猫の特性・その理由は?
猫は基本的に体毛や皮膚が水に濡れることを嫌います。この性癖(せいへき)の理由は、猫の祖先と言われているリビアヤマネコ(アフリカヤマネコ)が、昼と夜の寒暖差(かんだんさ)が激しい砂漠出身だからです。ずぶ濡れのまま寒い夜を迎えると、水分が蒸発するときの気化熱(きかねつ)で体温を奪われてしまい、命取りになりかねません。ですから猫は本能的に水に濡れることを嫌うようになりました。シャンプーしようとすると、狂わんばかりの勢いで抵抗するのはそのためなんですね。
ちなみに猫の体毛は犬と同様上毛(うわげ, 刺毛とも)と下毛(したげ, 綿毛とも)の二層構造です。しかし、上毛も下毛も柔らかく、皮脂腺から分泌された脂分が十分にいきわたらないため、水をはじきません。ちょっと濡れただけでも熱心に体をぶるぶる震わせて脱水しようとするのはこのためです。
猫が水を嫌う理由
- 体温を奪われたくない
- 被毛が水をはじかず、べたっとする
水が好きな猫はいる?
猫の中でもターキッシュバンと呼ばれる品種は、比較的水を怖がらないと言われています。しかしこの風説は、どうやらかなり伝言ゲーム的な要素を含んでいるようです。
1963年、ターキッシュバンの作出者であるローラ・ラッシントン女史は、マスコミに対して「トルコからイギリスに帰国する途中、あまりにも暑かったので車を止めて川に足を浸していると、後部座席に乗せていた猫がやってきて、楽しそうに水浴びを始めた」というエピソードを語っています。さらに後日談として、「イギリスに帰国してから、熱のあった8ヶ月の子猫がお皿の水で水浴びを始めたところ、熱が下がった」と語っており、その時の証拠写真も残されています。こうした幾つかの逸話がマスコミを通じて膨らみ、「ターキッシュバン=水が好き」という風説がいつのまにか出来上がってしまったようです。 The VAN Cat Club(アーカイブ) しかしラッシントン女史は後に掲載された記事で、「実際に猫が湖で泳いでいる場面を見たわけではない」と告白してます。ですから、そもそもターキッシュバンが水好きなのか、それとも暑いと感じたときに水浴びをする傾向があるだけなのかはよくわかっていません。面白半分でお風呂やプールに入れない方がよいでしょう。ちなみにイエネコと同じネコ科動物の「スナドリネコ」は水を恐れず、泳ぎが達者なことで有名です。こちらは映像として確認できますので、間違いないでしょう。ただし水が好きというよりは、「獲物が水の中にいるのでしょうがない」といった感じなのかもしれません。 スナドリネコ(YouTube)
1963年、ターキッシュバンの作出者であるローラ・ラッシントン女史は、マスコミに対して「トルコからイギリスに帰国する途中、あまりにも暑かったので車を止めて川に足を浸していると、後部座席に乗せていた猫がやってきて、楽しそうに水浴びを始めた」というエピソードを語っています。さらに後日談として、「イギリスに帰国してから、熱のあった8ヶ月の子猫がお皿の水で水浴びを始めたところ、熱が下がった」と語っており、その時の証拠写真も残されています。こうした幾つかの逸話がマスコミを通じて膨らみ、「ターキッシュバン=水が好き」という風説がいつのまにか出来上がってしまったようです。 The VAN Cat Club(アーカイブ) しかしラッシントン女史は後に掲載された記事で、「実際に猫が湖で泳いでいる場面を見たわけではない」と告白してます。ですから、そもそもターキッシュバンが水好きなのか、それとも暑いと感じたときに水浴びをする傾向があるだけなのかはよくわかっていません。面白半分でお風呂やプールに入れない方がよいでしょう。ちなみにイエネコと同じネコ科動物の「スナドリネコ」は水を恐れず、泳ぎが達者なことで有名です。こちらは映像として確認できますので、間違いないでしょう。ただし水が好きというよりは、「獲物が水の中にいるのでしょうがない」といった感じなのかもしれません。 スナドリネコ(YouTube)
- プーシェンボート
- プーシェンボート(Poezenboot)とは、オランダ・アムステルダムにある猫の保護施設で、直訳すると「猫のボート」という意味になります。川に浮かんでいるのが大きな特徴で、1968年、アンリエット・ヴィールドという女性が、中古の荷船を改造したのが始まりと言われています。1987年からは基金が創設され、寄付金が活動費に当てられるようになりました。現在では、一種の観光名所になっているそうです。なお、保護されている猫たちは川面を見つめて日向ぼっこはするものの、中に飛び込むことはありませんので、「泳ぐ猫」の姿は期待しない方がよいでしょう。De Poezenboot