ミスカンサスの成分
ミスカンサス(Miscanthus)とはイネ科ススキ属のこと。ペットフードに用いられているのはジャイアントミスカンサス(M. giganteus)と呼ばれるススキとオギの自然雑種です。
ジャイアントミスカンサスは発酵してエタノールを作るバイオマス原料として期待されていましたが、現在の技術ではまだコスパが合わず実用化には至っていません。しかし温室効果ガスを削減できる可能性が示されていることや、無駄にしてはもったいないという意識から、まったく別の利用法はないものかと模索されています。例えば燃料原料(ペレット状にして)、家畜の敷料、建築資材、吸収剤、紙の原料(パルプ)などです。また一部のペットフードメーカーにより、食物繊維に加工してフードに入れるという試みがすでになされています。
ミスカンサスは安全?危険?
ミスカンサスを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはミスカンサスに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
12頭の猫を対象とし、さまざまな食物繊維を給餌したときの栄養の消化性を検証しました。比較検討に用いられた繊維はビートパルプ、セルロース、そしてミスカンサス。1つの繊維に付き14日間の給餌期間を設け、それぞれの最後の5日間で便を採取し、栄養の消化性を比較しました。
その結果、乾燥重量、有機物、総エネルギー、総食物繊維消化性に関してはビートパルプが最も高い値を示したといいます。また粗たんぱく質の消化性に関してはセルロース(85.1%)やミスカンサス(84.7%)と比較し、ビートパルプ(82.1%)で低かったとも。便のクオリティに関してはセルロース(3.21)やミスカンサス(3.32)よりもビートパルプ(2.84)が低く、統計的に緩くなることも併せて確認されました。
別の調査では12頭の猫を対象とし、ミスカンサス10%を含むドライフードと繊維を含まないフードを21日間ずつ交互に給餌し、両給餌期間でヘアボールの形成にどのような違いが生まれるかを観察しました。その結果、ミスカンサス含有フードでは便の乾燥重量1g中に含まれる被毛の重さと体積が少なくなったといいます。
こうした結果から、ミスカンサスはバイオマス原料としてはセルロースの代わりにならないものの、ペットフードの食物繊維源としては代替原料になりうるのではないかと考えられています(:Donadelli, 2019)。
12頭の猫を対象とし、さまざまな食物繊維を給餌したときの栄養の消化性を検証しました。比較検討に用いられた繊維はビートパルプ、セルロース、そしてミスカンサス。1つの繊維に付き14日間の給餌期間を設け、それぞれの最後の5日間で便を採取し、栄養の消化性を比較しました。
その結果、乾燥重量、有機物、総エネルギー、総食物繊維消化性に関してはビートパルプが最も高い値を示したといいます。また粗たんぱく質の消化性に関してはセルロース(85.1%)やミスカンサス(84.7%)と比較し、ビートパルプ(82.1%)で低かったとも。便のクオリティに関してはセルロース(3.21)やミスカンサス(3.32)よりもビートパルプ(2.84)が低く、統計的に緩くなることも併せて確認されました。
別の調査では12頭の猫を対象とし、ミスカンサス10%を含むドライフードと繊維を含まないフードを21日間ずつ交互に給餌し、両給餌期間でヘアボールの形成にどのような違いが生まれるかを観察しました。その結果、ミスカンサス含有フードでは便の乾燥重量1g中に含まれる被毛の重さと体積が少なくなったといいます。
こうした結果から、ミスカンサスはバイオマス原料としてはセルロースの代わりにならないものの、ペットフードの食物繊維源としては代替原料になりうるのではないかと考えられています(:Donadelli, 2019)。
エンドウ豆繊維を「ピーファイバー」と呼ぶのに対し、ミスカンサス繊維を「エムファイバー」と呼ぶこともあります。