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ブリティッシュショートヘアー

 猫の品種の1つ「ブリティッシュショートヘアー」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

ブリティッシュショートヘアーの基本情報

ブリティッシュショートヘアー 写真:sosij
  • 原産
    イギリス

  • 短毛
  • 体重
    3~6キロ
  • タイプ
    セミコビー
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

ブリティッシュショートヘアーの歴史・ルーツ

 ブリティッシュショートヘアーの起源は古く、古代ローマ(2世紀ごろ)がイギリスに侵略する際、ネズミを駆除するハンターとして連れてきた猫の子孫ではないかと考えられています。ブリティッシュブルー時はくだり、19世紀頃のイギリスでは、自国産の猫の品種確立に力を注ぎ始め、土着猫への関心が高まりました。1870年代に入ると初期のブリティッシュショートヘアーは国内のキャットショーで多くの賞を獲得し、1900年代には品種の標準化が確立しました。
 一時期は「ブリティッシュブルー」と呼ばれていましたが、これは毛色の人気がブルーに集中していたことと、キャットショーに出陳されていたこの品種の個体がブルーばかりだったことによります。1940年代には一時期人気の凋落を見ますが、1980年代には従来の大柄な体型からセミコビータイプへの路線変更を遂げ、人気を取り戻しました。

ブリティッシュショートヘアーの特徴・性格

 ブリティッシュショートヘアーの特徴は、大きくて丸い顔、筋肉質な体、短く体に張り付いたビロードのような被毛です。一番人気のブルーのほかにも様々な色が認められています。また、約半数の個体の血液型B型であるという事実は、他の短毛種では見られない特徴です。
 ブリティッシュショートヘアーの性格は、温厚でのんびり屋です。頭がよく甘えん坊な側面もあります。

ブリティッシュショートヘアーのお手入れ・注意点

 ブリティッシュショートヘアーのお手入れは1日1回のブラッシングで充分でしょう。

ブリティッシュショートヘアーの動画

 以下でご紹介するのはブリティッシュショートヘアーの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 「不思議の国のアリス」に出てくるチシャや、「長靴を履いたネコ」のプスのモデルとも言われており、イギリス国内ではペルシアを抜いて飼育頭数1位の座についています。筋肉質の体を「ボディビルダー」や「ブルドッグ」に見立てる人もいるとか。
元動画は→こちら

ブリティッシュショートヘアの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているブリティッシュショートヘアに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。ブリティッシュショートヘアに多い病気

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

難産

 難産とは出産に際して胎子をスムーズに体外に分娩することができない状態のこと。胎子が大きすぎて母猫の産道を通過できない場合は、帝王切開が行われることもあります。難産の症状・原因・治療

白猫関連の聴覚障害

 白猫関連の聴覚障害とは、被毛が白い猫で片方~両方の耳が聞こえなくなるという現象。発症メカニズムは、メラニン細胞の働きを抑制する「W」と呼ばれる遺伝子が、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官内部の血管線条に作用→音の認識に必要な繊毛が栄養不足で劣化・脱落→音を電気信号に変換できなくなる→耳が聞こえなくなるというものです。「W」遺伝子は耳のほか被毛や目(虹彩)のメラニン細胞も抑制しますので、色素が生成されず全身が真っ白になったり目がブルーになったりします。白い被毛のブリティッシュショートヘアは聴覚障害を発症するリスクが高い

肥満

 肥満とは脂肪細胞に過剰な脂肪が蓄積されている状態のこと。いわゆる「デブ猫」。診断は体型を目視チェックで評価するBCS(ボディコンディションスコア)や体重測定で下します。治療法はダイエットです。 肥満の症状・原因・治療

肥大型心筋症

 肥大型心筋症とは、心臓の壁が厚くなりすぎて収縮に支障が生じ、血液をしっかり全身に送れなくなる病気。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心電図検査などを通じて下します。治療は心臓の収縮力を高めるための投薬、およびストレス管理がメインです。 心筋症の症状・原因・治療

新生子溶血

 新生子溶血とは、B型の母猫がA型の子猫に対して初乳を与えたとき、拒絶反応が起こって赤血球が破壊されてしまう現象のこと。最悪のケースでは死亡してしまいます。 新生子溶血

猫伝染性腹膜炎(FIP)

 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

レーベル先天黒内障

 レーベル先天黒内障とは、眼球に外見的な異常はないのに生まれつき目が見えない眼科系疾患。診断は眼底検査や視力の電気的検査(網膜電図)を通して下します。根本的な治療法はありませんので、猫も飼い主も視力障害と付き合いながら暮らしていくことになります。