ローズマリー抽出物とは何か?
ローズマリー抽出物とはシソ科に属する天然ハーブの一種「ローズマリー」(rosemary, マンネンロウ)から抽出された成分のことです。具体的にはフェノール性ジテルペノイドと総称されるロスマリン酸、カルノソール、カルノジック酸、ロスマノールなどが含まれます。
ローズマリーは高さ1~2mに生長する常緑の低木。ヨーロッパでは古くから肉料理の香辛料や食品の保存料として用いられてきた歴史があり、日本には江戸時代後期にやってきたと考えられています。現在では観賞、調味料、香料などに利用され、全草は漢方の「メイテツコウ」として有名です。 成分の分類上は「酸化防止剤」に属し、食品が酸素と結合して品質が低下することを防ぐ作用を持っています。
ローズマリーは高さ1~2mに生長する常緑の低木。ヨーロッパでは古くから肉料理の香辛料や食品の保存料として用いられてきた歴史があり、日本には江戸時代後期にやってきたと考えられています。現在では観賞、調味料、香料などに利用され、全草は漢方の「メイテツコウ」として有名です。 成分の分類上は「酸化防止剤」に属し、食品が酸素と結合して品質が低下することを防ぐ作用を持っています。
ローズマリー抽出物の安全性情報・概要
- 厚生労働省=既存添加物
- IARC=発がん性なし
- EFSA=使用基準未設定
- JECFA=使用基準0.3mg/体重1kg/日
- ペットフード=LD50はラット経口で5mL/kg、ウサギに経皮投与で10mL/kg/猫においては完全飼料1kg中50mgが上限
日本での安全性情報
ローズマリー抽出物は日本では厚生労働省によって既存添加物として認可されています。特に使用基準は設定されていません。食品添加物リストによる「ローズマリー抽出物」の定義は「葉もしくは花に熱を加えながら含水エタノール、エタノール、ヘキサン、メタノール、含水メタノールなどで抽出し溶媒を除去して得られたもの」となっています。
なおローズマリーには子宮や月経を刺激する作用があるため、妊娠中の使用は避けることが推奨されています。
なおローズマリーには子宮や月経を刺激する作用があるため、妊娠中の使用は避けることが推奨されています。
海外での安全性情報
キャットフードに入れると危険?
猫に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。LD50 (半数致死量)に関しては、濃縮された精油を投与した場合、ラットに経口投与5mL/kg、ウサギに経皮投与で10mL/kgと見積もられています。
2022年、EFSAが猫におけるローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)抽出物の安全性評価を行いました(:EFSA, 2022)。猫を対象とした給餌試験が行われていないため、元データとなったのはラットを対象とした90日間試験結果で、アセトンもしくはエタノールで抽出したローズマリー抽出物の無毒性量(NOAEL)が体重1kg当たり1日563mgと見積もられています。
猫における安全性を計算するに当たり、ラットにおける数値に不確実係数100、および代謝の過程で必要となるグルクロン酸抱合が苦手であるという事実からさらに不確実係数5を加味されました。最終的な結論は、完全飼料(水分含量12%+乾燥重量88%)1kg中における安全濃度は最高で50mgというものです。
ちなみに既存添加物名簿に酸化防止剤として収載されているさまざまな成分を対象とし、マウスのI型アレルギー反応(※卵白アルブミンで誘導される特異的マウス腹壁アナフィラキシー)に対する抑制効果が比較されました。その結果、ローズマリー抽出物でだけ明確な抗アレルギー作用を示したといいます(:日本食品科学研究振興財団)。
2022年、EFSAが猫におけるローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)抽出物の安全性評価を行いました(:EFSA, 2022)。猫を対象とした給餌試験が行われていないため、元データとなったのはラットを対象とした90日間試験結果で、アセトンもしくはエタノールで抽出したローズマリー抽出物の無毒性量(NOAEL)が体重1kg当たり1日563mgと見積もられています。
猫における安全性を計算するに当たり、ラットにおける数値に不確実係数100、および代謝の過程で必要となるグルクロン酸抱合が苦手であるという事実からさらに不確実係数5を加味されました。最終的な結論は、完全飼料(水分含量12%+乾燥重量88%)1kg中における安全濃度は最高で50mgというものです。
ちなみに既存添加物名簿に酸化防止剤として収載されているさまざまな成分を対象とし、マウスのI型アレルギー反応(※卵白アルブミンで誘導される特異的マウス腹壁アナフィラキシー)に対する抑制効果が比較されました。その結果、ローズマリー抽出物でだけ明確な抗アレルギー作用を示したといいます(:日本食品科学研究振興財団)。
抗アレルギー作用が人間や犬の体内で見られるかどうかに関しては十分な検証が行われていません。精油を直接飲ませたりはしないでください。