クリプトコッカス症の病態と症状
クリプトコッカス症とは、酵母の一種であるクリプトコックスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)が感染することで発症する病気のことです。
クリプトコッカスは、主に鳥の糞や腐敗した植物の中で発育する酵母で、環境中に広く存在しています。空気中に飛び散ったものを鼻から吸い込んで感染するというパターンがほとんどですが、仮に感染しても全く症状を示さないことがあります。しかし、感染動物の免疫力が低下した時を見計らって暴れ出す「日和見感染」(ひよりみかんせん)を起こしますので、油断はなりません。
免疫力が低下して発症した場合、鼻から血液に乗って脳、目、肺、その他の臓器へと広がり、以下のような症状を示します。
クリプトコッカスは、主に鳥の糞や腐敗した植物の中で発育する酵母で、環境中に広く存在しています。空気中に飛び散ったものを鼻から吸い込んで感染するというパターンがほとんどですが、仮に感染しても全く症状を示さないことがあります。しかし、感染動物の免疫力が低下した時を見計らって暴れ出す「日和見感染」(ひよりみかんせん)を起こしますので、油断はなりません。
免疫力が低下して発症した場合、鼻から血液に乗って脳、目、肺、その他の臓器へと広がり、以下のような症状を示します。
クリプトコッカス症の主症状
クリプトコッカス症の原因
クリプトコッカス症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
クリプトコッカス症の主な原因
- 空気感染 クリプトコッカス症は、鳥の糞便に汚染された土壌や空気の近くで過ごすことで、呼吸器からクリプトコッカスを吸い込んで感染します。感染する動物は、ヒト、イヌ、ネコなどです。鳥類は症状を示さないものの保菌状態にあります。
- 遺伝(?) 犬ではアメリカンコッカースパニエル、グレートデン、ドーベルマン、ラブラドールレトリバーにおいてやや発症率が高いとされます。また猫ではシャムにやや多いようです。好発年齢は2~7歳ですが、遺伝がどのようなかかわりを持っているのかに関してはよくわかっていません。
- 免疫力の低下 特に猫においては、免疫力を低下させる猫白血病ウイルス感染症や猫エイズウイルス感染症に感染している場合に重症化する傾向があります。
クリプトコッカス症の治療
クリプトコッカス症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
クリプトコッカス症の主な治療法
- 投薬 クリプトコッカス症の治療には、人間の場合はアムホテリシンB、フルコナゾールなどの抗真菌剤が用いられます。一方、犬や猫の場合はトリアゾール、フルコナゾール、イトラコナゾールなどが用いられます。しかし動物が完治するまでには3ヶ月~1年という長い期間を要することも少なくありません。また、ひとたび中枢神経が侵されると、一生涯治療が必要となります。
- クリプトコッカス症の予防策 クリプトコッカスは、鳥の糞や腐った植物の中で増殖します。ですから、ベランダにハトの糞を放置しない、ハトがたくさんいる場所に犬や猫を連れて行かない、といった配慮が必要となってきます。また免疫力が低下しないよう充分な栄養とストレスをためない生活環境を整備することも重要です。