詳細
調査チームは2009年~2014年の期間、ニュージーランド国内にある2つの施設において合計245頭の猫の血液を調べ、血液型の分布を明らかにしました。結果は以下です。
統計的に見て、短毛種と長毛種、北部と南部において血液型分布に大きな隔たりは見られなかったと言います。また事前の血液型検査をせずにランダムで輸血を行った場合、18.3~31.9%の確率で拒絶反応が起こり、血液型がわかっていない猫がランダムで交配した場合、9.2~16.1%の確率で新生子溶血が起こると推計されています。
Distribution of blood types in a sample of 245 New Zealand non-purebred cats
施設1(89頭)
A=79%
B=20%
AB=1%
施設2(156頭)
A=89.1%
B=10.3%
AB=0.6%
解説
輸血における拒絶反応も新生子溶血現象も、異なる型に属する血液同士の間で起こる抗原抗体反応によって引き起こされます。最も厄介なのは、B型の血液を持つ猫が血清中に保有する「A抗体」が、A型の血液を持つ猫が赤血球上に保有する「A抗原」を異物とみなした時です。「A抗体」と「A抗原」がニアミスを起こすと、凝集反応が起こって血液が固まり、使い物にならなくなってしまいます。万が一、猫に輸血が必要になった場合、事前の血液型検査と交差試験が必要となるのは、上記したような致命的な拒絶反応を避けるためです。
また、B型の母親とA型の父親が交配し、生まれてきた子猫がA型だった場合、母猫の母乳を飲むことによって新生子溶血現象が起こってしまいます。発症メカニズムは輸血時の拒絶反応と同じで、母乳に含まれる「A抗体」が、子猫の血液に含まれる「A抗原」を異物とみなすことで赤血球の破壊が起こります(溶血)。人間が何の介入も行わなかった場合、9.2~16.1%という高い確率で新生子溶血が起こり、重症の場合は子猫が死んでしまうと言うのですから、なかなかシビアです。しかし一度の出産でたくさんの子猫を生むということ自体が、子猫の高い死亡率を想定しているということでもありますので、猫にとってはそれが自然の摂理なのかもしれません。