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シャルトリュー

 猫の品種の1つ「シャルトリュー」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

シャルトリューの基本情報

シャルトリュー 写真:hamadryades
  • 原産
    フランス

  • 短毛
  • 体重
    2.5~6.5キロ
  • タイプ
    セミコビー
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

シャルトリューの歴史・ルーツ

 シャルトリューの起源については、様々な言い伝えがあるものの、実は明らかになっていません。代表的な説を挙げると、「シャルトリュー派の修道士が北アフリカから船で連れ帰ってきた猫の子孫である」、「シリア出身の猫の子孫である」、「十字軍の時代に欧州に持ち込まれた猫の子孫である」、「フランスのカルトゥジオ修道士が生み出したシャルトリューズという名のリキュールにある」、「18世紀前半のスペインの羊毛の名にある」などです。
 いずれにしてもフランスでは、シャルルドゴール大統領この猫の存在が古くから知られていたようで、1558年に記されたある文献の内には、すでにシャルトリュー祖先と考えられる「灰色の被毛に銅色の目を持つ猫」という描写があります。また18世紀の博物学者・ビュフォンは、シャルトリューに対して『フェリス・カートゥス・コエルレウス』(Felis catus coeruleus/ラテン語で『鋭い声をもって鳴く暗青色の猫』という意味)という名を与えました。
  第二次世界大戦の折には絶滅寸前という状況にまで陥りましたが、生き残った個体を異種交配させることによって品種の再確立が図られました。この異種交配の相手となったのが銀灰毛のペルシャとブリティッシュブルーです。こうして絶滅の危機を乗り越えたシャルトリューは、ロシアンブルーコラットと並び、「ブルー御三家」と呼ばれるようになりました。また、かつてのフランス大統領シャルル・ド・ゴールやフランスの女流作家コレットなどが好んで飼育したことでも有名です。ちなみにシャルトリューの長毛種は「ベネディクティン」(Benedictine)と呼ばれます。

シャルトリューの特徴・性格

 シャルトリューの最大の特徴は、ブルーの被毛です。短い被毛はボディに密生し、光沢のある柔らかな手触りをしています。その美しさから、かつては毛皮原料として大量に殺されていたという悲しい歴史もあるくらいです。
 四肢は短いものの、ボディはがっしりした大型のセミコビータイプで、ほっそりした四肢とがっちりした体型のコントラストから「じゃがいもに爪楊枝が刺さったよう」とも形容されます。ゴールド(金色)からカッパー(銅色)の瞳と、先細りしている鼻口部、およびしばしば微笑んでいるように見える口も特徴のひとつです。また、鳴き声はきわめて小さく、まれに「チーチー」という奇妙な音を出すこともあります。
 シャルトリューは観察力が鋭くて賢く、知的な猫です。声が小さく上品で、大人になってもじゃれるのが好きです。

シャルトリューのお手入れ・注意点

 1日1回のブラッシングで充分です。

シャルトリューの動画

 以下でご紹介するのはシャルトリューの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 筋肉質な体格でネズミ狩りが得意という一面がある一方、スイッチをつけたりラッチ(鍵の一種)をあけるくらい賢いものもいるとか。
 1747年、フランスの画家ジャン・バプティスト・ペロノー(Jean-Baptiste Perronneau)がシャルトリューと貴族をモチーフとした作品を残しています。膝蓋骨を脱臼しやすい個体もいるので要注意。
元動画は→こちら

シャルトリューの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているシャルトリューに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。シャルトリューに多い病気

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

心房中隔欠損症

 心房中隔欠損症とは、心臓の右心室と左心室の間にある壁に、生まれつき穴が空いている病気。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心臓カテーテルや心電図検査などを通じて下します。治療はうっ血性心不全を予防するための投薬、および運動制限がメインです。 心房中隔欠損症の症状・原因・治療

右房室弁の形成不全

 房室弁の形成不全(房室弁異形成)とは、心臓の心室と心房の間にある弁(房室弁)に何らかの異常がある病気。「右房室弁」といった場合は、特に右心室と右心房を指します。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心臓カテーテルや心電図検査などを通じて下します。治療はうっ血性心不全を予防するための投薬、および運動制限がメインです。

多発嚢胞腎(?)

 多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease, PKD)は腎実質の大部分が、複数の嚢胞によって置き換わり、正常な腎機能が徐々に失われていく疾患。ネコE3染色体に含まれる「PKD1」と呼ばれる遺伝子の変異で引き起こされることが判明しています。遺伝形式は常染色体優性遺伝で、両親から1本ずつ受け継いだホモ型は母体内で死亡すると考えられています(→出典)。ちなみにこの疾患は遺伝子検査が可能です(→検査機関1 | 検査機関2 | 検査機関3)。診断は超音波検査を通して下します。治療は投薬による腎不全のコントロールがメインです。 多発性嚢胞腎の症状・原因・治療

肥大型心筋症(?)

 肥大型心筋症とは、心臓の壁が厚くなりすぎて収縮に支障が生じ、血液をしっかり全身に送れなくなる病気。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心電図検査などを通じて下します。治療は心臓の収縮力を高めるための投薬、およびストレス管理がメインです。 心筋症の症状・原因・治療