ハチミツの成分
ハチミツ(蜂蜜)とはミツバチが吸い取った花の蜜が巣の中で熟成してできた糖分泌物の総称です。
約8割の糖類と2割の水分とで構成されており、糖類のほとんどはブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)です。
魚料理においては魚の臭みを減らす働きがあり、肉料理においては過熱による肉の収縮や硬化を防ぐ働きがあるとされています。
魚料理においては魚の臭みを減らす働きがあり、肉料理においては過熱による肉の収縮や硬化を防ぐ働きがあるとされています。
ハチミツは安全?危険?
ハチミツを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはハチミツに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
マヌカハニー
マヌカハニー(manuka honey)はニュージーランド原産のフトモモ科の低木「マヌカ」の花蜜を原料とするハチミツのことです。
外耳炎や火傷といった皮膚の炎症に対し「ハニードレッシング」(ハチミツ外用)という形でよく利用されています。一方、「免疫機能を高める」とか「ピロリ菌を取り除く」といった風説があるものの、食品として経口摂取したときの作用や効果については人間においても猫においても科学的には実証されていません。
ボツリヌス菌
ボツリヌス菌はクロストリジウム属の嫌気性細菌。生のハチミツにボツリヌス菌の芽胞が混入している場合、免疫力の弱い12ヶ月齢未満の乳児が摂取すると乳児ボツリヌス症を発症する危険性が指摘されています。
日本国内における乳児ボツリヌス症は、保健所が食中毒として報告した事例だけをカウントすると、1986年以降3件と少数ですが、医師による診断がついた事例は1999年以降16件あります。厚生労働省が「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」と呼びかけているのはそのためです(:厚生労働省)。
猫におけるボツリヌス症の自然発生例は皆無に近いため、生でハチミツを大量に与えない限りは安全だと考えられます。
日本国内における乳児ボツリヌス症は、保健所が食中毒として報告した事例だけをカウントすると、1986年以降3件と少数ですが、医師による診断がついた事例は1999年以降16件あります。厚生労働省が「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」と呼びかけているのはそのためです(:厚生労働省)。
猫におけるボツリヌス症の自然発生例は皆無に近いため、生でハチミツを大量に与えない限りは安全だと考えられます。
グラヤノトキシン
グラヤノトキシン(grayanotoxin)はツツジ、サツキ、シャクナゲ、アザレアなどロドデンドロン属の花蜜に含まれる神経毒の一種です。これらの花蜜を原料とするハチミツは「マッドハニー」(mad honey)とも呼ばれ、大量に摂取した場合は吐き気、嘔吐、麻痺のほか、徐脈、低血圧、心停止を引き起こす危険性があります。
ツチン
ツチン(tutin)はニュージーランド原産の低木「tutu」が産出する天然神経毒の一種です。「パッションヴァインホッパー」と呼ばれる昆虫がこの木から花蜜を吸い取った後、ミツバチが昆虫の分泌液を採取すると、危険量のツチンがハチミツ内に含まれる可能性が指摘されています。
ニュージーランド政府では人間向けに生産されたハチミツ1kg当たりの最大含有量を0.7mgと規定しています(:Tutin in Honey)。
ニュージーランド政府では人間向けに生産されたハチミツ1kg当たりの最大含有量を0.7mgと規定しています(:Tutin in Honey)。
マヌカハニーは外用薬として火傷や傷口に用いた場合は微生物の増殖を抑える効果が確認されています。一方、口から摂取したからと言って健康増進効果があるわけではありませんので、抗生物質や抗菌薬と混同しないようご注意ください。