詳細
調査を行ったのは、ニューヨークのコーネル大学とヒルズの共同研究チーム。理想体重よりも25%以上太っている猫58頭を、ランダムで「高食物繊維食」、「低炭水化物・高タンパク食」、「ノーマル食」のうちのどれか1つに振り分け、8週間の給餌試験を行いました。その結果、食事内容にかかわらず、すべてのグループにおいて、体重減少が見られたと言います。中でも「高食物繊維食」グループにおいて、最も高い効果が認められたとも。以下で示すのは、4週間目と8週間目における体重の減少率です。「高食物繊維食」は8週間目で6.5%減という高い数値を記録しています。
体重の変化とともに調査されたのが、食事の前後における猫の行動です。猫の飼い主はダイエットを開始する前と、開始後4週間目、8週間目にそれぞれ同じアンケート用紙に記入し、猫の行動がどのように変化したかを報告しました。その結果、以下のような傾向が浮かび上がってきたと言います。数値は、4週間目と8週間目のアンケートで「ダイエット開始前よりも行動が増えた」と回答した飼い主の割合です。
上のグラフで示したように、80~100%の猫では「おねだり」や「膝に乗る」といった愛情表現が増えたそうです。
こうした事実から研究チームは、ダイエットには猫の体重を減らすのみならず、飼い主に対する愛情行動を増やす効果があるとの結論に至りました。食事制限をすると猫から恨まれるのではないかと漠然と考えている飼い主は、それほど心配しなくてもよいとのこと。 Owner's perception of changes in behaviors associated with dieting in fat cats DailyMail(2016.1.26)
こうした事実から研究チームは、ダイエットには猫の体重を減らすのみならず、飼い主に対する愛情行動を増やす効果があるとの結論に至りました。食事制限をすると猫から恨まれるのではないかと漠然と考えている飼い主は、それほど心配しなくてもよいとのこと。 Owner's perception of changes in behaviors associated with dieting in fat cats DailyMail(2016.1.26)
解説
2015年、アメリカバージニア州の獣医大学とチェコのヒルズが行った共同調査では、ダイエット用の療法食には高い確率で太り気味の猫を痩せさせる効果があること、および体重が適正値に近づいた猫は精神面でも改善が見られることが確認されています。今回の調査と合わせると、猫を適正体重にすることは、猫の心身的な健康のみならず、飼い主の精神的な健康増進にも寄与していると言えそうです。