猫草の種類
「猫草」(ねこぐさ, cat grass)とは猫は食べても安全な草のことです。特定の植物を表す正式名称というわけではなく、猫が好んで食べるイネ科植物の総称として使われます。またたびやキャットニップも猫が口にする植物ですが、これらには猫をハイにする多幸感成分が含まれているため猫草とは別物として扱います。詳しくは「猫へのまたたびの与え方」をご参照下さい。
猫草の代表「エン麦」
海外の猫草は「エン麦+小麦+大麦」など複数の草をミックスしたものが多いようですが、日本国内では主としてエン麦(エンバク)が単品で用いられます。猫が食べるのは成長しきった長い草ではなく、芽が出始めて丈が10~15cmくらいになったときの青々とした若草です。
エン麦(猫草)の成長過程
エン麦の代用品
猫草としてはそれほどメジャーではありませんが、イネ科植物の中にはエン麦の代用品になるものがいくつかあります。以下は一例です。
イネ科の猫草代用植物
- スーダングラスモロコシ属 | 英語ではSudangrass1年生の暖地型牧草。名前はアフリカ・ナイル川流域のスーダン地方が原産であることから。草丈は3mぐらいにまで成長し、乾燥させたものは干し草として利用される。
- イタリアンライグラスドクムギ属 | 英語ではItalian ryegrass根元で枝分かれして草丈は30~100cmになる。非常に多くの品種があり、主として家畜の牧草として栽培される。
- 小麦コムギ属 | 英語ではwheat世界三大穀物の一つで、パン小麦の胚乳部分はパンの原料となり、デュラム小麦の胚乳部分はパスタの原料となる。
- ライ麦ライムギ属 | 英語ではrye小麦より寒い環境や痩せた土壌に強いため、小麦の栽培に向いていない寒冷地において栽培される。胚乳部分はライ麦パンの原料になる。
- 大麦オオムギ属 | 英語ではbarley小麦よりも低温や乾燥に強いため小麦の生産が困難な地方において多く栽培される。胚乳部分は麦飯(麦とろの下の部分)になる。
危険な猫草
イネ科植物のエノコログサ属に含まれる「エノコログサ」も代表的な猫草の一つです。先端がブラシのようになっており、一般的にネコジャラシとも呼ばれています。草丈は40~70cmで種の部分を脱穀すれば人間でも食べれないことはありません。
エノコログサ(ネコジャラシ)は雑草として生えておりその辺の道端でも入手することができますが、外に生えているものは粉塵(ふんじん)などで汚れていたり、野良猫や犬のおしっこで汚れている可能性があります。また先端に付いているノギ(芒)と呼ばれるトゲ状の突起を飲み込んでしまうと、時として重大な症状を引き起こす危険性も指摘されています。基本的には猫の口に入れないほうがよいでしょう。
代用にならない草
一部のネット情報では猫に安全な植物として「オリヅルラン」(Spider plant)、「シャコバサボテン」(Christmas cactus)、「ブロメリア」(Bromeliads)などを挙げているものがあります。しかしこれらは「少なくとも猫における中毒症状が今のところ報告されていない」というだけであって「むしゃむしゃ食べても大丈夫」という意味ではありません。
また過去に屋外で暮らしている猫を対象として行われた調査では、「クリノイガ属」(Cenchrus echinatus)、「ガジュマル」(Ficus microcarpa)、「ヤマグワ」(Morus australis)、「カタバミ属」(Oxalis)、「イヌホオズキ」(Solanum nigrum)を食べたという報告があります(Bonnaud, 2011)。しかしこれらは自発的に食べたと言うよりも獲物の胃の中に入っていた可能性の方が大ですので「猫が食べても安全」とはちょっと違うカテゴリーになるでしょう。 猫の体に絶対必要な植物は今の所確認されていません。その一方、猫に対して有害な作用を及ぼしうる植物は数百種類が確認されています。草だったらなんでもよいというわけではないため、むやみやたらにいろいろな植物を与えるのではなく、安全性が確認されている猫草だけを与えるようにしましょう。またハーネスを付けて外を散歩させる習慣がある家庭においては、道端に生えている草を猫が間違って食べてしまわないよう十分注意します。
NEXT:猫草の正しいあげ方は?
また過去に屋外で暮らしている猫を対象として行われた調査では、「クリノイガ属」(Cenchrus echinatus)、「ガジュマル」(Ficus microcarpa)、「ヤマグワ」(Morus australis)、「カタバミ属」(Oxalis)、「イヌホオズキ」(Solanum nigrum)を食べたという報告があります(Bonnaud, 2011)。しかしこれらは自発的に食べたと言うよりも獲物の胃の中に入っていた可能性の方が大ですので「猫が食べても安全」とはちょっと違うカテゴリーになるでしょう。 猫の体に絶対必要な植物は今の所確認されていません。その一方、猫に対して有害な作用を及ぼしうる植物は数百種類が確認されています。草だったらなんでもよいというわけではないため、むやみやたらにいろいろな植物を与えるのではなく、安全性が確認されている猫草だけを与えるようにしましょう。またハーネスを付けて外を散歩させる習慣がある家庭においては、道端に生えている草を猫が間違って食べてしまわないよう十分注意します。
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猫草のあげ方と注意点
猫草は草丈が10~15cmになり先っぽが末広がりになったタイミングが食べごろです。草が生えた鉢ごと食器の近くに置いてみましょう。最初はどんな猫もクンクンと匂いを嗅いで警戒心を示します。その後のリアクションは猫によってまちまちです。食べないからといって異常というわけではありません。
いつから食べる?
猫草は基本的に1歳を越えた成猫に与えるようにします。1歳未満の子猫だと消化管の長さが足りず、長めの草を飲み込んだときに引っかかってしまう危険性があります。また成長期ですので、血や肉にならない植物ではなく筋肉のもとになるタンパク質(アミノ酸)を優先的に食べさせたほうがよいでしょう。ただし猫が6ヶ月齢以降であれば、カットした5cm程度の草を少量食べられるかもしれません。
どこで食べる?
1歳を超えた成猫用に用意した猫草は、基本的には食器の近くに置いておきます。草を食べた後、高い確率で吐き戻してしまう猫の場合は、夜の間だけどこかに隠しておくと睡眠を邪魔されずに済むでしょう。いたずらして鉢をひっくり返すような場合は、猫の手が届かない場所に隠したりガード用のカゴを乗せて触れなくするなどの方法もあります。なお脱走や落下の危険性があるためベランダで与えるのはお控え下さい。
どうやって食べる?
猫に草を食べさせる際、最も簡単なのは鉢からそのまま食べさせるという方法です。猫は前歯(切歯)に草を引っ掛けて、根こそぎ引き抜いて飲み込んだり、頭を傾けて奥歯(臼歯)で先端部分をシャキッと噛み切って食べたりします。最初は食べるのが下手ですが、どんな猫でも試行錯誤を繰り返すうちに少しずつ上達していきます。
引っこ抜くタイプの食べ方では、根本についた土を一緒に飲み込んでしまうかもしれません。引っ張っても抜けないようにするためには、深い鉢を使って種と種の距離を縮めて撒き、土の中で根と根が密接に絡み合うようにしておく必要があります。自家栽培する際は準備の段階から要注意です。
なおエン麦の根には「サポニン」と呼ばれる配糖体の一種が含まれており菌類の動きを不活性化することが確認されています(J.W.Deacon, 1985)。特に根の先端部分に高い濃度で含まれていますので、引っこ抜いたエン麦の根の部分は猫が食べてしまう前に速やかに処分してください。
猫が不器用だったり歯が悪かったりしてうまく鉢から食べられないような時は、飼い主が猫草をカットして食べさせてあげましょう。猫草があまりにも長い状態だと飲み込むのに苦労したり喉の奥に引っかかってしまうかもしれません。5cmくらいにカットしてあげると食べやすくなるでしょう。ただし長い方が好きの猫もいますので猫のリアクションに合わせてください。
カットしてから時間が経った草には見向きもしなくなります。鮮度が落ちた猫草は潔く捨ててしまいましょう。
なおエン麦の根には「サポニン」と呼ばれる配糖体の一種が含まれており菌類の動きを不活性化することが確認されています(J.W.Deacon, 1985)。特に根の先端部分に高い濃度で含まれていますので、引っこ抜いたエン麦の根の部分は猫が食べてしまう前に速やかに処分してください。
猫が不器用だったり歯が悪かったりしてうまく鉢から食べられないような時は、飼い主が猫草をカットして食べさせてあげましょう。猫草があまりにも長い状態だと飲み込むのに苦労したり喉の奥に引っかかってしまうかもしれません。5cmくらいにカットしてあげると食べやすくなるでしょう。ただし長い方が好きの猫もいますので猫のリアクションに合わせてください。
カットしてから時間が経った草には見向きもしなくなります。鮮度が落ちた猫草は潔く捨ててしまいましょう。
鉢はいつ交換する?
猫草として用いられるエン麦の草丈は1m前後ですので、鉢に十分な大きさがある限りどんどん伸びていきます。しかし小さな鉢の中では途中で枯れてしまうことが多く、また先端の一番新鮮な部分を食べ終えた猫はそこから下の部分に興味を示さなくなります。鉢を交換する前に古くなった先端をカットして与えてみましょう。匂いが変わって再び食欲が湧くかもしれません。それでも興味を示さない場合は新しい鉢を用意します。
鉢を交換する前にどのくらいの期間でどの程度食べたかをしっかりとチェックしておきましょう。食べる量を知っておくと、どの程度のペースで猫草を補充すればよいのかがわかってきます。以下は猫草を自分で栽培するときの一例です。種まきから食べごろになるまでの期間を2週間として計算しています。
鉢を交換する前にどのくらいの期間でどの程度食べたかをしっかりとチェックしておきましょう。食べる量を知っておくと、どの程度のペースで猫草を補充すればよいのかがわかってきます。以下は猫草を自分で栽培するときの一例です。種まきから食べごろになるまでの期間を2週間として計算しています。
猫草の補充・交換ペース
- 2週間でようやく1鉢がなくなった→2鉢用意して種まきを2週間ずらす
- 1週間で1鉢がなくなった→3鉢用意して種まきを1週間ずつずらす
- 3日で1鉢を食べ尽くした→6鉢用意して種まきを3日ずつずらす
土はどう処分する?
猫草の土台が可燃ごみとして出せる植物性の土や紙製のものでない場合、適切な方法で処分や処理をしなければなりません。
土を廃棄する
廃棄する場合、使用済みの土はほとんどの場合一般ごみとしては出せません。自宅の庭がある場合は土から種を取り除いた上で廃棄できます。庭がない場合、ホームセンターなどでは不要土の引き取りを行っているところもありますのでご確認下さい。ただし「購入商品と同等・同数に限る」という条件が付き、また自分でホームセンターまで運ばなければなりません。ホームセンターがない場合は有料で引き取ってくれる業者があります。
土を再生・再利用する
処理して再生・再利用する場合、土を乾かしてふるいにかけ、ゴミを取り除きます。具体的には虫、植物の根や葉などです。次に熱を加えて消毒します。夏場なら黒いビニール袋に包んで直射日光に当て、中の古い土を消毒します。冬場は十分な日光がありませんので熱湯をかけてまんべんなく行き渡るようにします。その後、市販されている「古い土をよみがえらせる土」(特殊な微生物や有機栄養分を含んでいる)などを加え、クオリティを元の状態に戻します。
NEXT:栽培キットでの育て方
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猫草栽培キットでの育て方
園芸店やペット用品店などではすでに草が生えた状態の猫草が売られています。しかし値段が高かったり入荷状況がまちまちだったりして思い通りのペースで猫草を用意できないことがあります。そんな場合は自分で猫草を栽培してみましょう。
市販されている猫草の栽培キットには、水をかけるだけでOKというものや鉢、栽培用土、種がワンセットになっているものなどがあります。どちらにしても必要なのは定期的な水やりと温度管理、そして猫が草を食べ終わった後の廃棄処分だけです。
市販されている猫草の栽培キットには、水をかけるだけでOKというものや鉢、栽培用土、種がワンセットになっているものなどがあります。どちらにしても必要なのは定期的な水やりと温度管理、そして猫が草を食べ終わった後の廃棄処分だけです。
3点栽培セット
種を発芽させる
栽培セットでは種が乾いた状態で届きますので最初の水やりでは150ccほどたっぷりとかけます。乾いた種が満遍なく水に触れるよう、指先を使って軽く整えたほうがよいでしょう。種が土に隠れていなくても、自分で勝手に根を張って位置を固定しますのでそのままで大丈夫です。
蓋を閉めて暗室状態にしたら、周辺環境が16℃以上(理想は20℃前後)になるように温度管理します。屋外で栽培することもできますが、冬は寒すぎて16℃下回り、夏場は暑すぎて25℃を上回ってしまうので室内に入れた方が確実でしょう。
蓋を閉めた後は1日1回、土の表面が乾いているタイミングを見計らって30~50cc程度の水を水差しや霧吹きなどで与えます。冬場は蒸発が遅いため2日に1回程度のペースでも大丈夫です。水のやりすぎはカビ、種腐れ、根腐れの原因になりますので土がぐちゃぐちゃにならないよう気をつけます。
芽を伸ばす
種の周辺環境が16℃以上ある場合4~6日で芽が出てきます。発芽したら蓋を開けて日当たりの良い場所に移動し、光合成を促します。夏場の直射日光に当てると枯れてしまう危険がありますので、風通しの良い日陰に置くようにしてください。室内に置くにしても屋外に置くにしても、タバコの煙や殺虫剤など猫にとって有害な分子がつかないよう十分注意します。
草は光の方に傾きながら生えていきますので、たまに位置を入れ替えてあげると真っ直ぐ生えるでしょう。猫が食べやすいようあえて斜めに育てるという考えもあります。
水は土の表面が乾いているタイミングを見計らって30~50ccほど与えます。冬場は2日に1回、夏場は1日に1回が目安です。水を与えすぎても根腐れや水漏れの原因になるだけですので、必要な量だけ給水するよう注意します。 日光と水分と温度がしっかりと管理されている場合、7~10日くらいで若草が10~15cmに育ちます。先っぽが末広がりになったタイミングが食べごろですので「猫草のあげ方と注意点」を参考にしながら与えてみて下さい。
水は土の表面が乾いているタイミングを見計らって30~50ccほど与えます。冬場は2日に1回、夏場は1日に1回が目安です。水を与えすぎても根腐れや水漏れの原因になるだけですので、必要な量だけ給水するよう注意します。 日光と水分と温度がしっかりと管理されている場合、7~10日くらいで若草が10~15cmに育ちます。先っぽが末広がりになったタイミングが食べごろですので「猫草のあげ方と注意点」を参考にしながら与えてみて下さい。
水だけ栽培セット
水をかけるだけで猫草を育てられる商品があります。土の代わりにパルプ原紙、粉砕クラフトが用いられているため、使用後はそのまま可燃ごみとして捨てることができるのが大きな特徴です。また土を用いたときのようにコバエがわかないというのも大きなメリットでしょう。デメリットは軽くて猫が食べようとすると土台から動いてしまうという点、匂いがややきついという点です。価格は1鉢100~500円ですので、自家栽培したときの値段(50円未満)に比べると単位価格は2~10倍といったところでしょう。
代表的な水だけ栽培セットとしては「猫草栽培セット」(無印良品)と「にゃんベジ」(HARIO)があります。見た目、種(オーストラリア産のエン麦)、土台(土の代わりとして用いている再生粉砕パルプ)はほとんど同じで、最初に与える水の量(250ml)も同じです。唯一違うのは「にゃんベジ」の方にオプションで専用の容器(+1,500円くらい)が付いてくるという点だけです。また1鉢の値段は無印良品の方が2個入り税込み190円(1鉢85円)で統一ですが、にゃんベジの方はリフィル2個で300~900円超(1鉢150~450円超)と販売店によって大きな差があります。
種を発芽させる
3点セットタイプの栽培キットでは最初に水を入れてから芽を出すまでの期間、毎日チェックして水を差す必要がありました。それに対し水だけで育てる栽培セットでは、最初にたっぷり水をあげた後、発芽するまでの間に何もする必要はありません。置き場所は風通しの良い日向がベターとされています。以下は「猫草栽培セット」(無印良品)と「にゃんベジ」(HARIO)の比較写真です。注水5日目でポツポツと芽が出始めています。
芽を伸ばす
芽が出た後は土台紙が乾かない程度に軽く水やりをし(20~30ml)、若草が伸びていくのを待ちます。水で砕けたパルプが芽と一緒に持ち上がってしまう場合は指やピンセットできれいに取り除いて下さい。以下は「猫草栽培セット」(無印良品)と「にゃんベジ」(HARIO)の比較写真です。注水から8日目(発芽から3日目)でかなりの草丈に成長していることがおわかり頂けるでしょう。
気温が16℃以上ある場合は1週間程度で10~15cmになるでしょう。先っぽが末広がりになったタイミングが食べごろですので「猫草のあげ方と注意点」を参考にしながら与えてみて下さい。
NEXT:種からの育て方
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種からの猫草の育て方
市販の栽培キットに比べ、自分で種から猫草を栽培した場合はかなり割安に抑えられます。必要なものをそろえたら栽培スケジュールに沿って育ててみましょう。
栽培に必要なもの
ちょっとしたスペースさえあれば自宅でも簡単に猫草を栽培することができます。以下は最低限必要な道具です。
鉢
猫草を育てるときは土が乾かないよう底に穴の空いていない鉢を使いますので基本的に受け皿は必要ありません。容器の安定性と発育の安定性を考慮すると、大きさは15cm×15cm×10cmくらいがちょうどよいでしょう。直方体でも円柱形でも構いません。100円ショップで売っているような蓋付きのプラスチック容器が意外と便利です。透明なものを選んでおくと、土の乾き具合が横や下からすぐに分かって水のやりすぎや乾き過ぎを予防できます。
あまりにも高さが足りない容器を使うと、根が十分に伸びず、草を噛んだときに根こそぎ抜けてしまうかもしれません。また猫が前足をかけやすくなるため食べにくくなることも考えられます。逆にあまりにも高さがありすぎる容器を使うと、軽くぶつかっただけで倒れ部屋の中に土をぶちまけてしまうかもしれません。鉢の素材は陶器でもガラスでも金属でも構いませんが、安定性だけは確保するようにしましょう。
市販されている植木鉢(素焼き鉢や駄温鉢)を用いる際は、平鉢でも普通鉢(スタンダード鉢)でも4号くらいがちょうどよいと思われます。植木鉢は多孔質で通気性がよいため土が乾きやすくなります。こまめに土の表面をチェックしてパサパサしていたら水分を補給しましょう。また排水性を高めるため底に穴があいています。水漏れしてしまいますので受け皿が必要です。
面積が広いプランターを用いると一度に大量の草を植えられますが、猫が草の上に乗っかって潰してしまうかもしれませんので一長一短です。
面積が広いプランターを用いると一度に大量の草を植えられますが、猫が草の上に乗っかって潰してしまうかもしれませんので一長一短です。
土
市販の猫草の種は多くの場合エン麦です。ある特定の土を用いなければ芽を出さないというわけではなく、水分を保って根を張る土台さえあれば紙の上でも成長していきます。しかし栽培した草を猫が口に入れるという点を考えるとハーブ用土もしくは種まき用土を用いるのが無難でしょう。5Lサイズの用土が2kgで1鉢に用いる土の量が150~170gだとすると、12~13鉢分になります。
猫草専用の土も売られていますが、内容はバーミキュライト、ピートモス、パーライトなどほとんどハーブ用土と変わりません。ハーブ用土の価格がおよそ100円/Lなのに対し専用土は200~300円/Lと割高ですので懐に余裕がある人向きです。どうしても入手できないような場合は園芸用土や芝生の目土(めつち)でも栽培はできますが、含有成分はしっかり確認しておく必要があります。なお100円ショップなどで売られている安い土の場合、加熱消毒されていないことがあります。うようよとダニが確認できる場合は、直射日光に当てるなどして50℃以上に温め、30分以上置いてください。
土は基本的に一般ごみとして出すことはできませんが、可燃ごみとして出すことを前提としてデザインされた培養土がいくつかあります。原材料はココピート、バーク堆肥、バークチップ、ヤシ繊維など植物由来のものです。有機肥料が加えられているものといないものがありますので、含有成分が気になる場合は含まれていない方を選べば安心でしょう。
種の上にかける土(覆土)は種の大きさの2~3倍が基本とされています。エン麦の場合は5mm程度で十分でしょう。上からぎゅっと押し付けてしまうと通気性が悪くなり、水をかけたときに浸透しにくくなりますので、覆土はパラパラの状態で構いません。
種
猫草用の種として市販されているのは多くの場合エン麦の種です。使用期限がありますのでご注意ください。
エン麦の種は比較的硬い皮で覆われていますので、水が十分に吸収されず発芽時期がばらばらになったり発芽しないものが出てきます。3時間~一晩水に浸してあらかじめ吸水させておくと発芽率がよくなり、時期も揃いやすくなります。また水にプカプカ浮かぶものは芽を出さないスカの可能性が高いため取り除いておきます。ただし市販の種の中には、水につけることで逆に発芽率が悪くなるものもありますので臨機応変に対応して下さい。
種と種が折り重なるくらいびっちりと敷き詰めるように種を蒔くと、出てきた芽がお互いを邪魔してまっすぐ生えません。逆にあまりにもスカスカに撒いてしまうと、土の中で根と根が絡み合わず、少し引っ張っただけで簡単に抜けてしまいます。以下の写真で示すように、適度な隙間を開けてまばらに撒くのがベストです。
種と種が折り重なるくらいびっちりと敷き詰めるように種を蒔くと、出てきた芽がお互いを邪魔してまっすぐ生えません。逆にあまりにもスカスカに撒いてしまうと、土の中で根と根が絡み合わず、少し引っ張っただけで簡単に抜けてしまいます。以下の写真で示すように、適度な隙間を開けてまばらに撒くのがベストです。
水
種が発芽するためには水、酸素、温度が必要です。水をやらないと延々と目が出ませんが、逆に水をやり過ぎると根が腐ってしまうことがあります(根腐れ)。また湿った環境はコバエの原因にもなります。土の表面が軽く湿るくらいに保つのがよいでしょう。水差しや霧吹きを用いると均一に水やりができて便利です。あらかじめ透明の容器を選んでおくと、横や底から土の湿り具合を確認できますので水のやりすぎを防ぐことができます。
日光
エン麦は発芽するまで直射日光を避けて育て、芽を出した後は日光に当てて光合成を促します。ただし真夏の炎天下にさらしてしまうと部分的に枯れることもありますのでほどほどにします。またベランダなどに放置しておくとカラスや鳩に突かれておシャカになってしまうことがありますので、鳥よけネットや手製のカバーをかけておいたほうがよいでしょう(→詳しくは猫草トラブルQ&Aを参照)。草は光の方に傾きながら生えていきますので、たまに位置を入れ替えてあげると真っ直ぐ生えていきます。
栽培スケジュール
以下はおおまかな自家栽培スケジュールです。季節や気温によって変動しますが、14日間(2週間)で食べごろになる成長過程を想定しています。
種を発芽させる
鉢に7割くらい土を入れてまんべんなく種を撒いたら、5mmくらい土をかけて上から150ccほどの水をかけます。密閉状態にならないよう隙間を作りながら鉢の上に蓋をのせて暗室状態にし、温度が16℃を下回らない場所に安置しましょう(理想は20℃前後)。
蓋を閉めた後は1日1回、土の表面が乾いているタイミングを見計らって30~50ccほどの水を水差しや霧吹きなどで与えます。冬場は蒸発が遅いため2日に1回程度のペースでも大丈夫です。種の周辺環境が16℃以上ある場合4~6日で芽が出てきます。
芽を伸ばす
芽が出てからは鉢を太陽の光が当たる場所に移動して光合成を促します。ただし温度が16℃を下回らないよう注意して下さい。また夏場は直射日光がきつすぎるので風通しのよい日陰に置くようにします。室内に置くにしても屋外に置くにしても、タバコの煙や殺虫剤など猫にとって有害な分子がつかないよう気をつけて下さい。
水は土の表面が乾いているタイミングを見計らって水差しや霧吹きで30~50ccほど与えます。冬場は2日に1回、夏場は1日に1回が目安です。水の量が少ないと枯れる原因になりますが、水を与えすぎても根腐れや水漏れの原因になるだけですので、必要な量だけ給水するよう注意します。
日光と水分と温度がしっかりと管理されている場合、7~10日くらいで若草が10~15cmに育ちます。1日で急激に伸びますので育ち過ぎにご注意下さい。先っぽが末広がりになって食べごろになったら「猫草のあげ方と注意点」を参考にしながら猫に与えてみましょう。
NEXT:猫草の必要性
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そもそも猫草は必要?
そもそも猫草は必要なのでしょうか?猫は完全肉食動物ですので基本的に植物は必要ありません。しかしペット猫、野良猫(野猫)、ヤマネコの行動から推測すると、食事内容の1割未満であれば草などの植物を口にすることは普通のようです。
猫草を食べる理由
猫が猫草を食べる明確な理由はわかっていませんが、以下のような可能性が考えられます。
猫はなぜ草を食べるの?
- 便通を良くする草に含まれる食物繊維による刺激により便通が良くなり、お腹の中にいる寄生虫を出しているのではないかという仮説です。この説は早くも1940年代から提唱されていますが実証はされていません(Frank, 1941)。ただ猫が出した便の中に未消化の草が混じっていることから考えると、便秘の解消に役立っている可能性はあります。
- 嘔吐を促す草の先端によるチクチクとした刺激によって嘔吐が促され、胃の中に溜まったヘアボールを吐き出しているのではないかという仮説です。人間で言うと「口の中にわざと指を突っ込む」ようなイメージでしょうか。
- 葉酸を摂取する草の中に含まれている葉酸と呼ばれるビタミンの一種を摂取しているのではないかという仮説です。ある特定の栄養素や微量元素が足りなくなった状態を「特殊飢餓」と呼び、リンが欠乏したヒツジが仲間の毛を食べるとか、カルシウムの欠乏したゾウが岩を削って食べるといった例があります。 ヒツジの一種であるアイベックスは体内の塩分が少なくなると、ダムの石組み表面についている塩を舐め取って補給しようとします。一見すると異常な行動にも見えますが、猫も同じように何らかの微量元素に対する特殊飢餓に陥っているのだとすると、草を食べるという奇妙な行動にも説明が付きます。
野良猫における草食
猫草を食べるのは主にペット猫ですが、屋外を放浪している野猫(人間と一切接触しない)や野良猫(人間と部分的に接触する)の中にも植物を口にするものがいるようです。
オーストラリア・ヴィクトリア州で128頭の野猫を対象とした食餌内容調査が行われました。その結果、小型の哺乳動物が88%と大部分を占めていた一方、草や枝といった植物が1.4%を占めていたと言います。また鳥類、爬虫類、無脊椎動物を合わせた割合は5.2%でした(Coman, 1972)。
また1997年から99年にかけ、オーストラリア・ビクトリア州にあるアングレシーのゴミ捨て場で屋外を放浪している猫の糞便調査が行われました(Hutchings, 2003)。ゴミ捨て場周辺に残された合計159個のサンプルを調べたところ、人間が出したゴミと自ら獲った小動物が主な食料源になっていることが明らかになったといいます。ゴミ由来の内容物には骨のかけら、プラスチック、アルミフォイル、紙、果物、ウール、布、野菜などが含まれていました。
一方、自力で取った獲物には哺乳動物、鳥類、爬虫類、無脊椎動物などが含まれていました。その他、来歴がよくわからない植物も多く観察されたと言います。具体的には以下のような頻度です。どういうわけか鳥類や昆虫よりも植物を口にする機会の方が多いという可能性がうかがえます。 糞便中に残っていた植物が、自発的に食べたものなのか、それとも小動物の胃の中に残っていたものを間接的に食べたものなのかはわかりません。しかし屋外を放浪している猫が何らかのルートを通じて植物を体内に取り込むのは普通のことのようです。猫は一般的に「完全肉食動物」と呼ばれていますが、ひょっとすると「ステーキの横に添えられたニンジンをつまむ」くらいの軽い感覚で植物を口にする習性があるのかもしれません。
オーストラリア・ヴィクトリア州で128頭の野猫を対象とした食餌内容調査が行われました。その結果、小型の哺乳動物が88%と大部分を占めていた一方、草や枝といった植物が1.4%を占めていたと言います。また鳥類、爬虫類、無脊椎動物を合わせた割合は5.2%でした(Coman, 1972)。
また1997年から99年にかけ、オーストラリア・ビクトリア州にあるアングレシーのゴミ捨て場で屋外を放浪している猫の糞便調査が行われました(Hutchings, 2003)。ゴミ捨て場周辺に残された合計159個のサンプルを調べたところ、人間が出したゴミと自ら獲った小動物が主な食料源になっていることが明らかになったといいます。ゴミ由来の内容物には骨のかけら、プラスチック、アルミフォイル、紙、果物、ウール、布、野菜などが含まれていました。
一方、自力で取った獲物には哺乳動物、鳥類、爬虫類、無脊椎動物などが含まれていました。その他、来歴がよくわからない植物も多く観察されたと言います。具体的には以下のような頻度です。どういうわけか鳥類や昆虫よりも植物を口にする機会の方が多いという可能性がうかがえます。 糞便中に残っていた植物が、自発的に食べたものなのか、それとも小動物の胃の中に残っていたものを間接的に食べたものなのかはわかりません。しかし屋外を放浪している猫が何らかのルートを通じて植物を体内に取り込むのは普通のことのようです。猫は一般的に「完全肉食動物」と呼ばれていますが、ひょっとすると「ステーキの横に添えられたニンジンをつまむ」くらいの軽い感覚で植物を口にする習性があるのかもしれません。
ヤマネコにおける草食
イエネコの近縁種であるヤマネコも草を食べたりするのでしょうか?どうやら食べるようです。
1994年、ポルトガルのセーラ・ダ・マルカータ自然保護区に暮らしているヨーロッパヤマネコの糞便220サンプルを調べた所、21.2%の確率で植物が検出されたと言います(Sarment, 1996)。獲物の体内に含まれていた可能性もありますが、頻度の高さから考えると自発的に草を食べたものと推測されます。どうやらイエネコの近縁種であるヤマネコにも、草を食べるという習性があるようです。
栄養価を持たないものを食べる行為は異食症(いしょくしょう, pica)という病気として扱われますが、猫における草食行動は病気なのではなく、遺伝子にプログラムされた本能的な行動の一種なのかもしれません。
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1994年、ポルトガルのセーラ・ダ・マルカータ自然保護区に暮らしているヨーロッパヤマネコの糞便220サンプルを調べた所、21.2%の確率で植物が検出されたと言います(Sarment, 1996)。獲物の体内に含まれていた可能性もありますが、頻度の高さから考えると自発的に草を食べたものと推測されます。どうやらイエネコの近縁種であるヤマネコにも、草を食べるという習性があるようです。
栄養価を持たないものを食べる行為は異食症(いしょくしょう, pica)という病気として扱われますが、猫における草食行動は病気なのではなく、遺伝子にプログラムされた本能的な行動の一種なのかもしれません。
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猫草トラブルQ&A
猫草を育てたり猫に猫草を食べさせるとき、ちょっと困った事態に陥ることがあります。具体的なトラブルの内容と解決策は以下です。
猫草を食べない
せっかく与えた猫草を猫が食べてくれない時があります。ただ単に見知らぬ物に警戒心を示して食べようとしない場合は、草を1本ちぎって飼い主の手から食べさせてみましょう。食べたい気持ちはあるけれども、歯が悪くて食べられないような場合は、先端のおいしい部分をカットしてお皿に盛って食べさせてみます。先っぽの新鮮な部分だけ食べる猫や、鉢からは食べるけれどもカットしたら食べない猫など、草の食べ方は個体によってさまざまです。個々の猫に合ったセッティングを探してあげましょう。
どんなに工夫をしても食べてくれない時は、そもそも猫草に興味がないのかもしれません。ひとまずエン麦以外の小麦や大麦を試し、それでも食べてくれないような場合は諦めましょう。詳しくは「猫草の種類」をご覧ください。
どんなに工夫をしても食べてくれない時は、そもそも猫草に興味がないのかもしれません。ひとまずエン麦以外の小麦や大麦を試し、それでも食べてくれないような場合は諦めましょう。詳しくは「猫草の種類」をご覧ください。
猫草を食べ過ぎる
鉢を1日で平らげてしまうなど、猫が大量の草を食べることがあります。猫草の摂取量に関し適量というものは設けられていませんが、野猫やヤマネコの行動から類推すると、草の量は1日の食事量(体積)の1割未満が妥当だと考えられます。これ以上食べる場合は栄養を持たないものを口にする「異食症」という病気の可能性もありますので、ひとまず草の量が10%を超えないように管理し、猫にストレスがたまっていないかどうかをチェックしましょう。
おそらく猫草中のミネラルに関する不安から生まれた都市伝説の一種だと考えられます。以下はエン麦の若草に含まれているミネラル含有量の一覧です(Khalid Mahmood, 2015)。調査対象となったのは葉っぱが4~8枚ほど出た「CDC Dancer」および「Lamont」という種類のエン麦です。 猫の腎結石と尿管結石の90%以上は、溶解しにくいシュウ酸カルシウムだとされています(ACVIM, 2016)。
シュウ酸カルシウム結石を予防するために重要なのは、尿濃度を薄めて尿の酸性化と過剰なタンパク質の摂取を避けることです。具体的には十分な量の水や、水分を75%以上含んだウェットタイプのフードを与え、尿比重が1.030を下回るように食事管理することだとされています。また尿の酸性度がpH6.5未満になるようデザインされた低マグネシウム-リンの療法食は避けるべきであるとされています。
猫草の80%は水分で、なおかつミネラルとしてリンを比較的多く含んでいますので、猫で多いとされるシュウ酸カルシウム結石に関しては、逆に予防的に作用している可能性すらあります。もちろん、猫草さえ食べていれば結石を予防できるという意味ではありませんが。また猫が慢性腎不全でリンの摂取量を制限する必要がある場合は過剰摂取にご注意ください。
なお一部では「猫草が結石の原因になる」という噂がありますが、少なくとも猫草と結石との因果関係を示した症例は報告されていません。おそらく猫草中のミネラルに関する不安から生まれた都市伝説の一種だと考えられます。以下はエン麦の若草に含まれているミネラル含有量の一覧です(Khalid Mahmood, 2015)。調査対象となったのは葉っぱが4~8枚ほど出た「CDC Dancer」および「Lamont」という種類のエン麦です。 猫の腎結石と尿管結石の90%以上は、溶解しにくいシュウ酸カルシウムだとされています(ACVIM, 2016)。
シュウ酸カルシウム結石を予防するために重要なのは、尿濃度を薄めて尿の酸性化と過剰なタンパク質の摂取を避けることです。具体的には十分な量の水や、水分を75%以上含んだウェットタイプのフードを与え、尿比重が1.030を下回るように食事管理することだとされています。また尿の酸性度がpH6.5未満になるようデザインされた低マグネシウム-リンの療法食は避けるべきであるとされています。
猫草の80%は水分で、なおかつミネラルとしてリンを比較的多く含んでいますので、猫で多いとされるシュウ酸カルシウム結石に関しては、逆に予防的に作用している可能性すらあります。もちろん、猫草さえ食べていれば結石を予防できるという意味ではありませんが。また猫が慢性腎不全でリンの摂取量を制限する必要がある場合は過剰摂取にご注意ください。
猫草を吐く
猫草を食べた後、胃の内容物とともに草を吐き出してしまうことがあります。吐いたものの中に毛玉(ヘアボール)が含まれている場合は問題ありません。毛玉を吐きやすくするため、あえて草を食べたという可能性すらあります。しかし草を食べるたびに毎回吐き出してしまうような場合は、栄養失調や脱水症状に陥ってしまう危険性があります。メリットよりデメリットの方が大きくなりますので、猫草を与えるのは月1~2回くらいに抑えたほうがよいでしょう。
容器をひっくり返す
猫草を入れている容器があまりにも平らな場合、猫が草を歯で引っ張った勢いで入れ物ごとひっくり返してしまうことがあります。また入れ物の背丈があまりにも高い場合、猫が軽くぶつかっただけでひっくり返ってしまうことがあります。猫草を種の段階から育てた場合は、最初から安定性の高い容器を用いるようにしましょう。
出来合いの猫草や市販の栽培キットを使って草を育てた場合、途中で容器を取り替える事が難しいため、容器の外側を補強することで安定性を高めるようにします。以下は一例です。
出来合いの猫草や市販の栽培キットを使って草を育てた場合、途中で容器を取り替える事が難しいため、容器の外側を補強することで安定性を高めるようにします。以下は一例です。
猫草容器の補強・1
- 補強容器猫草を入れている容器より2回りくらい大きなもの
- おもし外に落ちている小石や水槽用の底石を三角ネットなどで小分けにし、猫草容器を固定するように周囲に置く
- ストッパー猫草容器の縁にダブルクリップをつけ、たこ糸などで補強容器に結びつける
猫草容器の補強・2
- 補強容器猫草を入れている容器より2回りくらい大きなもの
- おもし外に落ちている小石や水槽用の底石を三角ネットなどで小分けにし、猫草容器を固定するように周囲に置く
- のぞき窓補強容器の蓋をくり抜き、草だけが外に出るようにする。猫草容器より窓を大きくしないこと
猫草が枯れる
猫草の成長には空気、温度、水、日光が必要です。猫草が枯れる場合、この4大要素のうちどれかが欠けていると考えられます。
なぜ猫草が枯れるの?
- 空気が足りない発芽する前の段階で容器を密閉してしまうと、空気が足りなくなって芽が出てこないことがあります。ぴっちり閉じて気密状態にしてしまうのではなく、空気の入れ替えができるよう容器に少し隙間を作ってあげましょう。芽が出てからも密閉容器に閉じ込めないようにします。
- 温度がおかしい猫草に多く用いられているエン麦は寒さに弱く16℃を下回る環境ではうまく成長できません。特に冬場は寒くなりがちですので、猫草の周辺温度に気をつけましょう。逆に温度が25℃を超えるような環境では水分の蒸発が早く枯れてしまうことがあります。特に夏場は直射日光が照りつけますので、日中は日陰においてあげましょう。理想は20℃前後です。
- 水の量がおかしい水の量が少なすぎると枯れる原因になります。逆に水の量が多いと根が腐ってやはり枯れてしまいます。発芽してからは1日の注水量が30~50ccになるよう気をつけましょう。また猫草を入れている容器があまりにも小さい場合、根が十分に伸びず水分の吸収量が少なくなって枯れてしまうことがあります。安定性がある大きめの容器に移し変えましょう。
- 日光がおかしい日光が足りないと光合成ができず枯れる原因になります。しかし真夏の直射日光に当ててしまうと暑すぎて水分がすぐに蒸発し、やはり枯れる原因になってしまいます。夏場でも冬場でも、芽を出してからは窓辺に置き、周辺温度とともに日光の量を調整するようにしましょう。
コバエがわく
猫草の周りにコバエがブンブン飛んでることがあります。コバエが栄養源としているのは草ではなく土や水の方ですので実害はありませんが、気持ち悪いことに変わりはありません。
コバエの発生要因は有機用土(1~2mmのキノコバエ)や汚れた水(1~5mmのチョウバエ)ですので、以下の点に注意します。なお猫が草を口にするという性質上、殺虫成分を含んだ薬剤は使えません。
コバエの発生要因は有機用土(1~2mmのキノコバエ)や汚れた水(1~5mmのチョウバエ)ですので、以下の点に注意します。なお猫が草を口にするという性質上、殺虫成分を含んだ薬剤は使えません。
すぐできるコバエ対策
- 室内栽培に切り替える
- 無機用土(赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトetc)を用いる
- 有機肥料を使わない
- 紙の栽培セットを選ぶ
- 水を与えすぎない
- 受け皿の水を捨てる
カビが生える
猫草を栽培セットや種から育てている時、土の表面や種などにうっすらとカビが生えてしまうことがあります。少量であれば問題ありませんが、一面に繁殖しているような場合は明らかに異常です。水のあげすぎが原因ですので、目分量で適当に注水するのではなく、水差しや霧吹きを用いて1日30~50ccになるよう調整しましょう。
土の表面が乾いていても水を吸収する根の近辺は十分に潤っていることがありますので、湿っている土の上にダメ押しで水をかけるのも控えるようにします。種の撒き方がスカスカになっていないでしょうか?種が少ないと土に含まれた水分がいつまでたっても根から吸収されず、カビが生えやすくなってしまいます。土の面積2に対し種の面積が8になるくらいまんべんなく撒きましょう。
土の表面が乾いていても水を吸収する根の近辺は十分に潤っていることがありますので、湿っている土の上にダメ押しで水をかけるのも控えるようにします。種の撒き方がスカスカになっていないでしょうか?種が少ないと土に含まれた水分がいつまでたっても根から吸収されず、カビが生えやすくなってしまいます。土の面積2に対し種の面積が8になるくらいまんべんなく撒きましょう。
鳥や猫に荒らされる
猫草の種が発芽してからは風通しの良い場所で日光にさらす必要があります。しかしベランダなどに出しておくと鳩やカラスがやってきて鉢を倒したり若草を引き抜いてしまうことがあります。また室内の窓辺で育てる場合は、鳥ではなく猫がいたずらして倒してしまうこともあるでしょう。そういう場合は、市販の鳥よけネットや100円ショップで売っているプラスチックのバケツなどを上に置いてガードします。
あまりにも小さいと猫草が十分に育ちませんので、ある程度高さを持った容器を用いるようにします。また隙間のないバリアで密閉してしまうとカビや酸欠の原因になってしまいます。日の光を通すと同時に空気の入れ替えができるカゴ状の容器を用いると安心です。
猫草はまたたびと同じように嗜好品です。絶対に必要というわけではありませんので、食べないからと言って猫が異常というわけではありません。