詳細
調査を行ったのは、アメリカ・ペンシルベニア大学の獣医学チーム。猫の外見と性格との関連性については、これまで「シャム猫はわがままで注目を集めたがり、見知らぬ人にも物怖じしない」、「ロシアンブルーはシャイで人見知りする」、「ペルシアはあまり活動的でなく破壊的」といったものがありましたが、これらはすべて都市伝説の域を出ないものでした。そこで調査チームは、100項目からなる飼い主へのアンケート調査から猫の行動特性を浮き彫りにする「Fe-BARQ」(フィーバーク)と呼ばれる特殊な調査票を用い、毛の色や被毛パターンと猫の行動にどのような関連性があるのかを検証しました。最終的に調査対象となったのは、15品種に属する394頭です。主な結果は以下(↑=増加・↓=減少)。
品種と行動特性(抜粋)
- アビシニアン↑人との社交性・猫への攻撃性
↓拘束への抵抗・騒音への恐怖 - ベンガル↑狩猟行動・不適切な排泄
↓なし - N.フォレストキャット↑なし
↓なし - ペルシャ↑なし
↓遊び好き・狩猟行動・獲物への興味・恐怖に関連した猫への攻撃性 - ラグドール↑なし
↓注目を求める・訓練性・高い場所や隠れ場所への好み - シャム↑見知らぬ人への攻撃性
↓人との社交性・恐怖に関連した人への攻撃性
外見と行動特性(抜粋)
- アグーティ↑猫への攻撃性
- ライラック↑分離に関連した行動
- レッド↑獲物への興味・恐怖に関連した見知らぬ人への攻撃性
- パイボールド↓見知らぬ人への攻撃性
- ホワイト+目がゴールド↑騒音への恐怖
解説
「Fe-BARQ」は、犬の行動特性を調べる時の「C-BARQ」を猫用にアレンジしたものです。作成されてから日が浅いため、信頼性に関する検証はまだ行われていません。ですから、今回の調査結果も「仮」と考えた方が良いと思われます。
品種と行動特性の関連性に関しては、因果関係を突き止めるのがかなり困難です。品種特有の外見を作り出している遺伝子と行動特性に関与している遺伝子が同じなのか、それとも両者は全く別々なのかを判断するには、さらなる調査が必要となるでしょう。
外見と行動特性の関連性に関しては、いくつかの面白い仮説が提唱されています。例えば、以下のようなものです。
品種と行動特性の関連性に関しては、因果関係を突き止めるのがかなり困難です。品種特有の外見を作り出している遺伝子と行動特性に関与している遺伝子が同じなのか、それとも両者は全く別々なのかを判断するには、さらなる調査が必要となるでしょう。
外見と行動特性の関連性に関しては、いくつかの面白い仮説が提唱されています。例えば、以下のようなものです。
猫の毛と行動特性
- レッド(茶トラ) ブリティッシュショートヘアの子猫を対象とした調査で、レッドの個体は拘束に対して強く低抗し、落ち着きを取り戻すまでに時間がかかった。ストレス耐性が弱いのかもしれない(出典)→見知らぬ人への攻撃性?
- アグーティ アグーティ(1本の毛の中に複数色)遺伝子がネズミの中枢神経系で強く発現すると、ストレス反応を増強してコルチコステロイドの産生が増加する(出典)→攻撃性の増加?
- パイボールド 人慣れの良さを選択基準に繁殖したギンギツネでは白斑が大きくなっていく。毛色の発現に関与する遺伝子が胚の発生段階で多面作用を示し、行動特性を決定づけているのかもしれない(出典)→見知らぬ人への攻撃性減弱?