猫が毛づくろいする理由
飼い猫だろうと野良猫だろうと、猫は暇さえあれば毛づくろい(グルーミング)をしているように思われます。猫が毛づくろいする理由は色々ありますが、「これ!」という決定的な答えはありません。代表的なものは以下。
猫が誤って机やイスの上から転がり落ちたりした場合、周囲を確認してからグルーミングすることがあります。これは、高ぶった気持ちをリラックスさせるための「転位行動」の一例と言えるでしょう。 門歯や舌で行う毛づくろいをオーラル・グルーミング(oral grooming)と言うのに対し、後肢で行う毛づくろいをスクラッチ・グルーミング(scratch grooming)と言います。後者に費やす時間は、オーラル・グルーミングの2%程度です。ノミが蔓延している環境でオーラル・グルーミングをできなくすると、ノミの数は2倍に増え、代わりにスクラッチ・グルーミングが7倍に増えるそうです。また、グルーミングが72時間制限されると、その後12時間におけるグルーミングが67%も増加するとか(Eckstein, 1997, 2000)。こうしたデータは、グルーミングの「ノミ予防効果」を示しているのかもしれません。
猫が毛づくろいする理由
- 抜け毛や体毛についたごみを取り除き、毛の根元の感覚を鋭敏に保っている
- 唾液が気化するときの気化熱で体温調整している(夏場)
- 布団の打ち直しのように、体毛の間に空気を入れてふかふかにしている(冬場)
- 体毛についた食べ物の臭いや飼い主の臭いを消している
- 細かなフケをなめとり、皮膚炎を予防している
- 高ぶった気持ちをリラックスさせる(転位行動)
- なめることで皮膚の血流を促進する
- 静電気を除去している
猫が誤って机やイスの上から転がり落ちたりした場合、周囲を確認してからグルーミングすることがあります。これは、高ぶった気持ちをリラックスさせるための「転位行動」の一例と言えるでしょう。 門歯や舌で行う毛づくろいをオーラル・グルーミング(oral grooming)と言うのに対し、後肢で行う毛づくろいをスクラッチ・グルーミング(scratch grooming)と言います。後者に費やす時間は、オーラル・グルーミングの2%程度です。ノミが蔓延している環境でオーラル・グルーミングをできなくすると、ノミの数は2倍に増え、代わりにスクラッチ・グルーミングが7倍に増えるそうです。また、グルーミングが72時間制限されると、その後12時間におけるグルーミングが67%も増加するとか(Eckstein, 1997, 2000)。こうしたデータは、グルーミングの「ノミ予防効果」を示しているのかもしれません。
アログルーミング
単独で行うグルーミングをセルフ・グルーミングと言うのに対し、複数の猫がお互いにグルーミングすることをアログルーミング(allogrooming)と言います。
一般的なセルフ・グルーミングの順番は、1:前足をなめて湿り気をつけ、顔を拭く→2:体をくねらせて前歯で背中の毛をとくようになめて整える→3:足を上げて肛門の周りや腰、足、足先などをなめる、といったものです。 一方、アログルーミングは、親しい猫の間でのみ見られる親和行動の一種です。しかし、メス猫は性別を問わず、親しい仲間にグルーミングするのに対し、オス猫はメス猫だけにしかしないとか。また、仲良く毛づくろいしていたはずの猫が、突然攻撃行動を見せることがあります。こうした攻撃性は、約1/3の猫に見られ、多くの場合は毛づくろいの直後です。理由ははっきりしませんが、優位性を誇示しているのかもしれません。2匹の猫が互いにグルーミングする場所は、自分で手入れすることが困難な頭や首がメインで、人間が猫をなでるときも、こうした場所を中心に行うと猫は喜びます。
一般的なセルフ・グルーミングの順番は、1:前足をなめて湿り気をつけ、顔を拭く→2:体をくねらせて前歯で背中の毛をとくようになめて整える→3:足を上げて肛門の周りや腰、足、足先などをなめる、といったものです。 一方、アログルーミングは、親しい猫の間でのみ見られる親和行動の一種です。しかし、メス猫は性別を問わず、親しい仲間にグルーミングするのに対し、オス猫はメス猫だけにしかしないとか。また、仲良く毛づくろいしていたはずの猫が、突然攻撃行動を見せることがあります。こうした攻撃性は、約1/3の猫に見られ、多くの場合は毛づくろいの直後です。理由ははっきりしませんが、優位性を誇示しているのかもしれません。2匹の猫が互いにグルーミングする場所は、自分で手入れすることが困難な頭や首がメインで、人間が猫をなでるときも、こうした場所を中心に行うと猫は喜びます。
猫の舌とグルーミング
猫の舌はのどの奥に向かって小さな突起がびっしりと生えており、ブラシのような構造になっています。この舌で抜け毛やごみを絡めとり、 飲み込んだ毛はいわゆる「毛玉」として吐き出しますが、吐き出すときに嘔吐が続いて脱水症状を起こすことがあります。毛玉をウンチと一緒に出させるフードなども市販されていますので、利用してみましょう。
また、飲み込んだ毛玉を上手に吐き出せない毛球症(もうきゅうしょう)という病気や、被毛を過剰に舐めてしまう舐性皮膚炎(しせいひふえん)といった病気もあります。その場合は速やかに獣医さんにご相談下さい。
また、飲み込んだ毛玉を上手に吐き出せない毛球症(もうきゅうしょう)という病気や、被毛を過剰に舐めてしまう舐性皮膚炎(しせいひふえん)といった病気もあります。その場合は速やかに獣医さんにご相談下さい。
- 猫の舌と掃除機
- 動物の持つ特性を科学技術に応用することを「バイオミミクリ」(Biomimicry)といいますが、シャープから発売された掃除機にも、このバイオミミクリが生かされています。見本となったのは「猫の舌」で、スクリューのフィン表面に猫の舌のような突起をつけることで、吸い込んだゴミを固め、再膨張を防ぐ効果を実現しました。 サイクロン掃除機