詳細
調査を行ったのは、アメリカ・カリフォルニア大学の研究チーム。チームはまず、6頭のオス猫を2~6ヶ月齢になった頃から訓練し、「ペダルを押すとある一定のリズムが流れること」および「リズムが変わったタイミングでペダルを離すとご褒美をもらえること」を覚え込ませました。その後猫たちが8~36ヶ月齢になり、上記した法則性を十分にマスターしたタイミングでリズムの聞き分けテストを行いました。テストの具体的な内容は基本的に訓練と同じですが、決定的に違うのは、ノイズの音源とは全く別の場所から、ノイズのリズムを打ち消すような妨害音が出ているという点です。この妨害音は、ノイズ音源に近づけば近づくほどリズムを聞き取りにくくし、遠ざかれば遠ざかるほどリズムを明瞭化するという特徴を持っています。つまり、リズム音源と妨害音の距離を調整すれば、猫が2つのリズムを別物と聞き分けることができる最小限の距離がわかるという寸法です。
主な結果は以下。なお「広帯域」とは高い音と低い音の両方を含んだノイズ、「低音域」とは0.4~1.6kHzのノイズ、「高音域」とは4~25kHzのノイズのことを指します。また、角度が狭ければ狭いほど、 2つのリズムを聞き分ける能力が高いということを意味しています。
人間の場合
- 広帯域→8.1°
- 低音域→約8°
- 高音域→15.9°
猫の場合
- 広帯域→9.4°
- 低音域→16.4°
- 高音域→11.8°
猫が高音域を得意とする理由
- 耳と耳の距離が狭い
- 前方を向いた耳介
- 可聴域が高い
- 単純に低音域が嫌い