日本における安全性情報
ブドウ種子抽出物(grape seed extract)はアメリカブドウまたはブドウの種子から得られた、プロアントシアニジンを主成分とするもの。日本では厚生労働省によって既存添加物の「酸化防止剤」として認可されています。使用基準は特に設定されていません。
ラットを対象とした単回経口投与毒性試験では、半数致死量(LD50)がオスメスともに体重1kg当たり4,000mg以上と推定されています。またラットを用いた13週間に渡る反復投与混餌試験では、無毒性量がオスで体重1kg当たり1日1,790 mg、メスで2,170 mgと推計されています。遺伝毒性は確認されていません(:医薬品食品衛生研究所)。
海外における安全性情報
海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)がブドウの皮抽出物に関して一日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たり1日0~2.5mgと設定していますが、「ブドウ種子抽出物」に関する基準は設けていません。
EFSA(欧州食品安全機関)ではブドウの皮抽出物とブドウ種子抽出物を合わせた「ブドウ抽出物」に関し、食餌1kg内に100mg、飲み水1L内に50mgなら安全だろうとの見解を示しています。ただし「犬は除く」という条件付きです。なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
イタリア・ウーディネ大学大学の調査チームはさまざまな犬種に属する犬たちを8頭ずつ3つのグループに分け、1つには何も添加しない比較用のフード、1つには体重1kg当たり1日1mgのプロアントシアニジンを含んだフード、残りの1つには体重1kg当たり1日3mgのプロアントシアニジンを含んだフードを28日間に渡って給餌しました。
給餌前および試験開始から14日後と28日後のタイミングで便の細菌叢、短鎖脂肪酸、乳酸、唾液中のコルチゾールとセロトニンを計測した結果、サプリメントなしグループの腸内細菌叢では「エンテロコッカス属」と「アドレクルーツィア」が多く見られたといいます。一方、「1mg」グループでは「大腸菌」と「ユーバクテリウム」、「3mg」グループでは「フソバクテリウム」と「ファスコラークトバクテリウム」が多いという特徴が見られたとも。さらにサプリメントグループでは唾液中のセロトニンレベルが高いという共通の特徴が見られました。
こうした結果から調査チームは、ブドウから抽出した「プロアントシアニジン」と呼ばれるポリフェノールの一種が犬の腸内細菌叢を変化させ、神経内分泌機構に作用して神経伝達物質の体内濃度を変化させるプレバイオティクスとしての可能性を有しているとの結論に至りました(:Scarsella, 2020)。
ブドウ種子抽出物を歯磨き粉に入れているそもそもの意味がよくわかりません。人間においては血圧の改善、コレステロール値のコントロール、夜間の視力の向上などを目的としたサプリがありますが、高濃度ですので犬や猫には与えないでください。
EFSA(欧州食品安全機関)ではブドウの皮抽出物とブドウ種子抽出物を合わせた「ブドウ抽出物」に関し、食餌1kg内に100mg、飲み水1L内に50mgなら安全だろうとの見解を示しています。ただし「犬は除く」という条件付きです。なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
イタリア・ウーディネ大学大学の調査チームはさまざまな犬種に属する犬たちを8頭ずつ3つのグループに分け、1つには何も添加しない比較用のフード、1つには体重1kg当たり1日1mgのプロアントシアニジンを含んだフード、残りの1つには体重1kg当たり1日3mgのプロアントシアニジンを含んだフードを28日間に渡って給餌しました。
給餌前および試験開始から14日後と28日後のタイミングで便の細菌叢、短鎖脂肪酸、乳酸、唾液中のコルチゾールとセロトニンを計測した結果、サプリメントなしグループの腸内細菌叢では「エンテロコッカス属」と「アドレクルーツィア」が多く見られたといいます。一方、「1mg」グループでは「大腸菌」と「ユーバクテリウム」、「3mg」グループでは「フソバクテリウム」と「ファスコラークトバクテリウム」が多いという特徴が見られたとも。さらにサプリメントグループでは唾液中のセロトニンレベルが高いという共通の特徴が見られました。
こうした結果から調査チームは、ブドウから抽出した「プロアントシアニジン」と呼ばれるポリフェノールの一種が犬の腸内細菌叢を変化させ、神経内分泌機構に作用して神経伝達物質の体内濃度を変化させるプレバイオティクスとしての可能性を有しているとの結論に至りました(:Scarsella, 2020)。
ブドウ種子抽出物を歯磨き粉に入れているそもそもの意味がよくわかりません。人間においては血圧の改善、コレステロール値のコントロール、夜間の視力の向上などを目的としたサプリがありますが、高濃度ですので犬や猫には与えないでください。
犬における安全性は確認されていません。未知のメカニズムにより腎不全を引き起こす危険性がありますので使用は避けてください。