クレソンの成分
クレソン(cresson)は水中で生育するアブラナ科の多年草。オランダガラシとも呼ばれ、水中から上に出た部分はサラダや香辛料として食されます。
気道粘膜の炎症や気管支炎を軽減し咳を抑えるといった俗説がありますが有効性は実証されていません。逆に過剰摂取や長期摂取により胃粘膜や腎機能が低下する危険性が示されていますので要注意です。
クレソンは安全?危険?
クレソンを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはクレソンに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
グルコシノレート
グルコシノレート(glucosinolates)はアブラナ科の植物に多く含まれる代謝産物の一種。辛味を有していることからカラシ油配糖体とも呼ばれます。
酵素の働きによりイソチオシアネートやゴイトリンといった物質に転換され、甲状腺におけるヨウ素の取り込みを阻害します。その結果、長期間摂取すると甲状腺ホルモンの合成を抑制して甲状腺腫を発症する危険性が指摘されています。ウサギにおける摂取量の上限値はエサ1kg当たり8mmolまで、単胃動物は1~1.5mmolまでとされています(:EFSA)。
酵素の働きによりイソチオシアネートやゴイトリンといった物質に転換され、甲状腺におけるヨウ素の取り込みを阻害します。その結果、長期間摂取すると甲状腺ホルモンの合成を抑制して甲状腺腫を発症する危険性が指摘されています。ウサギにおける摂取量の上限値はエサ1kg当たり8mmolまで、単胃動物は1~1.5mmolまでとされています(:EFSA)。
肝蛭(かんてつ)
肝蛭とはヤギ、ヒツジ、ウシといった反芻動物の内臓に侵入する寄生虫の一種。
糞に含まれた寄生虫卵が水田や小川などでモノアラガイ類の貝に寄生し、その中で増えて成長します。成長して貝の中から出てくると、水中を遊泳しながら水田の稲や水辺の植物にくっつき、再び反芻動物に食べられるのを待ちます。
「水辺の植物」にはクレソンやセリが含まれますので、こうした植物を生で食べると寄生虫に感染してしまう危険性があるということです。また牛のレバ刺しも危険です(:食品安全委員会)。
通常のキャットフードは加熱加工されていますので感染の心配はないでしょう。
糞に含まれた寄生虫卵が水田や小川などでモノアラガイ類の貝に寄生し、その中で増えて成長します。成長して貝の中から出てくると、水中を遊泳しながら水田の稲や水辺の植物にくっつき、再び反芻動物に食べられるのを待ちます。
「水辺の植物」にはクレソンやセリが含まれますので、こうした植物を生で食べると寄生虫に感染してしまう危険性があるということです。また牛のレバ刺しも危険です(:食品安全委員会)。
通常のキャットフードは加熱加工されていますので感染の心配はないでしょう。
ミリスチシン
ミリスチシン(myristicin)はナツメグの精油中に少量存在するフェニルプロペンの一種。クレソンの葉から抽出した精油中にも57%程度の割合で含まれています(:Amiri H, 2012)。
まだ不明な部分が多い成分ですが、殺虫効果やダニ駆除効果、および神経毒の作用を有している可能性が示されていますので、大量摂取は危険だと考えられます。
まだ不明な部分が多い成分ですが、殺虫効果やダニ駆除効果、および神経毒の作用を有している可能性が示されていますので、大量摂取は危険だと考えられます。
猫におけるクレソンの安全性、危険性、および適正量に関してはよくわかっていません。