日本における安全性情報
安息香酸(benzoic acid)は芳香族化合物の一種。ナトリウムと結合したものは「安息香酸ナトリウム」(sodium benzoate)と呼ばれます。化学構造式は以下です。
日本では厚生労働省によって指定添加物の「保存料」として認可されており、以下のような使用基準が定められています。数値は食品1kg中における含有量です。
安息香酸の使用基準
- キャビア→2.5g
- マーガリン→1.0g
- 清涼飲料水・シロップ・しょう油→0.6g
海外における安全性情報
安息香酸ナトリウムに関し、海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)が体重1kg当たり1日「0~5mg」という使用基準を定めています。またEFSA(欧州食品安全機関)はラットを対象とした4世代に渡る生殖毒性試験結果から、安息香酸として体重1kg当たり1日500mgまでは遺伝毒性や発がん性を及ぼさないとしています。また安全係数を100とし、人間における使用基準を体重1kg当たり1日5mgまでとしています。
なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
安息香酸に抗菌作用はありますが殺菌作用まではありません。この成分によって口の中の歯周病菌が減るわけではないということです。