加工でん粉とは何か?
加工でん粉(modified starch)とは天然デンプンを改良したデンプンの総称です。人間用の食品では、物理的および酵素的に処理したタイプは「食品」、処理されていないタイプは「食品添加物」として扱われ、表記の際のルールが変わります。加工でん粉に含まれる具体的な種類は以下です。
加工でん粉一覧
- アセチル化アジピン酸架橋デンプン
- アセチル化酸化デンプン
- アセチル化リン酸架橋デンプン
- オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
- 酢酸デンプン
- 酸化デンプン
- デンプングリコール酸ナトリウム
- ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン
- ヒドロキシプロピルデンプン
- リン酸架橋デンプン
- リン酸化デンプン
- リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
加工でん粉の安全性情報・概要
- 厚生労働省=指定添加物
- IARC=発がん性なし
- EFSA=使用基準未設定
- JECFA=使用基準未設定
- ペットフード=データなし
日本での安全性情報
日本では厚生労働省によって指定添加物として認可されています。
先述した11種類の加工デンプンを対象とし、食品安全委員会の添加物専門調査会が世界各国で行われた安全性試験の結果を網羅的に調べた所、「添加物として適切に使用される限り安全性に懸念がないと考えられることから、一日摂取許容量(ADI)を設定する必要はない」との結論に至っています。判断の元となったデータを大まかにまとめたものが以下です。 添加物評価書「加工でん粉」 加工デンプンの試験成績を評価した結果、発がん性、生殖発生毒性、遺伝毒性が認められないとの結論に至りました。また短期毒性試験や反復投与毒性試験に関しては、大量に投与した群において盲腸や腎臓に変化が認められたものの、これらは未加工のデンプンを給餌したときにも見られるありふれた所見であることから、ヒトに対する危険性はほとんどないと結論づけています。
食品安全委員会は「日本国内において食品として長い食経験があり、これまでに安全性に関して特段の問題は指摘されていない」および「各加工でん粉の化学構造が類似していることから、11種を1つのグループとして評価することが可能」という事実を加味し、最終的に「個々の加工でん粉のADI、および加工でん粉全般のグループADIを設定する必要はない」との結論に至りました。要するに摂取量の上限がないということです。
先述した11種類の加工デンプンを対象とし、食品安全委員会の添加物専門調査会が世界各国で行われた安全性試験の結果を網羅的に調べた所、「添加物として適切に使用される限り安全性に懸念がないと考えられることから、一日摂取許容量(ADI)を設定する必要はない」との結論に至っています。判断の元となったデータを大まかにまとめたものが以下です。 添加物評価書「加工でん粉」 加工デンプンの試験成績を評価した結果、発がん性、生殖発生毒性、遺伝毒性が認められないとの結論に至りました。また短期毒性試験や反復投与毒性試験に関しては、大量に投与した群において盲腸や腎臓に変化が認められたものの、これらは未加工のデンプンを給餌したときにも見られるありふれた所見であることから、ヒトに対する危険性はほとんどないと結論づけています。
食品安全委員会は「日本国内において食品として長い食経験があり、これまでに安全性に関して特段の問題は指摘されていない」および「各加工でん粉の化学構造が類似していることから、11種を1つのグループとして評価することが可能」という事実を加味し、最終的に「個々の加工でん粉のADI、および加工でん粉全般のグループADIを設定する必要はない」との結論に至りました。要するに摂取量の上限がないということです。
海外での安全性情報
加工でん粉に関しIARC(国際がん研究機関)で発がん性は確認されていません。またJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも、急性毒性や発がん性などが確認されていないことから、成人に対する上限摂取量は設定されていません。
しかしEUにおいては、プロピレンオキシドで処理した「ヒドロキシプロピルデンプン」と「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」に関して「乳幼児向け食品には用いるべきではない」としています。また加工デンプン11種のうち上記2種類を除いた9種類に関しては、乳幼児向け食品に5%の使用制限を設けています。理由は、ラットの長期毒性試験で腎臓にわずかな変化が見られたからです。
国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類リストは、加工する際に用いられるプロピレンオキシドがヒトに発がん性を示す証拠はないものの、実験動物には十分な証拠があることから「グループ2B」(=ヒトに対して発がん性を示す可能性がある)と評価しています。
日本の食品安全委員会では、日本人の推定摂取量に基づく生涯リスクを導いたところ、発がん物質の無視しうるレベルとされる100万分の1を下回ったため、おそらく遺伝毒性は発揮しないだろうとの見解を示しています。また生体組織に吸収されたプロピレンオキシドは、グルタチオン抱合や加水分解により速やかに代謝・解毒されるため、そのリスクは極めて低いとも。
しかしEUにおいては、プロピレンオキシドで処理した「ヒドロキシプロピルデンプン」と「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」に関して「乳幼児向け食品には用いるべきではない」としています。また加工デンプン11種のうち上記2種類を除いた9種類に関しては、乳幼児向け食品に5%の使用制限を設けています。理由は、ラットの長期毒性試験で腎臓にわずかな変化が見られたからです。
国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類リストは、加工する際に用いられるプロピレンオキシドがヒトに発がん性を示す証拠はないものの、実験動物には十分な証拠があることから「グループ2B」(=ヒトに対して発がん性を示す可能性がある)と評価しています。
日本の食品安全委員会では、日本人の推定摂取量に基づく生涯リスクを導いたところ、発がん物質の無視しうるレベルとされる100万分の1を下回ったため、おそらく遺伝毒性は発揮しないだろうとの見解を示しています。また生体組織に吸収されたプロピレンオキシドは、グルタチオン抱合や加水分解により速やかに代謝・解毒されるため、そのリスクは極めて低いとも。
キャットフードに入れると危険?
猫に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。
ウエットフードやペースト状のおやつに粘り気をもたせる時に添加されます。猫たちが大好きな「ちゅ~る」にも入っていますよ。