詳細
調査を行ったのは、「International Cat Care」(ICC)、「Veterinary Poisons Information Service」、および「Agria Pet Insurance」からなる共同チーム。不慮の事故から猫を守る「猫の安全キャンペーン」(Keeping Cats Safe campaign)の一環として、室内で起こりやすい誤飲事故の統計調査が行われました。その結果、以下に示すような日用品が危険物として上がってきたと言います。
危険因子は「室内飼いの若い純血種」で、特にバーミーズとシャムに多かったといいます。主な症状は「嘔吐」、「食欲不振」、「下痢」、「腹痛」などで、比較的小さな異物が腸の中を少しずつ進むような場合は、症状が30日間断続的に続くこともあるとのこと。また大きな異物による消化管の完全閉塞は、腸の穿孔や腹膜炎、敗血症といった重篤な症状につながりうるため、早期の発見が重要であると注意を促しています。
Gastrointestinal foreign bodies: your cat ate what?
猫によくある誤飲物
- 針と糸
- 肉を巻いている紐
- ウール製品
- ヘアバンド
- 輪ゴム
- 骨
- ティンセル
- コイン
- 風船
- ボタンやピンバッヂ
- 耳栓
- 果物の種やアーモンド
- ナッツの殻
- 哺乳瓶の吸い口
- 各種線維製品

解説
犬や猫は餌を丸飲みするという習性があるため、固形物がのどを通過するときの「嘔吐反射」が極めて弱くしか存在していません。例えば以下は、猫が実際に飲み込んでしまった信じられない誤飲物の例です。
飼い主が注意すべきは、自分たちの感覚を猫に投影し「まさかこんなものは飲み込めないだろう」という思い込みを抱かないことです。嘔吐反射の違いにより、犬や猫は体のサイズに比べて信じられないくらい大きな物体を飲み込むことができますので、日ごろから誤飲事故につながりそうな細々としたものを、部屋の中から片付けるよう注意しておく必要があります。また紐状異物を飲み込んだ時は、舌の根本に紐の片端が引っかかっていることがあります。日常的に口の中をチェックする習慣を持っておけば、早期発見につながるでしょう。なお、紐を無理に引っ張ると胃や腸を傷つけてしまう危険性がありますので、取り出す際は獣医さんにご相談ください。


