日本における安全性情報
銅クロロフィリンナトリウム(Sodium Copper Chlorophyllin)はクロロフィル分子に含まれるマグネシウムが銅とナトリウムに置きかわった物質。化学構造式は以下です。
日本では厚生労働省によって指定添加物の「着色料」として認可されており、以下のような使用基準が定められています。数値は食品1kg当たりの含有上限値です。
銅クロロフィリンナトリウム(着色料)の使用基準
- 野菜類又は果実類の貯蔵品→100mg
- シロップ→64mg
- チューインガム→50mg
- 魚肉ねり製品(魚肉すり身を除く)→40mg
- あめ類→0.020g
- チョコレート生菓子(菓子パンを除く)→6.4mg
- みつ豆缶詰又はみつ豆合成樹脂製容器包装詰中の寒天→0.4mg
海外における安全性情報
海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)が体重1kg当たりの摂取量に関し「0~15mg」という使用基準を設けています。またEFSA(欧州食品安全機関)では一日摂取許容量(ADI)や使用基準は設定されていませんが、これは安全性を確認しているからではなく、銅クロロフィリンの体内における吸収、分布、代謝、排泄、遺伝毒性、毒性、発がん性、生殖発生毒性に関して信頼性のあるデータが不足しているため、基準値を設定できないからです。
なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
口臭患者の唾液1mL中に5~100mgの濃度で銅クロロフィリンナトリウム添加したところ、悪臭の原因であるメチルメルカプタンや硫化水素と何らかの反応を起こし、揮発しないタイプの硫化物に変えて匂いの発散を抑制したとの報告があります。また高濃度ではグラム陰性嫌気性菌のほとんどの増殖を抑えたとも(:Tsunoda, 1981)。