猫の免疫介在性関節炎の病態と症状
猫の免疫介在性関節炎とは、本来、生体を守るべきはずの免疫系が、なぜか自分自身の関節を異物とみなして攻撃してしまう現象のことです。自然に治ることがないため「進行性多発性関節炎」とも呼ばれます。
炎症性細胞、滑膜細胞、軟骨細胞から組織を破壊する酵素が放出され、結果として関節の破壊が起こります。破壊の結果、関節にびらんが生じたものが「びらん性関節炎」、生じていないものが「非びらん性関節炎」です。「びらん」とは、組織の上層部が破壊された状態のことで、関節の場合は関節軟骨や軟骨周辺の骨が虫食い状に破壊された状態を指します。 免疫介在性関節炎の主な症状は以下です。こうした症状のうち7つを満たし、なおかつ(※)が付いた項目を2つ以上含んでいる場合は、「びらん性関節炎」と呼ばれます。人間でいうところの「慢性関節リウマチ」(RA)です。
炎症性細胞、滑膜細胞、軟骨細胞から組織を破壊する酵素が放出され、結果として関節の破壊が起こります。破壊の結果、関節にびらんが生じたものが「びらん性関節炎」、生じていないものが「非びらん性関節炎」です。「びらん」とは、組織の上層部が破壊された状態のことで、関節の場合は関節軟骨や軟骨周辺の骨が虫食い状に破壊された状態を指します。 免疫介在性関節炎の主な症状は以下です。こうした症状のうち7つを満たし、なおかつ(※)が付いた項目を2つ以上含んでいる場合は、「びらん性関節炎」と呼ばれます。人間でいうところの「慢性関節リウマチ」(RA)です。
免疫介在性関節炎の主症状
- 6週間持続して安静時の関節のこわばりがある
- 6週間持続して1つ以上の関節を動かすときに痛みや不快感がある
- 6週間持続して1つ以上の関節に腫れがある
- 3ヶ月以内に別の関節に1つ腫れを生じる
- 6週間持続して左右対象に関節の腫れがある
- 皮膚の下に結節がある
- 関節リウマチに典型的な皮下結節の病理組織学的所見がある
- 関節リウマチに典型的な滑膜の病理組織学的所見が見られる(※)
- リウマチ因子に血清学的な陽性反応がある(※)
- X線検査で関節のびらん性変化を確認できる(※)
猫の免疫介在性関節炎の原因
猫の免疫介在性関節炎の治療
猫の免疫介在性関節炎の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫の免疫介在性関節炎の主な治療法
- 投薬治療 非びらん性にしてもびらん性にしても、炎症や過剰な免疫応答を抑えるためにグルココルチコイドの投与が行われます。しかし投薬治療にできるのは、せいぜい病気の進行を遅らせることくらいで、症状を完全になくすことは難しいとされます。またどちらのタイプにしても、薬物の副作用として発生する医原性のクッシング症候群には要注意です。
- 生活の質を維持する 猫のQOL(生活の質)を維持するために飼い主の側でできることがあります。例えば、 激しい運動を避ける、筋肉の萎縮を防ぐためある程度の運動はさせる、体重管理を行う、床ずれを予防するなどです。投薬治療は時として生涯にわたって継続する必要があるため、根気と愛情が重要となるでしょう。