軸索変性症(?)
軸索変性症とは、末梢神経の一部である「軸索」と呼ばれる指令伝導ケーブルに変化が起こり、運動や感覚に障害が出る病気。
奇妙な症例
2009年、イギリスとアメリカからなる共同調査チームは、遺伝性の軸索変性症と見られるスノーシュー2頭の症例報告を行いました(→出典)。1頭は4ヶ月齢、もう1頭は8ヶ月齢で、全く別の家庭で飼われていましたが、どちらの猫も似たような症状を主訴として来院したといいます。
年長(8ヶ月齢のオス)の猫は突然発生した後ろ足の筋力低下で来院したものの1週間ほどで自然回復。2週間後に再び同じ症状を呈した後、特別な治療をすることなく筋力が正常に戻りました。
若齢(4ヶ月齢のオス)の猫は重度の便秘と過去3週間に渡って継続する後ろ足の筋力低下で来院し、症状は少しずつ悪化しているようでした。しかし別段治療を行わなかったにも関わらず、それから数ヶ月後には自然回復。最初の受診から7ヶ月後には一時的な症状の再発が見られたものの、それも自然に消えて筋力が正常に戻ったそうです。 調査チームは、「2頭の猫は祖父に当たる猫が同じ」、「症状が進行しないためニーマンピック病のような代謝性疾患ではない」、「2頭の生活環境が異なっていたため後天性ではない」などの事実から、この疾患が遺伝性の末梢神経軸索疾患である可能性が高いとの結論に至りました。しかし詳細な病因に関してはよくわかっておらず、断続的に再発するものの時間の経過とともに自然治癒するという特徴は非常に珍しいとしています。
同様の症例がたくさんあるわけではないため、軸索変性がこの品種の好発疾患なのか、それともこの患猫の家族にだけ好発する家族性疾患なのかは今のところ不明です。
年長(8ヶ月齢のオス)の猫は突然発生した後ろ足の筋力低下で来院したものの1週間ほどで自然回復。2週間後に再び同じ症状を呈した後、特別な治療をすることなく筋力が正常に戻りました。
若齢(4ヶ月齢のオス)の猫は重度の便秘と過去3週間に渡って継続する後ろ足の筋力低下で来院し、症状は少しずつ悪化しているようでした。しかし別段治療を行わなかったにも関わらず、それから数ヶ月後には自然回復。最初の受診から7ヶ月後には一時的な症状の再発が見られたものの、それも自然に消えて筋力が正常に戻ったそうです。 調査チームは、「2頭の猫は祖父に当たる猫が同じ」、「症状が進行しないためニーマンピック病のような代謝性疾患ではない」、「2頭の生活環境が異なっていたため後天性ではない」などの事実から、この疾患が遺伝性の末梢神経軸索疾患である可能性が高いとの結論に至りました。しかし詳細な病因に関してはよくわかっておらず、断続的に再発するものの時間の経過とともに自然治癒するという特徴は非常に珍しいとしています。
同様の症例がたくさんあるわけではないため、軸索変性がこの品種の好発疾患なのか、それともこの患猫の家族にだけ好発する家族性疾患なのかは今のところ不明です。
尿酸塩尿石症(?)
下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めていますが、まれに尿酸塩(アンモニア・ナトリウム・シスチン・キサンチン)が結石を形成することもあります。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。
発症リスク
1981年1月から2008年12月の期間中、ミネソタ尿石センターに蓄積されたデータの中から尿酸塩結石を発症した猫5,072頭と発症していない比較対照群437,228頭とを選び出し、結石の発症リスクを高めている要因を検証しました(→出典)。その結果、純血種、不妊手術(12倍)、4~7歳の年齢層(51倍)という因子が浮かび上がってきたといいます。さらに品種ごとにリスクを計算した所、スノーシューで16.9倍(3/16)のリスクが確認されたとも。ただし調査対象となった猫の数が16頭とそもそも少ないことから、確定的なデータではないとしています。