アビシニアンの基本情報
- 原産
エチオピア・イギリス - 毛
短毛 - 体重
2.5~4.5キロ - タイプ
フォーリン
アビシニアンの歴史・ルーツ
アビシニアンの起源は、約4000年前に古代エジプトの壁画に描かれた猫だという説がありますが、定かではありません。現在のアビシニアンは、1868年のアビシニア戦争の後、アビシニア(現在のエチオピア)からイギリスに持ち込まれた「ズーラ」(zula)という名の猫が品種改良されたものだと伝えられています。「アビシニアン」という名前もここからつけられました。しかし残念ながら、この説にも明確な証拠はありません。
20世紀の始め頃、イギリス国内では絶滅の危機に瀕しましたが、アメリカとフランスの協力によって、1930年代には復活を遂げました。その後短毛種との交配が重ねられ、現在の姿に至っています。
20世紀の始め頃、イギリス国内では絶滅の危機に瀕しましたが、アメリカとフランスの協力によって、1930年代には復活を遂げました。その後短毛種との交配が重ねられ、現在の姿に至っています。
アビシニアンの特徴・性格
アビシニアンの特徴は、しなやかで筋肉質なボディー、丸みのあるV字形頭部、大きなアーモンド形の目、目の下にあるクレオパトララインなどです。その鳴き声は美しく、「鈴を転がしたよう」と形容されるくらいです。被毛は一本の毛が3~4色の濃淡に区切られているため、太陽の下ではキラキラ輝いて一種の織物のようにも見えます。「ティックドタビー」と呼ばれるこの模様は、アビシニアンの大きな特徴となっています。
アビシニアンの性格は、高貴な雰囲気を漂わせる外見とは裏腹に、非常に甘えん坊な側面があります。活発で、好奇心旺盛ですが、少々神経質な個体もいます。
アビシニアンの性格は、高貴な雰囲気を漂わせる外見とは裏腹に、非常に甘えん坊な側面があります。活発で、好奇心旺盛ですが、少々神経質な個体もいます。
アビシニアンのお手入れ・注意点
アビシニアンのお手入れは、ブラッシングは1日1回程度で大丈夫です。猫には珍しくあまり水を怖がらない品種ですが、子猫の頃からシャワーになれさせておくのがベストでしょう。
アビシニアンの動画
以下でご紹介するのはアビシニアンの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
非常に活動的な性格なため、家の中に一人ぼっちでほったらかしにしておくのはあまりお勧めできないません。かつてはアビシニア(エチオピア)起源と考えられていましたが、遺伝子解析の結果、インド洋南東あたりが発祥の地である可能性も出てきています。被毛を指でなぞると、下層部にあるやや薄い色合いの毛色が確認できます。これが「ティックドタビー」です。
健康面では、歯肉炎や膝蓋骨脱臼になりやすいとされています。
非常に活動的な性格なため、家の中に一人ぼっちでほったらかしにしておくのはあまりお勧めできないません。かつてはアビシニア(エチオピア)起源と考えられていましたが、遺伝子解析の結果、インド洋南東あたりが発祥の地である可能性も出てきています。被毛を指でなぞると、下層部にあるやや薄い色合いの毛色が確認できます。これが「ティックドタビー」です。
健康面では、歯肉炎や膝蓋骨脱臼になりやすいとされています。
アビシニアンの病気
以下でご紹介するのは文献などで報告されているアビシニアンに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
ピルビン酸キナーゼ欠損症(Pyruvate kinase deficiency, PKDef)とは、赤血球上にあるピルビン酸キナーゼと呼ばれる酵素が欠損することにより十分なエネルギーを産生することができなくなり、赤血球の寿命が縮んで貧血に陥ってしまう病気。診断は血液検査を通した貧血の確認や、遺伝子検査を通した疾患遺伝子の確認などで下します。貧血を根本的に改善するには骨髄移植が必要ですが、現実的ではありません。
細菌性尿路感染
細菌性尿路感染とは、おしっこの通り道である尿路の中に何らかの細菌が侵入し、炎症を始めとする免疫反応が起こってしまった状態のこと。診断を下す際は、膀胱穿刺などで可能な限り膀胱に近い場所から尿を採取し、中に含まれる細菌を培養します。治療法は検出された細菌に対する抗菌薬投与がメインです。
マイコバクテリア症
マイコバクテリア(ミコバクテリア)症とは、真正細菌の一種であるマイコバクテリウムに感染することで発症する病気。猫におけるマイコバクテリア症の多くは「Mycobaterium lepraemurium」によるレプロ症です。少数ながら結核への感染症例もあります。診断は患猫から組織サンプルを採取し、組織学的な特徴を観察することで下します。治療は抗菌薬投与がメインです。
猫伝染性腹膜炎(FIP)
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。
進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症は1977年、スウェーデンにいた一頭のアビシニアンで確認された遺伝病の一種。2歳頃から目の中の網膜が劣化を始め、最終的には失明に至る眼科系の疾患です。病気を持ったアビシニアンが繁殖猫として用いられていたことから、疾患遺伝子が多くの子孫に受け継がれ、品種内で固定されてしまいました。
杆体錐体異形成
杆体錐体異形成とは、網膜にある杆体および錐体と呼ばれる光受容器が正常に形成されず、視覚に異常をきたしてしまう病気。診断は眼底検査や視力の電気的検査(網膜電図)を通して下します。根本的な治療法はなく、猫も飼い主も視力障害とうまく付き合いながら暮らしていくことになります。
腎アミロイドーシス
アミロイドーシスとは血清中にある「アミロイドA」と呼ばれるタンパク質が特定臓器に沈着し、機能不全に陥れる病気。腎アミロイドーシスといった場合は特に腎臓に沈着した状態を指します。診断は腎臓の組織を採取して生検を行い、アミロイドの沈着を確認することで下します。治療法は投薬治療による対症療法と安静がメインです。
重症筋無力症
重症筋無力症とは、神経から筋肉に対する指令がうまく伝わらず、筋肉の疲労や脱力がおこる病気。診断は、筋肉の機能を一時的に回復させる薬剤(塩化エドホロニウム)を投与し、症状が改善するかどうかを観察することで下します。治療法は長期的な投薬治療と食事療法がメインです。
難産
難産とは出産に際して胎子をスムーズに体外に分娩することができない状態のこと。胎子が大きすぎて母猫の産道を通過できない場合は、帝王切開が行われることもあります。