乳類の種類
乳類とは生乳とその加工物や加工副生物全般のことで、製造工程や水分含量により全脂乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳などに分類されます。また加工品であるホエー、チーズ、バター、クリームも乳類に含まれます。一般的なラベル表記例は以下です。
キャットフードラベルでよく見かける乳類の表記例
- 乳製品(ヨーグルト)
- 脱脂粉乳
- ミルクパウダー
- カッテージチーズ
- チーズパウダー
ヨーグルト
ヨーグルトとは哺乳動物(牛・ヤギ・ヒツジ・ウマなど)のメスが分泌した乳と乳酸菌や酵母を混ぜ、発酵させることで作られる食品です。乳酸菌が乳内の糖を分解→乳酸の生成→乳の酸性化→乳内のカゼインが固まる、というメカニズムによって液体が固体化します。
乳酸菌の多くは胃酸や胆汁酸の作用によって不活化されるため、通常は大腸にまで到達する前に死滅してしまいます。一方、ビフィズス菌は上記したような酸では不活化されず、大腸内に定着して「善玉菌」として機能することも可能です。
乳酸菌にもビフィズス菌にもさまざまな株が存在していますが、猫において健康との明白な関連性が証明されたものはありません。詳しくは「」というページをご参照ください。
乳酸菌にもビフィズス菌にもさまざまな株が存在していますが、猫において健康との明白な関連性が証明されたものはありません。詳しくは「」というページをご参照ください。
脱脂粉乳
脱脂粉乳(だっしふんにゅう)とは生乳を遠心分離にかけて乳脂肪分を取り除き、残った脱脂乳を乾燥させて粉状にしたものです。脂質を除くタンパク質、カルシウム、乳糖などを多く含んでいます。なお「ミルクパウダー」と言った場合は全粉乳、すなわち生乳や牛乳から水分だけを取り除いたタイプの粉ミルクを指します。
脱脂粉乳については2000年、雪印乳業(当時)が1万人を越える大規模な食中毒事件を起こしたことから、2002年に乳等省令の改正が行われ、製造基準が細かく設定されています。この食中毒事件の原因は、脱脂粉乳の原料中で増殖した黄色ブドウ球菌の産生毒素(エンテロトキシンA型)に気づかなかったことでした。
チーズ
チーズとは乳に乳酸菌とレンネット(凝乳酵素)を混ぜることで作られる乳製品の一種です。液体部分(ホエイ)と固体沈殿部分(カード)に分離した乳のうち、「カード」の方がチーズの原料(フレッシュチーズ)となります。乳の原料となるのは牛乳、ヒツジ乳、ヤギ乳などです。
カッテージチーズと言った場合は、脱脂乳などに酸とレンネットを入れ、沈殿した部分を取り出しただけのシンプルなフレッシュチーズのことを指します。柔らかく味は淡白です。またチーズパウダーとはチーズを粉状にしたものを指します。