トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典ヘスペリジン

ヘスペリジン~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「ヘスペリジン」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 ヘスペリジン(hesperidin)は柑橘類の果皮に多く含まれるフラボノイドの一種。化学構造式は以下です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「ヘスペリジン」  日本では厚生労働省によって「メチルヘスペリジン」が指定添加物の「強化剤」、および「酵素処理ヘスペリジン」が既存添加物の「強化剤」として認可されています。使用基準は特に定められていません。
 メチルヘスペリジンはビタミンに近い作用を有していることから「ビタミンP」とも呼ばれます。またヘスペリジンを酵素処理して糖をひとつ付けた「モノグルコシルヘスペリジン」が、中性脂肪が高めの人や血圧が気になる人向けの特定保健用食品に使用されています。

海外における安全性情報

 海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも一日摂取許容量(ADI)や使用基準は設定されておらず、国際がん研究機関(IARC)によって発がん性も確認されていません。
 ヘスペリジンは非常に多くの生理作用を有していますが、口腔衛生に関係しているものとしては「抗炎症作用」「毛細血管を強化」「血管透過性の抑制」などがあります。
水に溶けにくいヘスペリジンに糖を付加することにより、水溶性を約1万倍に高めた「グリコシルヘスペリジン」(糖転移ヘスペリジン)は人間用の歯磨き粉にも使用されています出典資料:グリコ健康科学研究所