詳細
以下は、WSAVAが公開しているワクチン接種ガイドラインの2010年度版と2015年度版における主な相違点です。
子猫のコアワクチン接種
- 2010年版8~9週齢でスタート→3~4週間隔で接種→ラストは14~16週齢→ブースターは12ヶ月後→その後の接種は最低3年空けること
- 2015年版6~8週齢でスタート→2~4週間隔で接種→ラストは16週齢以降→半年後に抗体テストを受け、ネガティブならブースター→その後の接種は最低3年空けること
成猫のコアワクチン
ワクチン歴のわからない16週を超えた子猫、および1歳以上の成猫には、1回のコアワクチン接種で十分だとしています。「2回必要」という主張には明確な根拠がないとのこと。
接種する場所
猫のワクチン接種に際しては、かねてから「ワクチン接種部位肉腫」(FISS)が問題視されてきました。万が一肉腫ができてしまった場合に備え、注射箇所は肩甲骨間を避け、手や足にすべきとしています。また近年は、しっぽに注射しても、他の場所と遜色がないとの報告が上がってきているようです。その他、肉腫の根本原因とされる「アジュバント」を含まないタイプが存在しているのであれば、積極的にそちらを用いるよう推奨しています。なお今回の改定で「猫エイズ」(FIV)ワクチンが、「推奨されない」から「ノンコア」に格上げされましたが、このワクチンにはアジュバントが含まれています。
WSAVA Vaccination Guidelines 2015