詳細
報告を行ったのは、アメリカ・ペンシルバニア大学の獣医学部チーム。救急病院に運ばれてきた猫を診察する際は、手際よく猫の身体状態を確認していく必要がありますが、還流血液量の低下を知る際は、超音波ドプラ血圧計やカフを用いた血圧計などを使用する必要があり、若干煩雑でした。そこでチームは、時間も手間もかからない「足背動脈触診法」の実用性を確かめるため、救急病院に運ばれてきた猫102頭を対象とした実地調査を行いました。
まず、年齢も品種もバラバラな猫たちの血圧を超音波ドプラ血圧計とカフ式血圧計でダブルチェックし、収縮期血圧を実測しました。次に、大腿動脈と足背動脈の両方を触診し、「触知不能」、「弱い」、「中等度」、「強い」の4つに区分しました。その結果、「足背動脈の脈拍を触知できない場合、超音波ドプラ血圧計での実測値が75mmHg以下の低血圧である確率が85%」という関連性が見出されたと言います。
こうしたデータから調査チームは、猫の足背動脈を触診すれば、およそ85%の確率で低血圧状態をふるい分けすることができるという可能性を示しました。ただし「超音波ドプラ血圧計は必ずしも正確ではない」、「猫の肥満度を考慮していない」、「塞栓性の病変を事前に除外していない」といったデータ上の不備も抱えているため、いきなり全ての猫に一般化するのは早計であるともしています。 Prediction of systolic blood pressure using peripheral pulse palpation in cats
こうしたデータから調査チームは、猫の足背動脈を触診すれば、およそ85%の確率で低血圧状態をふるい分けすることができるという可能性を示しました。ただし「超音波ドプラ血圧計は必ずしも正確ではない」、「猫の肥満度を考慮していない」、「塞栓性の病変を事前に除外していない」といったデータ上の不備も抱えているため、いきなり全ての猫に一般化するのは早計であるともしています。 Prediction of systolic blood pressure using peripheral pulse palpation in cats
解説
私達でも指先の感覚を鍛えれば、足の甲を触るだけで低血圧(75mmHg以下)かどうかくらいは触知できるようになるかもしれません。スキンシップを兼ねて練習してみてはいかがでしょうか?ただし足背動脈の脈拍は極めて微弱であるため、自分自身の指先の脈動と誤認しないよう注意する必要があります。