地震が来る前の準備
地震が起こってから必要なものをそろえようとしても、多くの場合手遅れです。普段から災害時に必要なものをリストアップし、「非常持ち出し袋」という形で一ヶ所にまとめておくことが防災のポイントとなります。
非常持ち出し袋の準備
「非常持ち出し袋」とは、万が一の地震災害に備え、あらかじめ必需品をまとめておく袋のことです。犬や猫を飼っている場合、「ペット同行避難」が原則となりますので、両手が使えるようリュックサック型のものを選ぶようにします。具体的なアイテムは以下です。なお、これらは全て人間にとっての必需品であり、ペットの必需品とは別物です。
人間用の必需品
- 携帯ラジオ
- スマホと予備バッテリ
- 飲み水3日分(約9リットル)
- 非常食3日分(缶詰・乾パン・レトルト食品etc)
- 懐中電灯
- ローソクとマッチやライター
- 衣類、毛布などの防寒具
- 貴重品(現金・身分証明書・預貯金通帳・印鑑・権利書・各種カード・保険証etc)
- 医療セット(常備薬・三角巾・包帯・ガーゼ・脱脂綿・ばんそうこう・はさみ・ピンセット・消毒薬・整腸剤・持病のある方はその病気のための薬etc)
- 10円玉(公衆電話用)
- ビニールシート
- ヘルメットと防災ずきん
- ロープ
- 筆記具
- タオル
- ビニール袋や容器
- ペット用の必需品(以下参照)
ペット用の必需品
- 首輪と鑑札・迷子札
- 水とペットフード3日分
- 食器
- ハーネス(胴輪)
- キャリーやクレート
- タオル・バスタオル
- ペットの写真=行方不明時の手がかりになる
- 救急用品=包帯・滅菌ガーゼ・吸水性パッド・動物用抗生物質軟膏
- 排泄用品=ペットシーツ・猫砂・新聞紙・消臭スプレー・密閉性ゴミ箱や袋
ペット同行避難のための準備
犬や猫を飼ってる人は、避難するときにペットを同行することが基本となります。これを「ペット同行避難」と言います。目的は、ペットの命を守ると同時に、取り残されたペットを連れ戻そうと危険な被災地に戻ろうとする飼い主の命を守ることです。「ペット同行避難」に先立って、以下に述べるような事前準備が必要となります。
↓NEXT:地震が来た後の流れ
ペット同行避難の準備
- 猫がキャリーやクレートに慣れていること→猫をキャリーバッグに慣らす
- 感染性の病気やノミ・ダニを日ごろから駆除しておく→ノミ・ダニ対策用品
- 迷子札やマイクロチップの装着→迷子猫の探し方
- 不妊手術により、被災後に子猫を増やさない→猫の去勢と避妊手術
普段から犬や猫をすばやくキャリーやクレートに入れる練習をしておくことも重要です!具体的には室内で猫を捕まえる方法を参考にしてください。
地震が来た後の流れ
以下では、屋外ではなく住居内で地震に遭遇したときの対処法と、その後における一般的な流れについて解説します。
地震が来た直後
地震が来た直後は、まず身の安全を確保することを優先します。猫を抱きかかえるのが理想ですが、よほどおとなしい性格でない限り身柄を確保することは困難です。ですからあらかじめ、猫が素早くもぐりこみるような頑丈な避難所(テーブル・ベットetc)を用意しておき、緊急時には自発的に身を隠せるように準備しておいた方がよいでしょう。
地震の揺れは通常1分程度で沈静化しますので、揺れが収まったタイミングでガスの元栓を締め、電気器具のプラグを抜き、ガス器具やストーブなどを素早く消します。このとき、揺れが大きいのに火を消しに行こうとすると、コンロの上のやかん等が滑り出して大変危険ですので、揺れが収まるまで我慢するようにします。
地震の揺れは通常1分程度で沈静化しますので、揺れが収まったタイミングでガスの元栓を締め、電気器具のプラグを抜き、ガス器具やストーブなどを素早く消します。このとき、揺れが大きいのに火を消しに行こうとすると、コンロの上のやかん等が滑り出して大変危険ですので、揺れが収まるまで我慢するようにします。
非常持ち出し袋とペットを手元へ
出入り口を確保したら、あらかじめ用意しておいた非常持ち出し袋を取り出し、猫をキャリーなどに入れます。建物が倒壊する危険性がある場合や、地方自治体からの避難放送やエリアメール(携帯電話に送られてくる避難指示のメール)があった場合などは、速やかに猫を連れて屋外に避難します。
避難生活
市区町村は、自宅から避難する住民のために、その地域にある学校や公民館などを一時避難場所に、そして広い公園を広域避難場所として指定しています。役場から避難の指示・勧告等が出たら、速やかにそれに従うようにします。
避難所においては、動物が嫌いな人、動物アレルギーを持っている人などが一堂に会しており、臭いや糞尿、鳴き声などがきっかけとなって思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくありません。こうしたトラブルを避けるため、ペット専用の区画が設けられることがあります。しかしその一方、避難生活が長期化するに従い、避難所における生活環境を嫌って公園にテントを張ったり、自家用車の中に寝泊りしたり、半壊した家の中でペットと暮らすといった人も出てきます。
避難所においては、動物が嫌いな人、動物アレルギーを持っている人などが一堂に会しており、臭いや糞尿、鳴き声などがきっかけとなって思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくありません。こうしたトラブルを避けるため、ペット専用の区画が設けられることがあります。しかしその一方、避難生活が長期化するに従い、避難所における生活環境を嫌って公園にテントを張ったり、自家用車の中に寝泊りしたり、半壊した家の中でペットと暮らすといった人も出てきます。
動物救援センター
災害発生から3日ほどすると、行政の指示を受けた自治体・獣医師会・動物愛護団体・ボランティアなどが協同して「動物救援本部」が設置され、「動物救護センター」が開設されるという流れが一般的になっています。救護センターは、動物たちの病気や怪我の治療のほか、ペットの一時引取りや里親募集、迷子になった犬猫の掲示板を仲介するという役割を担っています。
↓NEXT:防災グッズ
避難所におけるペットとの共同生活が困難と思われるようなときは、「遺棄」や「安楽死」ではなく、「動物救護センター」という選択肢があることを念頭においておきましょう!