猫の前庭神経炎の病態と症状
猫の前庭神経炎とは、脳神経の一種である前庭神経(ぜんていしんけい)に炎症が発生し、主に平衡バランス感覚が障害を受けた状態を言います。
猫の耳の奥には「内耳」と呼ばれる部分があり、そこにカタツムリのような形をした「蝸牛」(かぎゅう)と呼ばれる器官と、プレッツェルのような形をした、「三半規管」(さんはんきかん)と呼ばれる器官が、骨の中にすっぽりと収まっています。「蝸牛」には「蝸牛神経」がつながっており、音を脳に伝える役割を果たしています。一方、「三半規管」には「前庭神経」(ぜんていしんけい)がつながっており、体の位置情報を脳に伝える役割を果たしています。この2つを合わせたものが「内耳神経」(ないじしんけい, 第8脳神経)です。「前庭神経炎」といった場合は、内耳神経のうち、主に「前庭神経」の方に炎症が発生し、頭や体の位置を適正にコントロールできなくなった状態のことを意味します。
猫の前庭神経炎の主な症状は以下です。人間で言うと、イスに座ってぐるぐる回った直後に近い状態と言えるでしょう。頭が傾くのは障害がある方で、目が揺れるのはその逆側です。
猫の前庭神経炎の主な症状は以下です。人間で言うと、イスに座ってぐるぐる回った直後に近い状態と言えるでしょう。頭が傾くのは障害がある方で、目が揺れるのはその逆側です。
猫の前庭神経炎の主症状
- 意味もなく頭をかしげる
- ぐるぐる回る
- ふらふら歩く
- 横に倒れる
- 眼振(眼球があちこち動く)