猫の脈絡網膜炎の病態と症状
猫の脈絡網膜炎の原因
猫の脈絡網膜炎の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
脈絡網膜炎の主な原因
- 感染症 ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫への感染が脈絡網膜炎を引き起こすことがあります。ウイルスでは猫伝染性腹膜炎(乾性型)、真菌ではクリプトコッカス症、ヒストプラズマ、ブラストミセス、原虫ではトキソプラズマ、寄生虫ではハエウジ症の幼虫移行症(サシチョウバエ)などです。
- 外傷 眼球に何かが刺さったり、眼球の手術で誤って脈絡膜に傷をつけてしまったときなどに発症することがあります。
- 基礎疾患 腫瘍、脊椎炎、心内膜炎、子宮蓄膿症といった基礎疾患が、遠く離れた場所にある網膜や脈絡膜の炎症を引き起こすことがあります。また猫エイズウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症は、猫の免疫力を低下させて炎症を起こしやすくします。
- 毒物 毒物が脈絡網膜炎を引き起こすことがあります。具体的には自動車の不凍液として広く用いられているエチレングリコールなどです。
猫の脈絡網膜炎の治療
猫の脈絡網膜炎の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
脈絡網膜炎の主な治療法
- 基礎疾患の治療 脈絡網膜炎は多くの場合、別の疾病によってが引き起こされるため、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。具体的にはウイルスに対する抗生物質、真菌に対する抗真菌薬の投与などです。また腫瘍、脊椎炎、心内膜炎、子宮蓄膿症といった病気を抱えている場合は、まずそうした疾患の管理が優先されます。