。
室内の防音対策としては、防音性が高いカーテンをする、防音フェンスを設置する、防音性の高いマットを床に敷くなどがあります。なお防音カーテンに関しては吸収しやすい周波数域がありますので、猫の声の高さ(低さ)に合わせたものを購入してください。
飼い主との関係が親密な場合、留守番中の猫の不安が急になくなることはありません。「分離不安」を参考にしつつ、猫に孤独を感じさせないための対策をいろいろと練っておきましょう。