詳細
報告を行った国立台湾科学技術大学によると、70頭の猫から合計700枚に及ぶ鼻の写真を収集し、試験的なデータベースを作成したところ、結構うまく個体識別できたと言います。今後はこの技術を洗練して個体識別率を高め、迷子、誘拐、保険会社に対する虚偽申告の予防などに役立てていきたいとしています。
Locality Constrained Sparse Representation for Cat Recognition
解説
日本では猫の個体識別方法としてマイクロチップが推奨されていますが、「体内に埋め込む」という手法に対して抵抗を示す飼い主が一部にはいるようです。そういう人にとって「鼻の写真を撮るだけでよい」という提案は、魅力的に映るかもしれません。
猫の鼻には鼻孔、鼻唇溝、鼻紋といった細かな構造物があり、人間の指紋に相当すると考えられています。このユニークな鼻を利用して個体識別を行おうという試みは、今からちょうど10年前の2006年、アトムシステムという会社が「インターネットを介して送られてきた動物の鼻写真から識別情報を抽出してデータベースを作成し、個体の管理・検索等を行う」というビジネスモデルを発表しています。「鼻特徴情報生成装置及び鼻特徴情報生成プログラム」という名の当技術は、ほとんどの哺乳類に応用可能であるとしていますが、少なくとも犬や猫といったペット動物分野ではあまり浸透しなかったようです。
鼻紋認証システムに関する特許