グァーガムとは何か?
グァーガム(guar gum)とはインドやパキスタン原産の「グアー豆」(クラスタマメ)の胚乳部から取った天然多糖類のことです。用途は広く、製紙業、製薬業、化粧品などで用いられています。食品業界ではパンやドーナツの生地、乳製品(牛乳・ヨーグルト・ケフィア・チーズetc)、肉製品、調味料、スープなどに、かさ増しやつなぎを目的として用いられます。 成分の分類上は「増粘安定剤」に属し、フードの食感を変えて猫の食いつきを良くする作用を持っています。
グァーガムの安全性情報・概要
- 厚生労働省=既存添加物
- IARC=発がん性なし
- EFSA=使用基準未設定
- JECFA=使用基準未設定
- ペットフード=データなし
日本での安全性情報
グァーガムは日本では厚生労働省によって既存添加物として認可されており、アイスクリーム、和菓子、水産ねり製品(かまぼこやちくわ)などに多用されています。使用基準は特に設定されていません。
海外での安全性情報
グァーガムは人間の腸内では細菌によって発酵されますが、急性毒性、発がん性、遺伝毒性は確認されていません。IARC(国際がん研究機関)でも発がん性はないとの見解を示しています。
JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)およびEFSA(欧州食品安全機関)でも摂取上限量は設定されていません。
グァーガムは水を含んで膨張するという特性を有していることから、ダイエット食品に多く用いられてきました。論拠は「胃袋の中で膨らんで満腹感につながる」というものです。しかし1990年代初頭、グァーガム含有のダイエットピル(Cal-Ban 3000)を飲んだ人の食道や小腸に、10~20倍に膨張したグァーガムが詰まるという症例が多発しました。こうした事例を受け、オーストラリアやアメリカ食品医薬品局(FDA)ではダイエットを目的とした製品にグァーガムを用いることが禁止されています。
JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)およびEFSA(欧州食品安全機関)でも摂取上限量は設定されていません。
グァーガムは水を含んで膨張するという特性を有していることから、ダイエット食品に多く用いられてきました。論拠は「胃袋の中で膨らんで満腹感につながる」というものです。しかし1990年代初頭、グァーガム含有のダイエットピル(Cal-Ban 3000)を飲んだ人の食道や小腸に、10~20倍に膨張したグァーガムが詰まるという症例が多発しました。こうした事例を受け、オーストラリアやアメリカ食品医薬品局(FDA)ではダイエットを目的とした製品にグァーガムを用いることが禁止されています。
キャットフードに入れると危険?
猫に対してグァーガムを長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。短期的には小腸におけるタンパク質の分解とアミノ酸の吸収量を低下させるとの報告がありますが、こうした特性が猫の健康にどのような効果をもたらすかは不明です(:Rochus, 2013)。
一方、犬を対象とした短期的な給餌テストでは、空腹時血中コレステロール濃度や食後の血中インシュリン濃度を低下させる可能性が示されています。調査を行ったのはベルギーリエージュ大学のチーム(M.Diez, 1997)。臨床上健康な犬を対象とし、グァーガム、シュガービート繊維、イヌリンという3つの食物繊維を乾燥重量中に7%の割合で混合したフードの給餌試験を行いました。その結果、以下のような特徴が見られたといいます。 グァーガムでのみ、インシュリンや血中コレステロール濃度への作用が見られました。こうした結果から調査チームは、食物繊維の中でも特にグァーガムには、糖尿病や高脂血症を改善する作用があるかもしれないとの結論に至りました。
一方、犬を対象とした短期的な給餌テストでは、空腹時血中コレステロール濃度や食後の血中インシュリン濃度を低下させる可能性が示されています。調査を行ったのはベルギーリエージュ大学のチーム(M.Diez, 1997)。臨床上健康な犬を対象とし、グァーガム、シュガービート繊維、イヌリンという3つの食物繊維を乾燥重量中に7%の割合で混合したフードの給餌試験を行いました。その結果、以下のような特徴が見られたといいます。 グァーガムでのみ、インシュリンや血中コレステロール濃度への作用が見られました。こうした結果から調査チームは、食物繊維の中でも特にグァーガムには、糖尿病や高脂血症を改善する作用があるかもしれないとの結論に至りました。
犬と同様の作用が猫でも見られるかどうかはよくわかっていません。傾向として、減量(ダイエット)用のキャットフードに添加されることが多いようです。またグァーガムで薬を包み込んだ場合、吸収を遅らせて消化管へのダメージを減らす作用が確認されています(Satoh, 2010)。