猫の慢性肝炎の病態と症状
猫の慢性肝炎とは、肝臓に長期にわたって炎症が生じている状態を言います。
肝臓内で繰り返し炎症が生じた結果、線維部分の占める割合が多くなり、徐々に正常な機能が失われていきます。肝臓は解毒、ビタミンやホルモンの生成、炭水化物、脂質、タンパク質の合成や分解、消化酵素の生成など数百の役割を担っていますので、この器官が不調に陥ると、胆嚢、神経、消化器、泌尿器といった、その他の様々な臓器までもが機能不全に陥ってしまうのです。 猫の慢性肝炎の症状としては以下のようなものが挙げられます。
肝臓内で繰り返し炎症が生じた結果、線維部分の占める割合が多くなり、徐々に正常な機能が失われていきます。肝臓は解毒、ビタミンやホルモンの生成、炭水化物、脂質、タンパク質の合成や分解、消化酵素の生成など数百の役割を担っていますので、この器官が不調に陥ると、胆嚢、神経、消化器、泌尿器といった、その他の様々な臓器までもが機能不全に陥ってしまうのです。 猫の慢性肝炎の症状としては以下のようなものが挙げられます。
猫の慢性肝炎の主症状
- 元気がない
- 食欲不振
- 下痢
- 嘔吐
- おなかがふくれる(腹水)
- 体重減少
- 黄疸(おうだん=白目や歯茎が黄色く変色する)
- 肝硬変への進行(末期)
猫の慢性肝炎の原因
猫の慢性肝炎の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。犬と比較すると、猫における発症はまれです。
猫の慢性肝炎の主な原因
- 感染症 ウイルスや細菌への感染が急性肝炎を引き起こし、それが完治しないままだらだらと炎症が続いた結果、慢性肝炎へと進行してしまうことがあります。
- 中毒 何らかの毒物が体内に入り、長い時間をかけて肝臓をダメにしてしまうことがあります。具体的には銅、抗けいれん薬、硫酸トリメトプリム、ジメチルニトロサミン、オキシベンダゾールなどです。
猫の慢性肝炎の治療
猫の慢性肝炎の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫の慢性肝炎の主な治療法
- 対症療法 疾患の原因を取り除くよりも、症状の軽減を目的とした治療が施されます。具体的には輸液、栄養補給、安静、食事療法などです。
- 腹水を抜く おなかに水が溜まって苦しそうな場合は、まず利尿剤が投与され、それでも改善しない場合はおなかの中に注射針を刺して水を吸い取ります(腹水穿刺)。
- 投薬治療 肝炎の症状に合わせた投薬が行われます。抗酸化剤、亜鉛、銅キレート剤、免疫抑制剤、抗線維化物質といった選択肢がありますが、投薬は病気を治すのではなく症状の悪化を抑えるためのものであって、一生涯継続する必要があります。