詳細
報告を行ったのは、イギリス・ロンドン大学の調査チーム。慢性腎臓病を患った猫の健康状態は、一般的に動物病院における血液検査や尿検査でモニタリングされます。しかし家庭における生活の質(QOL)に関しては明確な評価基準が存在しておらず、せいぜい動物病院で「猫ちゃんの調子はどうですか?」といった質問を投げかけられて終わるのが関の山です。
そこで調査チームは、「9歳未満の健康な若齢猫」、「9歳以上の健康な老猫」、「慢性腎臓病を抱えた猫」の飼い主の力を借り、医療の現場で即戦力となるような統一化された調査票の作成にとりかかりました。さまざまな検討を経て最終的に残った質問は、以下の16項目です。
CatQoLの質問16項目
- 全体的な健康(4項目)具合 | 痛み | 動き | 排便
- 食餌(3項目)好み | 食欲 | 障害
- 行動(7項目)幸せ | ストレス | 交流 | 遊び | 狩猟 | グルーミング | 爪とぎ
- 管理(2項目)通院 | 投薬
CatQoLの結果
- 若齢猫(0.00)は老猫(-0.50)や腎臓病猫(-0.50)よりも顕著に高いスコアを記録した
- 腎臓病猫(1.00)は老猫(2.00)よりも「食事」の分野で低いスコアを示した
- 若齢猫(2.43)は老猫(1.14)や腎臓病猫(0.43)よりも「行動」の分野で高いスコアを記録した
- 「管理」の分野では若齢猫(-0.50)、老猫(-1.00)、腎臓病猫(-1.50)の値がバラバラだった
- 腎臓病の進行度と生活の質との間に明確な関連性は見い出されなかった