詳細
調査を行ったのは、トルコ・イスタンブール大学獣医学部のチーム。2011年10月~2014年9月の期間、大学付属の動物病院を訪れた猫のうち、口の中に何らかの病変を抱えている猫合計220頭を対象とした統計調査を行いました。口内病変の具体的な内容は、食欲不振、流涎(よだれ)、嚥下障害(うまく飲み込めない)、口臭、口内潰瘍、開口障害です。
血液検査などを通して猫の健康状態を詳細に検査したところ、すべてのケースにおいて何らかの全身性疾患を併発していたといいます。以下は、具体的な内訳を多い順に並べたグラフです。
血液検査などを通して猫の健康状態を詳細に検査したところ、すべてのケースにおいて何らかの全身性疾患を併発していたといいます。以下は、具体的な内訳を多い順に並べたグラフです。
併発全身性疾患
- コロナウイルス(FCoV)=36頭(16%)
- FIV + FeLV=21(10%)
- FIV + FCoV=19(9%)
- 免疫不全ウイルス(FIV)=18(8%)
- 慢性腎臓病=18(8%)
- カリシウイルス=17(8%)
- 白血病ウイルス(FeLV)=16(7%)
- FIV + FeLV + FCoV=16(7%)
- 肝機能障害=12(5%)
- 免疫介在性疾患=11(5%)
- ヘルペスウイルス=11(5%)
- 消化管障害=10(5%)
- 糖尿病=6(3%)
- 好酸球性肉芽腫=5(2%)
- 栄養失調=4(2%)
解説
猫の口内病変は、口そのものに異常があって現れるというより、何らかの全身性疾患に付随して現れることが多いようです。上記調査内では、よくある症状として以下のようなものが挙げられました。
よくある口内病変
- 流涎=100%
- 口臭 =90%
- 口内潰瘍=80%
- 歯肉炎=70%
- 歯周炎=60%
- リンパ節腫脹=60%