スパラック

　スパラックの起源は定かではありません。19世紀の折本「samut khoi」のうち猫について記載された「Tamra Meow」の中で銅（tong daeng）のきらめきを持った猫に関する記述があることから、少なくとも1800年代にはタイ国内に存在していたものと考えられています。
　1889年と1903年の書物にある「黄色い目をしたチョコレート色の猫」や、ブリタニカ百科事典第11版（1910年）にある「全身チョコレート色のシャム系統の猫」は、おそらくスパランクを指しているのではないかと推測されています。
　タイ国内の品評会に登場するようになったのは2010年代になってからで、当初はバーミーズの亜種という誤解があったようです。2014年、タイ原産猫の保存を目的としてTIMBAが設立されてからは遺伝的なアプローチを通じて始祖となる猫が集められ、本格的な繁殖計画がスタートしました。
　2024年、タイの登録猫事業者団体（ARC）がドイツで開催されたWCF（World Cat Federation）総会において品種登録の提案を行い、歴史的データ、遺伝情報、特徴の定義付けなどの必要事項を提出した上で、タイ原産の猫種として国際的に認定されました。 National News Bureau of Thailand World Cat Federation Permes Cattery - Suphalak

　スパラックの特徴は全身均一なレディッシュブラウン（赤みがかった茶色）の被毛です。銅色（tong daeng）と形容されるこの色はときにタイでおなじみの食材「タマリンド」の種子と比較されます。タビーマークはゴーストマーキングを含めてスタンダード（品種標準）的に不可です。目の色は明るいイエロー～ゴールド、ヒゲはブラウン、肉球はピンクがかったオレンジ～カフェラテが理想とされます。体格はミディアムサイズで筋肉質のセミフォーリン。見た目はハバナブラウンに似ていますが、肉球の色が黒に近いことで見分けることが可能です。
　スパラックの性格は賢くて人に物怖じしせず、愛情深く遊び好きとされます。

　スパラックのお手入れは、短毛種ですので1日1回程度のブラッシングで大丈夫です。遺伝的に発症しやすい疾患は確認されていません。