猫のバベシア症の病態と症状
バベシア症は、バベシア属(Babesia)の原虫が感染することで発症する寄生虫症です。原虫(げんちゅう)とは、他の動物に寄生する性質を持ち、さらに病原性を有している単細胞生物のことを指します。マダニが動物の体にかみついて血を吸う際、唾液と共に侵入します。猫に寄生するのは主として「Babesia felis」という亜種で、世界的にみるとアフリカやアメリカ南部における発症例が多いようです。また日本においては、犬の症例(Babesia gibsoni)が西日本で散見されているものの、猫の症例に関してはあまり情報がありません。
潜伏期間は約2週間で、赤血球で分裂・増殖し、溶血を引き起こします。軽症の場合は数か月~数年にわたって診断名がつかないこともありますが、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)や猫エイズウイルス感染症(FIV)を併発している場合は重症化する傾向にあります。
潜伏期間は約2週間で、赤血球で分裂・増殖し、溶血を引き起こします。軽症の場合は数か月~数年にわたって診断名がつかないこともありますが、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)や猫エイズウイルス感染症(FIV)を併発している場合は重症化する傾向にあります。
バベシア症の症状
- 貧血
- 毛づやの悪化
- 黄疸
- 倦怠
- 食欲不振
- 発熱
猫のバベシア症の原因
猫のバベシア症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。アフリカやアメリカ南部など感染例が報告されている地域において、外を自由に出歩いている猫で危険性が高まります。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
バベシア症の原因
- 刺咬症 マダニが動物の体にかみついて血を吸う際、唾液と共に侵入します。
- 経胎盤感染 母猫の体内において、胎盤を経由して子猫に感染することがあります。
- 咬傷 噛み傷から体内に侵入することで感染します。
- 輸血 原虫に汚染された血液を誤って輸血してしまうことで感染します。
猫のバベシア症の治療
猫のバベシア症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
バベシア症の治療と予防
- 投薬治療 ジミナゼン、クリンダマイシン、プリマキン、アトバコンなどが用いられます。
- 輸血 貧血症状がひどく、生命に危険が及んでいるような状況においては輸血が行われることがあります。
- ダニの管理 ダニとの接触を最小限にとどめることが最も効果的な予防法です。症例が散見される地域においては、猫を外に出さないなどの配慮が必要となります。