作品の基本情報
作品解説
「美人戯猫」は役者絵や美人画で絶大な人気を博した歌川豊国(うたがわとよくに)の作品です。
背景に描かれているのは茶屋で、咲いている花は桜です。また、猫が赤い首紐をつけていることから、女性のペットであると思われます。桜の咲き誇る春先、女性が帯を使って飼い猫をじゃらしているのでしょう。背景の茶屋と女性の着物の柄が桐であるという設定は、喜多川歌麿(きたがわうたまろ,1753~1806)の美人画「寛政三美人」(かんせいさんびじん)を連想させます。
背景に描かれているのは茶屋で、咲いている花は桜です。また、猫が赤い首紐をつけていることから、女性のペットであると思われます。桜の咲き誇る春先、女性が帯を使って飼い猫をじゃらしているのでしょう。背景の茶屋と女性の着物の柄が桐であるという設定は、喜多川歌麿(きたがわうたまろ,1753~1806)の美人画「寛政三美人」(かんせいさんびじん)を連想させます。
喜多川歌麿・「寛政三美人」
写真右でうちわをもっている女性は浅草寺の随身門(ずいじんもん=守護神像を左右に安置した神社の門)前にあった水茶屋「難波屋」の看板娘の「おきた」、中央は、吉原の玉村屋お抱え芸者「豊雛」、そして左は、両国米沢町の煎餅屋「高島屋」の看板娘「お久」です。「おきた」のうちわを見てみると、当作品の着物柄と同じ桐がデザインされています。豊国は茶屋の店先と桐文様を画中に示すことで、「おきた」をモデルにして女性を描いたことを暗示したのかもしれません。