猫に多い反応性発作の原因
調査を行ったのはドイツのハノーヴァー獣医大学。1998年から2017年の期間、大学の診療施設を受診した猫の中から「てんかん」と診断されたケースだけを抽出し、反応性発作の原因として一体何が多いのかを検証しました。
M.Kwiatkowska, S.Hoppe, A.Pomianowski, A.Tipold, The Veterinary Journal Volume244, doi.org/10.1016/j.tvjl.2018.11.009
- てんかんのタイプ
- ✅構造性てんかんはMRI検査などで脳の器質的な変化(腫瘍 | 自己免疫疾患 | 感染症に伴う脳炎 | 血管疾患 | 外傷 | 解剖学的な異常)が明確で確認できるタイプ。
✅反応性発作は体内における一時的な乱れ(腎臓 | 肝臓 | 肝リピドーシス | 甲状腺機能亢進症 | 多血症 | 浸透圧亢進 | 中毒)が原因で引き起こされるタイプ。
✅特発性てんかんは構造性てんかんでも反応性発作でもない原因不明のタイプ。
反応性発作の原因・猫編
Reactive seizures in cats: A retrospective study of 64 casesM.Kwiatkowska, S.Hoppe, A.Pomianowski, A.Tipold, The Veterinary Journal Volume244, doi.org/10.1016/j.tvjl.2018.11.009
猫では中毒による発作・ひきつけが多い
62頭のうち過半数の54.8%(34頭)までもが中毒を原因とする反応性発作でした。そのうち原因が判明したものはわずか7頭で残りの27頭(79%)は中毒が原因と疑われるものの、具体的に何を摂取したのかまでは突き止められませんでした。
猫が屋外において発作を起こしたのか室内において発作を起こしたのかまではわかりませんが、猫の生活空間から中毒性の物質を徹底的に排除して予防に努めることが重要と言えるでしょう。
猫が屋外において発作を起こしたのか室内において発作を起こしたのかまではわかりませんが、猫の生活空間から中毒性の物質を徹底的に排除して予防に努めることが重要と言えるでしょう。
TwitterやFacebookを始めとするSNSでは、猫好きを自称する飼い主がたくさんの写真を投稿しています。しかし部屋の中を見回すと、有毒な観葉植物が平気で飾ってあって驚かされることもしばしばです。猫が好きであるということ知識が豊富であるということは必ずしも同義ではありませんので、今一度猫にとっての毒物を復習しておきましょう【イギリス】
— 子猫のへや (@konekono_heya) 2018年4月2日
チューリップがユリ科に属する有毒観葉植物だと知らなかった飼い主~SNS映えを狙って写真を撮った後、出しっぱなしにしたため猫の「キウィ」が誤食して中毒死。急性腎不全。#猫 #猫健康
【DailyMail】→https://t.co/yb02ECQm6j
猫のペルメトリン中毒は危険
猫の摂取した毒物が判明した7ケースの内訳は「ペルメトリン=8.1%(5頭)」、「フィプロニール=1.6%(1頭)」、「有機リン系殺虫剤=1.6%(1頭)」というものでした。
大部分を占めるペルメトリン(permethrin, ペルメスリンとも)とはピレスロイド系の殺虫成分で、ペット向け製品ではノミ取りカラー(首輪)の中に練りこまれています。また犬向けの商品として、ノミダニ防除用のスポット薬やスプレーなどが市販されています。
ところがこのペルメトリンという成分は猫に対して有害であることが知られており、猫の福祉向上に努める国際チャリティー団体「ICC」では、「Protect against permethrin poisoning campaign」というキャンペーンを展開しているほどです。このキャンペーンでは、薬を販売する際は購入者に対して猫に対する有害性を口頭で説明すること、および商品に大きく「猫に危険!」とラベリングすることを訴えています。 副作用データベースでは日本国内におけるペルメトリンを原因とする猫の中毒症例が報告されています。
2011(平成23)年に大阪で発生した症例では、犬向けのペルメトリンスポット薬(0.8mLピペット)を猫に投与したところ、48時間未満に喀血(血を吐く)、流涎(よだれ)、出血性の下痢、発熱、けいれんを発症し、最終的には死亡しています。いわゆるオフラベル使用(=禁止されている使い方)でした。
2006(平成18)年に東京で発生した症例では、飼い主がフォートレオン(1.6mLピペット)を猫に投与したところ、12時間未満で発熱とけいれんを発症しています。この症例は「オフラベル使用」「過剰投与」「投与部位から薬剤を舐め取った」という最悪のコンビネーションで、最終的に猫は死亡してしまいました。ペルメトリンが猫にとっていかに危険であるかがおわかり頂けるでしょう。
大部分を占めるペルメトリン(permethrin, ペルメスリンとも)とはピレスロイド系の殺虫成分で、ペット向け製品ではノミ取りカラー(首輪)の中に練りこまれています。また犬向けの商品として、ノミダニ防除用のスポット薬やスプレーなどが市販されています。
ところがこのペルメトリンという成分は猫に対して有害であることが知られており、猫の福祉向上に努める国際チャリティー団体「ICC」では、「Protect against permethrin poisoning campaign」というキャンペーンを展開しているほどです。このキャンペーンでは、薬を販売する際は購入者に対して猫に対する有害性を口頭で説明すること、および商品に大きく「猫に危険!」とラベリングすることを訴えています。 副作用データベースでは日本国内におけるペルメトリンを原因とする猫の中毒症例が報告されています。
2011(平成23)年に大阪で発生した症例では、犬向けのペルメトリンスポット薬(0.8mLピペット)を猫に投与したところ、48時間未満に喀血(血を吐く)、流涎(よだれ)、出血性の下痢、発熱、けいれんを発症し、最終的には死亡しています。いわゆるオフラベル使用(=禁止されている使い方)でした。
2006(平成18)年に東京で発生した症例では、飼い主がフォートレオン(1.6mLピペット)を猫に投与したところ、12時間未満で発熱とけいれんを発症しています。この症例は「オフラベル使用」「過剰投与」「投与部位から薬剤を舐め取った」という最悪のコンビネーションで、最終的に猫は死亡してしまいました。ペルメトリンが猫にとっていかに危険であるかがおわかり頂けるでしょう。
猫のペルメトリン中毒予防法
猫のペルメトリン中毒を予防する方法は、ペルメトリンを含んだノミダニ予防薬を使用しないことです。動物病院で間違って処方されることはまず無いでしょうが、市販されている犬向け製品やネットで違法販売されているペルメトリン商品を使わないようにしましょう。
猫が犬の被毛舐めとって中毒を発症する危険性がありますので、犬と猫が同居している家庭においては犬向け製品にペルメトリンが含まれていないことを念入りに確認してください。
日本国内で犬向け製品として流通しているのは「ディフェンドック」(エアゾールスプレー)、「デュオライン 」(スポット)、「フォートレオン」(スポット)、「ユーコーダニ・ノミ取り薬用スプレー犬用」(エアゾールスプレー)などです。十分にご注意ください。
日本国内で犬向け製品として流通しているのは「ディフェンドック」(エアゾールスプレー)、「デュオライン 」(スポット)、「フォートレオン」(スポット)、「ユーコーダニ・ノミ取り薬用スプレー犬用」(エアゾールスプレー)などです。十分にご注意ください。