ヒジキの成分
ヒジキとは褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の一種。春から初夏にかけて海岸近くの岩場に繁茂します。
人間向けの食品としては干ヒジキが主流で、水で戻してから味付けして食します。1984年には三重県ヒジキ協同組合が、健康に長生きしていくことが大切であるとの考えから、9月15日を「ヒジキの日」と制定しました。これはヒジキがミネラルや食物繊維を豊富に含んでおり、健康食や長寿食として親しまれていることにちなんだものです。
ヒジキは安全?危険?
ヒジキを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはヒジキに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
ヒ素
ヒジキで問題となるのは内部に高濃度で含む重金属「ヒ素」です。2004年7月には、日本から輸入したヒジキに無機ヒ素が多く含有されていることを懸念した英国食品規格庁(UKFSA)が、摂食を控えるよう勧告したことから、日本国内においてもヒジキの安全性を疑う声が強まりました(:厚生労働省)。
また以下は、農林水産省が2006~2008年度、ヒジキ(299点)、のり(100点)、コンブ(200点)、ワカメ(100点)の総ヒ素および無機ヒ素の含有濃度を調査した結果です。ヒジキが群を抜いて多くのヒ素を含んでいることがおわかりいただけるでしょう。 ヒ素の急性毒性としては吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、ショック、最悪の場合は死。慢性毒性としては皮膚の角化や色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全などが確認されています。また国際がん研究機関(IARC)では、単体のヒ素および無機ヒ素化合物がグループ1(=ヒトに対して発がん性が認められる)、そして無機ヒ素の代謝物であるモノメチルアルソン酸MMA(V)とジメチルアルシン酸DMA(V)をグループ2B(ヒトに対して発がん性を有する可能性がある)に分類しています。 ヒジキの摂取による人間における健康リスクに関しては、毎日4.7g以上のヒジキを継続的に摂取しない限りPTWI(暫定週間耐容摂取量=体重50kgの場合107μg/人/日)を超えないとされています。ヒジキの煮物1人前の重量が約10gですので、「ヒジキを食べると長生きする」という風説を鵜呑みにして毎日食べ続けると、逆に健康被害に見舞われてしまうかもしれません。上記したPTWIから逆算すると、体重1kg当たりの1日許容量はおよそ0.09g(ヒ素換算で2μg)ということになります。
また以下は、農林水産省が2006~2008年度、ヒジキ(299点)、のり(100点)、コンブ(200点)、ワカメ(100点)の総ヒ素および無機ヒ素の含有濃度を調査した結果です。ヒジキが群を抜いて多くのヒ素を含んでいることがおわかりいただけるでしょう。 ヒ素の急性毒性としては吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、ショック、最悪の場合は死。慢性毒性としては皮膚の角化や色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全などが確認されています。また国際がん研究機関(IARC)では、単体のヒ素および無機ヒ素化合物がグループ1(=ヒトに対して発がん性が認められる)、そして無機ヒ素の代謝物であるモノメチルアルソン酸MMA(V)とジメチルアルシン酸DMA(V)をグループ2B(ヒトに対して発がん性を有する可能性がある)に分類しています。 ヒジキの摂取による人間における健康リスクに関しては、毎日4.7g以上のヒジキを継続的に摂取しない限りPTWI(暫定週間耐容摂取量=体重50kgの場合107μg/人/日)を超えないとされています。ヒジキの煮物1人前の重量が約10gですので、「ヒジキを食べると長生きする」という風説を鵜呑みにして毎日食べ続けると、逆に健康被害に見舞われてしまうかもしれません。上記したPTWIから逆算すると、体重1kg当たりの1日許容量はおよそ0.09g(ヒ素換算で2μg)ということになります。
フコキサンチン
褐藻類に特有のカロテノイドであるフコキサンチンに関する研究が現在進行中で、いくつかの興味深い報告がなされています(:北海道大学)。
脂肪の代謝促進効果としては、通常は褐色脂肪細胞に特異的に存在するタンパク質を白色脂肪細胞において促す可能性が示されています。
抗腫瘍作用としては、細胞のアポトーシスを促すカスパーゼ-3を活性化して腫瘍細胞を自滅へ導き、結果的に腫瘍を小さくする可能性が示されています。また細胞周期の進行を停滞させることで癌細胞の増殖を抑える効果があるのではないかと推測されています。
高い期待が寄せられている成分ですが、褐藻類中の含有量が少なく、また現在の技術では大量生産もできないため、ヒジキだけからフコキサンチンを摂取しようとするのは非現実的だと考えられます。
脂肪の代謝促進効果としては、通常は褐色脂肪細胞に特異的に存在するタンパク質を白色脂肪細胞において促す可能性が示されています。
抗腫瘍作用としては、細胞のアポトーシスを促すカスパーゼ-3を活性化して腫瘍細胞を自滅へ導き、結果的に腫瘍を小さくする可能性が示されています。また細胞周期の進行を停滞させることで癌細胞の増殖を抑える効果があるのではないかと推測されています。
高い期待が寄せられている成分ですが、褐藻類中の含有量が少なく、また現在の技術では大量生産もできないため、ヒジキだけからフコキサンチンを摂取しようとするのは非現実的だと考えられます。
猫におけるヒジキの安全性、危険性、および適正量に関するデータはまったくそろっていません。ヨウ素やβカロチンを比較的高濃度で含んでいますので、人間向けの調理ヒジキを食べ続けると様々な過剰症が引き起こされる危険性があります。