月見草オイルの成分
月見草(Oenothera tetraptera)はアカバナ科マツヨイグサ属に属する二年草または多年草。同じマツヨイグサ属の「マツヨイグサ」(O. stricta)と「メマツヨイグサ」(O. biennis)を合わせて「ツキミソウ」と呼ぶこともあります。
月見草オイルといった場合はメマツヨイグサの種子から抽出した油のことを指します。厳密な意味では「メマツヨイグサオイル」のはずですが、先述したとおりアカバナ科マツヨイグサ属の植物が総称的に「月見草」と呼ばれているため、便宜上「メマツヨイグサオイル→月見草オイル」と置き換えられています。恐らくそちらの方が耳に馴染みやすいからでしょう。
月見草オイルは安全?危険?
月見草オイルを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?
γ(ガンマ)-リノレン酸を多く含む月見草オイルは古くから民間療法に用いられてきました。しかし人間を対象とした調査で有効性が確認されたものはありません。具体的には湿疹、関節リウマチ、月経前症候群、更年期症状、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アトピー性皮膚炎などです。
一方、てんかん患者にメマツヨイグサのオイルを用いると発作を引き起こす危険性が指摘されていますが、どのようなメカニズムで発症するのかに関してはよくわかっていません。あまりにも大量に摂取すると腹痛、吐き気、軟便などを引き起こす危険性があります。
γ(ガンマ)-リノレン酸を多く含む月見草オイルは古くから民間療法に用いられてきました。しかし人間を対象とした調査で有効性が確認されたものはありません。具体的には湿疹、関節リウマチ、月経前症候群、更年期症状、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アトピー性皮膚炎などです。
一方、てんかん患者にメマツヨイグサのオイルを用いると発作を引き起こす危険性が指摘されていますが、どのようなメカニズムで発症するのかに関してはよくわかっていません。あまりにも大量に摂取すると腹痛、吐き気、軟便などを引き起こす危険性があります。
皮膚炎に効く?
月見草オイルに関しては皮膚炎を抱えた猫を対象とした給餌試験がいくつか行われています。改善が見られたという報告はあるものの、悪化したという報告はないようです。以下で一例をご紹介します。
Dawn, 1993
アトピー性皮膚炎もしくはノミ皮膚炎を抱えた猫をランダムで2つのグループに分け、月見草オイルとオリーブオイルが皮膚の状態に及ぼす影響を検証しました(:Dawn, 1993)。
それぞれのオイルを8週間に渡って給餌したところ、試験終了後のかゆみ、紅斑、自傷、脱毛、全体的な皮膚の状態に両グループ間で違いは見られなかったと言います。
それぞれのオイルを8週間に渡って給餌したところ、試験終了後のかゆみ、紅斑、自傷、脱毛、全体的な皮膚の状態に両グループ間で違いは見られなかったと言います。
Harvey, 1993
粟粒性皮膚炎を抱えた14頭の猫を対象とし、月見草オイルが症状に及ぼす影響が検証されました (:Harvey, 1993)。
その結果、「月見草オイルのみ」「月見草オイル+魚油」を摂取していた猫においては皮膚症状の改善が見られたと言います。一方「魚油のみ」を摂取していた猫においては逆に症状の悪化が観察されました。これらの猫に再び月見草オイルを摂取させたところ症状が好転したとも。
その結果、「月見草オイルのみ」「月見草オイル+魚油」を摂取していた猫においては皮膚症状の改善が見られたと言います。一方「魚油のみ」を摂取していた猫においては逆に症状の悪化が観察されました。これらの猫に再び月見草オイルを摂取させたところ症状が好転したとも。
キャットフードに月見草オイルが含まれている場合、上記したアトピー性皮膚炎やそう痒症(かいかい)に対する効果を狙っているのかもしれません。しかし皮膚疾患を抱えていない健全な猫における安全性、危険性、および適正量に関してはよくわかっていません。