作品の基本情報
作品解説
「二代目市川九蔵のあわしま庄太夫」(にだいめいちかわくぞうのあわしましょうだゆう)は、江戸時代に実在した歌舞伎役者「市川九蔵」(いちかわくぞう,1800-1871)の立ち姿を描いた大判錦絵です。九蔵が演じているのは「種花蝶蝶色成秋」(はなにちょういろのできあき)の第五幕、浄瑠璃「乱朝恋山崎」(みだれてけさこいのやまざき)であり、役名は題名にもあるように「あわしま庄太夫」です。
猫のお面の元ネタ?
さて、同じく「種花蝶蝶色成秋」を題材とした三枚続きの錦絵「十二代目市村羽左衛門の与五郎 二代目市川九蔵のあわしま庄太夫」(上図)という作品内では、右端に描かれた九蔵が猫の面を付けている姿が確認できます。このことから類推し、国芳作品の上部に並んだ7つの猫面らしきものは、九蔵が上演中に付けていたものだろうと推察されます。