バーミーズの基本情報
バーミーズの歴史・ルーツ
バーミーズの起源は1930年に遡ります。ビルマ(現ミャンマー)の寺院で飼育されていた「ウォンマウ」という茶色の猫が、アメリカ人医師ジョゼフ・トンプソンの手に渡りました。医師はこの猫にシャムを交配して今のバーミーズの原型を作りましたが、独特のカラーはシャムよりも若干淡い、ダイリュートと呼ばれる色合いになります。名前は色がよく似ている「バーミーズ葉巻」から付いたようです。1936年、CFAに公認されました。
アメリカでは丸みを帯びたコビータイプが好まれる一方、ヨーロッパではスリムなセミフォーリンタイプが好まれています。見た目が大きく違うこれらのバーミーズは、今ではヨーロピアン・バーミーズとアメリカン・バーミーズとに区別されて呼ばれることもあります。アメリカンバーミーズは1994年にCAFで別品種として承認されました。
アメリカでは丸みを帯びたコビータイプが好まれる一方、ヨーロッパではスリムなセミフォーリンタイプが好まれています。見た目が大きく違うこれらのバーミーズは、今ではヨーロピアン・バーミーズとアメリカン・バーミーズとに区別されて呼ばれることもあります。アメリカンバーミーズは1994年にCAFで別品種として承認されました。
バーミーズの特徴・性格
バーミーズの特徴は、光沢が有り、サテンのような手触りの短い被毛です。カラーはシャムから受け継いでいますが、シャムよりも若干淡い、ダイリュートと呼ばれる色合いです。ボディは丸みのあるコビータイプで、どの角度から見ても全体的に丸みを帯びています。
バーミーズの性格は、陽気で遊ぶことが大好きです。鳴き声が小さく、とても優しい性格をしています。 2007年、ニュージーランドで生まれた「Molly Too」という名のバーミーズを元に、「ラセット」(russet)という新しい被毛パターンが作られました。基本的な特徴は以下です。
バーミーズの性格は、陽気で遊ぶことが大好きです。鳴き声が小さく、とても優しい性格をしています。 2007年、ニュージーランドで生まれた「Molly Too」という名のバーミーズを元に、「ラセット」(russet)という新しい被毛パターンが作られました。基本的な特徴は以下です。
ラセットの特徴
- しっぽの先、股間、肉球周辺の体毛色が薄い
- 鼻の色は完全にピンク
- 肉球は成長に伴いピンクになる
- 成長に伴い、ユーメラニンを含んでいた濃い部分が頭から徐々に明るい色にかわり最終的には完全な赤色になる
バーミーズのお手入れ・注意点
バーミーズのお手入れは、一日一回の軽いブラッシングと、手によるマッサージが効果的です。
バーミーズの動画
以下でご紹介するのはバーミーズの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
温厚な性格なため、子供にいたずらされても引っかくようなことはしないようです。また人間好きなため「犬のような猫」と呼ぶ人もいます。基本的に抜け毛は少ない品種ですが、換毛期、および不安を感じたときには若干抜け毛が増えることもあります。
温厚な性格なため、子供にいたずらされても引っかくようなことはしないようです。また人間好きなため「犬のような猫」と呼ぶ人もいます。基本的に抜け毛は少ない品種ですが、換毛期、および不安を感じたときには若干抜け毛が増えることもあります。
バーミーズの病気
以下でご紹介するのは文献などで報告されているバーミーズに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。
糖尿病
糖尿病とは血流中の糖分(グルコース)をうまく細胞内に取り込むことができず、血糖値が高い状態で維持されてしまう病気。診断は身体検査や血糖値の測定を通して下します。治療法はインスリンの投与と食事療法がメインです。
猫伝染性腹膜炎(FIP)
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。
FOPS
「FOPS」(Feline Orofacial Pain Syndrome, フォップス)とは、口腔内の痛みに端を発する様々な症状の総称で、直訳すると「猫口腔顔面痛症候群」となります。口を動かす動作によって口内の痛みが誘発され、ひとたび痛みが発生すると、数分から数時間に渡って持続します。顔の中を走る「三叉神経」(さんさしんけい)が関わる神経因性疼痛の一種だろうと推測されていますが、その発症メカニズムに関してはよくわかっていません。
顔面奇形
顔面奇形とは生まれつき頭部の骨が正常に形成されない病気。バーミーズの子猫で見られるのは顔面中央部の無形成や髄膜脳瘤といった顔面部の奇形で、「前頭鼻骨異形成」(Frontonasal dysplasia, FND)とも呼ばれます。
低カリウム血症
低カリウム血症とは、血液中に含まれるカリウム(K)の濃度が低下し、筋肉が正常に収縮しなくなってしまう病気。診断は血液検査を通して下します。治療は血中カリウム濃度の正常化です。
緑内障
緑内障とは、眼球の中を流れる「眼房水」と呼ばれる体液を正常に循環させることができず、目の中に貯留して眼圧が上昇してしまう病気。最悪の場合では視神経へのダメージから失明してしまいます。診断は眼底検査や眼圧測定、隅角検査や網膜電図などを通して下します。治療は上昇した眼圧を下げるための投薬や点眼がメインです。
皮膚無力症
皮膚無力症とは、皮膚に含まれる膠原線維(コラーゲン)の質や量に異常があり、皮膚が異常に伸びてしまう病気。人医学ではエーラスダンロス症候群やコラーゲン異形成症とも呼ばれます。診断は腰背部の皮膚を摘んだときの長さと体長との割合(皮膚伸張度指数)で下します。根本的な治療法はありませんので、猫も飼い主も障害と付き合いながら暮らしていくことになります。具体的には皮膚が破れないよう部屋の中から鋭利なものを徹底的に排除するなどです。