モハーベスポッテド

　モハーベスポッテドは、カリフォルニア州・モハーベ砂漠に生息するスポット（斑点柄）の野生種を始祖とする品種です。1980年、エイプリル・ラングフォードという人物が、まるでオオカミのように低木地に巣穴を掘って暮らしている猫を発見したのが始まりとされます。当時発見された猫たちは、被毛色に若干の違いはあるものの、体側と脇腹には斑点が入り、首や足、しっぽには縞模様をもつという点においては共通していたといいます。
　その後1990年代に入ると、多くの人々が町に訪れるようになりましたが、その流れに逆行するかのように、野生猫の数は徐々に減っていきました。この事態を憂慮した一部の有志たちは、「モハーベ・デザート・キャット」と呼ばれていたこの猫をなんとか絶滅の危機から救おうと保存計画を立てます。「人間に飼いならされないという野生の資質を損なわないこと」に重点を置きながら飼育され、1996年からはベンガル、アビシニアン、多指猫（ポリダクティルキャット, polydactyl cat）などとの交配が実行されました。2007年からは、充分個体数が増えたこともあり、モハーベスポッテド単体での交配が可能になっています。
　希少品種の登録を専門に行う「Rare & Exotic Feline Registry」（REFR）の公認を受けていますが、現在この品種のブリーディングをしているのは米国の「Cheshire Cats Cattery」のみとされています。

　モハーベスポッテドの特徴は、野生のヤマネコを彷彿とさせるスポット柄です。模様のパターンにはスポッテドタビー、レパード、ロゼッタ、スノーレパードなどがあり、1本1本の毛にはティッキング（根元と先端で色が違う）が入っています。被毛はベンガルのように滑らかで、腹部には「腹ひだ」と呼ばれる皮膚のたるみがあります。後足は前足より若干長く、多指（ポリダクティル, polydactyl）のものも多く見受けられます。頭部は楔形で耳は丸く、眼は楕円、短くて四角形のマズルに幅広の鼻も特徴の一つです。ボディは中～大型の骨太・筋肉質、しっぽは短めでボブテイル（しっぽなし）も許容されます。
　モハーベスポッテドの性格は、活動的で好奇心旺盛、外向的で独立心あふれることで知られています

　モハーベスポッテドのお手入れは、週に1回程度のブラッシングで充分です。