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ターキッシュアンゴラ

 猫の品種の1つ「ターキッシュアンゴラ」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

ターキッシュアンゴラの基本情報

ターキッシュアンゴラ 写真:Pablo1964
  • 原産
    トルコ

  • 長毛
  • 体重
    2.5~4.5キロ
  • タイプ
    フォーリン
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

ターキッシュアンゴラの歴史・ルーツ

 ターキッシュアンゴラの起源は、アンゴラ(現在のトルコ)のアンカラ周辺で飼われていた土着猫だと言われています。アンゴラの猫は17世紀にヨーロッパに紹介され、人気種になりました。この猫の愛好家としては、ルイ15世、ルイ16世やマリーアントワネットなどが挙げられます。
 1960年代に入って絶滅の危機に陥りますが、アメリカやイギリスのブリーダーがペルシャと交配することによって一命を取り留めます。しかしペルシャの体型を受け継ぎ、「ずんぐりむっくり」の猫になってしまったそうです。その後シャムの血を入れ直して本来の引き締まった体型を取り戻し、1973年新しい品種として公認されました。

ターキッシュアンゴラの特徴・性格

 ターキッシュアンゴラの特徴は、絹のような手触りの長いシングルコート、とがった直立耳、色とりどりのアーモンド形の目(青、緑、琥珀、金目銀目=オッドアイ)などです。ボディはスリムなフォーリンタイプですが、筋肉質の体は引き締まっています。健康面では、「Ataxia」と呼ばれる運動失調症の発症確率が高いことが報告されています。
 ターキッシュアンゴラの性格は、頭が良くて優しく、飼い主に従順です。好奇心旺盛ですが若干神経質な部分もあります。

ターキッシュアンゴラのお手入れ・注意点

 シングルコートなので毛玉はできにくいですが、美しい被毛を保つため、一日一回は軽いブラッシングかコーミングをしましょう。

ターキッシュアンゴラの動画

 以下でご紹介するのはターキッシュアンゴラの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 「とってこい」が好きなことから犬のようだと形容する人もいます。フランスのルイ16世は会議用テーブルの上にこの猫を乗せるほど愛好しており、またその妻マリーアントワネットは、フランス革命に際してターキッシュアンゴラを引き連れてアメリカに国外逃亡を図ったとか。一部には、この猫が長毛種の祖先であると考えている学者もいるようです。
元動画は→こちら

ターキッシュアンゴラの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているターキッシュアンゴラに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。ターキッシュアンゴラに多い病気

輸血における拒絶反応

 輸血における拒絶反応とは、型が異なる血液を輸血することで赤血球が凝集や溶血を起こし、正常に機能しなくなってしまうこと。ターキッシュアンゴラはB型の割合が40%を超えていると推計されるため、万が一A型の血液を間違って輸血してしまった場合、重篤な拒絶反応が起こると考えられます。血液の拒絶反応

新生子溶血

 新生子溶血とは、B型の母猫がA型の子猫に対して初乳を与えたとき、拒絶反応が起こって赤血球が破壊されてしまう現象のこと。最悪のケースでは死亡してしまいます。 新生子溶血

白猫関連の聴覚障害

 白猫関連の聴覚障害とは、被毛が白い猫で片方~両方の耳が聞こえなくなるという現象。発症メカニズムは、メラニン細胞の働きを抑制する「W」と呼ばれる遺伝子が、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官内部の血管線条に作用→音の認識に必要な繊毛が栄養不足で劣化・脱落→音を電気信号に変換できなくなる→耳が聞こえなくなるというものです。「W」遺伝子は耳のほか被毛や目(虹彩)のメラニン細胞も抑制しますので、色素が生成されず全身が真っ白になったり目がブルーになったりします。青い瞳と白い被毛を持ったターキッシュアンゴラは聴覚障害を発症しやすい ターキッシュアンゴラは優性遺伝子「W」による美しい白い被毛を特徴としていますので、白猫関連の聴覚障害を発症する確率が高いと考えられます。特にブルーの瞳と組み合わさった場合は要注意です。