リモナイトの成分
リモナイト(limonite)は鉄分を豊富に含む黄土色の鉱物。日本語では「褐鉄鉱」(かってっこう)とも呼ばれます。
日本における代表的な産地は熊本県の阿蘇です。山から取り出した酸化第一鉄を日光や酸素にさらし、3年ほどかけて安定性の高い水酸化第二鉄へと変化させ、家畜用飼料などに混ぜて使用します。
リモナイトは安全?危険?
リモナイトを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?
子豚を対象とした給餌試験では、阿蘇黄土を生成したものを市販飼料に添加したところ「鉄なめ行動」の減少が見られたと言います(:Koike, 2010)。こうした行動の変化が起こった理由は、中に含まれる鉄分の影響だと考えられています。 一方、猫のフードにリモナイト混ぜる理由は鉄分の補給ではなく糞便臭の改善であるようです。
子豚を対象とした給餌試験では、阿蘇黄土を生成したものを市販飼料に添加したところ「鉄なめ行動」の減少が見られたと言います(:Koike, 2010)。こうした行動の変化が起こった理由は、中に含まれる鉄分の影響だと考えられています。 一方、猫のフードにリモナイト混ぜる理由は鉄分の補給ではなく糞便臭の改善であるようです。
人の鼻による便臭評価
12頭の犬(2~10歳)をランダムで6頭ずつ2つのグループに分け、黄土(yellow ocher)と微量成分のミックスサプリメントをさまざまな濃度で含んだフードを給餌した実験が行われました(J.J.Wakshlag, 2010)。
一方のグループは8週間、もう一方のグループは4週間に渡ってサプリメント(1kg当たり0.2mg、1日4~6g程度)を添加したところ、糞便臭のレベルが主観評価で2.0→1.5に軽減したと言います。「金属っぽい」もしくは「ミントのような」臭いに変わったとのこと。また尿臭に関しては黄土+サイリウムハスクのときだけ軽減が見られたとしています。
サプリメントの摂取により血球数、赤血球の形状や数に変化は見られず、血清検査ではすべての項目が正常範囲内でした。鉄分を多く含んでいるものの、血清濃度やTIBC(総鉄結合能)は給餌の前後で変わりませんでしたが、糞便の色が茶色からこげ茶色~黒色に変色したそうです。
こうした結果から、サプリメントに含まれる酸化鉄の大部分は吸収されず、糞便中にそのまま排出されるのではないかと推測されています。ただし肝臓へのフェリチン(鉄結合性タンパク質の一種)の蓄積には数年を要するので、長期的な給餌試験が必要だとも指摘しています。
一方のグループは8週間、もう一方のグループは4週間に渡ってサプリメント(1kg当たり0.2mg、1日4~6g程度)を添加したところ、糞便臭のレベルが主観評価で2.0→1.5に軽減したと言います。「金属っぽい」もしくは「ミントのような」臭いに変わったとのこと。また尿臭に関しては黄土+サイリウムハスクのときだけ軽減が見られたとしています。
サプリメントの摂取により血球数、赤血球の形状や数に変化は見られず、血清検査ではすべての項目が正常範囲内でした。鉄分を多く含んでいるものの、血清濃度やTIBC(総鉄結合能)は給餌の前後で変わりませんでしたが、糞便の色が茶色からこげ茶色~黒色に変色したそうです。
こうした結果から、サプリメントに含まれる酸化鉄の大部分は吸収されず、糞便中にそのまま排出されるのではないかと推測されています。ただし肝臓へのフェリチン(鉄結合性タンパク質の一種)の蓄積には数年を要するので、長期的な給餌試験が必要だとも指摘しています。
嗅覚デバイスによる便臭評価
上記した試験で悪臭を評価したのは人間の鼻でしたが、専用の嗅覚デバイスで客観的に計測したものもあります。
ペットフードメーカー「ペティオ」は5頭の犬に対して2週間の給餌試験を行いました。その結果、糞便における悪臭の原因とされるメチルメルカプタンと硫化水素濃度、および尿の悪臭の原因とされるアンモニア濃度に関し、ともに80%の減少が確認されたと言います(:ペティオ)。
ペットフードメーカー「ペティオ」は5頭の犬に対して2週間の給餌試験を行いました。その結果、糞便における悪臭の原因とされるメチルメルカプタンと硫化水素濃度、および尿の悪臭の原因とされるアンモニア濃度に関し、ともに80%の減少が確認されたと言います(:ペティオ)。
リモナイトが有しているのは栄養的な価値ではなく糞便臭の軽減効果です。猫を対象とした給餌試験の結果は公開されておらず、長期的に給餌したときの安全性、危険性、および適正量に関してはよくわかっていません。