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猫のレッグパーセス病~症状・原因から予防・治療法まで

 猫のレッグパーセス病について病態、症状、原因、治療法別に解説します。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

猫のレッグパーセス病の病態と症状

 猫のレッグパーセス病とは、太ももの骨の先端にある大腿骨頭(だったいこっとう)への血流が不足し、骨が壊死を起こしてしまった状態を言います。レッグ・ペルテス病(Legg-Calve-Perthes syndrome)とも呼ばれます。
 人間にも犬にも発症しますが、猫においてはきわめてまれな疾患とされます。
正常な大腿骨頭と壊死を起こした大腿骨頭の比較図  猫のレッグパーセス病の症状としては以下のようなものが挙げられます。
猫のレッグパーセス病の主症状
  • 足を引きずるように歩く
  • 後足の筋肉の萎縮
  • 痛み(触ると痛がる)

猫のレッグパーセス病の原因

 猫のレッグパーセス病の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
猫のレッグパーセス病の主な原因
  • 大腿骨頭への血流不足  大腿骨頭への血流不足がペルテス病の原因であることは分かっていますが、なぜ血流不足が起こるのかという大元の原因に関しては、いまだに不明です。本症は人間の幼児にも発症し、患者の役8割が男性という特徴があります。病名の元となったフランス人医師・Jacques CalveやGeorg Perthesは何らかの感染症が原因だとしましたが、今日では遺伝、外傷、内分泌、炎症、栄養、循環異常などの複合がペルテス病の原因だと考えられています。

猫のレッグパーセス病の治療

 猫のレッグパーセス病の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫のレッグパーセス病の主な治療法
  • 安静療法  大腿骨頭の変形が少なく、症状が軽い場合は猫を極力運動させないという安静療法が選択されます。大腿骨頭の強度が回復するまでケージに入れて動けないようにし、4~6ヶ月という長期にわたって様子を見ます。同時に鎮痛薬が投与されることもあります。
  • 外科療法  大腿骨頭の壊死が広範囲で自然治癒の可能性が薄い場合は、手術によって大腿骨頭を切除します。切除後はそこに人工関節を取り付け、リハビリによって運動機能の回復を図るのが理想ですが、猫の場合は体が小さいためなかなか難しいというのが現状です。