2月26日
今年の1月、イタリアで行われた実験により、「猫は新しいものに対する態度を決める際、飼い主の感情を判断材料にしている」という可能性が示されました。実験を行ったのは、イタリア・ミラノ大学のイザベラ・メローラさん。彼女は猫と飼い主のペア24組を部屋の中に入れ、猫が過去に出会ったことがないと思われる「緑色のリボンをくくりつけた扇風機」という真新しいものに対するリアクションを観察しました。その結果、 79%の確率において、猫は飼い主と扇風機を交互に見るという行動を見せたといいます。これは人間の子供や犬でも観察される「交互注視」(gaze alternation)という現象です。さらにその後、グループの半分は扇風機に対してポジティブなリアクションを、残りの半分はネガティブなリアクションをとるように指示されました。前者は「楽しげな声で猫と扇風機を交互に見つめる」、後者は「恐怖に満ちた声で猫と扇風機を交互に見つめる」といった感じです。その結果、ポジティブグループの猫よりもネガティブグループの猫の方が、扇風機と飼い主を交互に見つめる回数が多かったといいます。また、まるで逃げ出したいかのように出口の方を見つめる回数が増えたとも。
こうした観察結果からイザベラさんは、「猫は新規なものに対する自分自身の態度を決めるとき、ある程度飼い主の感情を判断材料にしている」という可能性を突き止めました。他人の反応を見て自身の態度に反映させることを「社会的参照」(Social referencing)と言いますが、独立独歩という印象の強い猫も意外と人間のこと観察しているようです。 Social referencing and cat-human communication
2月25日
現在、存命中の猫の中で最も長寿であると言われている26歳の「ティファニーツー」に対し、スウェーデンに暮らす女性が待ったをかけました。今現在、ギネスワールドレコードの「存命中の猫の中で最も長寿」部門には、 24歳の「ポピィ」(Poppy)という名の猫が登録されています。しかしこの猫は去年の6月に死んでしまったため、今年の2月始め、新王者として26歳の「ティファニーツー」(Tiffany Two)が仮登録されました。
これに待ったをかけたのが、たまたまニュースを聞いたスウェーデンに暮らすアーサさん。彼女の主張によると、1985年から飼っている「ミッサン」(Missan)という名の猫は、今年で29歳になるとのこと。また、背骨と腎臓にやや問題があるもののその他はいたって健康であるため、春には30歳の大台に乗る事は間違いないといいます。もし彼女の訴えが本当なのだとすると、暫定チャンピオンの「ティファニーツー」を3歳以上も上回ることになり、最新版のギネスブックに載る事は確実です。ただし、彼女自身がギネスに対して申請を出すことと、「ミッサン」が1985年の時点で確実に生きていたことを証明する何らかの証拠が必要となります(獣医師による診療記録など)。
なお、「存命中」と言う括りをなくしたとき、最も長生きした猫として記録されているのは「クレームパフ」(Creme Puff)の38歳です。 Source---UPI
2月20日
飼い主の意に反して猫が持ち帰る鳥やトカゲといった「お土産」を減らすには、カラフルな首輪が効果的であることが判明しました。この事実を突き止めたのはオーストラリア・マードッグ大学のキャサリン・ホールさん。彼女は、パースの郊外に暮らす100名を超える飼い主の協力を得て、猫に黄色、赤色、虹色と言う3種類の色が付いた首輪を装着し、彼らが外から持ち帰るお土産の内容をデータ化しました。その結果、特に赤色と虹色の首輪において、鳥やトカゲといった小動物の持ち帰り率が50%以上低下するという現象を発見します。また、ネズミを始めとするげっ歯類の持ち帰りに関しては、何故か減らなかったとも。こうした動物間における数字の格差についてホールさんは、「鳥類や爬虫類は色覚が発達しているため猫の首輪を即座に見分けることができる。しかし、基本的に夜行性のげっ歯類は色覚が乏しいため、猫の首輪がどんな色をしていようと関係がないのだろう」と推測しています。
ちなみにこの首輪は「Birdsbesafe®」という名で市販されており、ネズミの駆除は歓迎だけれども、その他の動物には手を出さないでほしいと考えている農家などにおいて、とりわけ効果を発揮すると期待されています。 Birdsbesafe®(amazon) PHYS ORG(source)
2月19日
イギリス・コーンウォールのありふれたコテージにおいて、長年暖炉の上で温められていたブロンズ製の猫の像が、実はエジプト第26王朝時代の遺物であることが発覚しました。この発見があったのは、イギリス南西端に位置するコーンウォールのペンザンスという小さな町。この地にコテージを所有していたドリーン・リデルさんが他界すると、遺族は家財を処分するためオークショナーを呼びよせました。コテージを訪れたデイヴィッド・レイさんは、暖炉の上でギンギンに熱せられて触れない状態だった猫のブロンズ像を見たとき、よくあるレプリカに違いないと思ったそうです。ところが遺品をオフィスに持ち帰ってまじまじと眺めていると、レプリカにしては随分よくできていることに気づきます。後日、このことをドリーンさんの遺族に話したところ、実はドリーンさんの亡くなった主人・ダグラスさんが、かつてロンドンの「Spink and Son」に務めていたという重大事実が発覚しました。「Spink and Son」は、1666年に創立された、エジプトの遺物を扱うことで有名な老舗オークションハウスです。そして「Spink and Son」はかつて、1922年にツタンカーメンの墓を発掘したことで名高いハワード・カーターの所有物を扱ったことでも知られています。これらの事実を考え合わせたオークショナー・デイヴィッドさんは、「ダグラスさんは、何らかの経路でハワードが発掘した猫の像を手に入れたに違いない」という結論に至りました。
デイヴィッドさんの予想通り、後に行われた英国美術館の鑑定により、ブロンズ像が紀元前600年頃に存在していたエジプト第26王朝時代のものであることが確認されました。権威機関がお墨付きを出したことで、オークションにかけた場合の価値は5千~5万ポンド程度(92~920万円)になるだろうと見積もられています。 Source---Daily Mail Online
2月18日
富山市の会社役員が、犬用車いすの技術を応用し、猫用の車いすを作ることに成功しました。猫のための車いすを製作したのは、足が不自由になった犬の車いすをボランティアで作ってきた富山市の会社役員・松本好史さん(62)。製作のきっかけは昨年10月、かねてより好評だった車いすの噂を聞きつけた高岡市の女性(55)から、「交通事故で怪我をした猫の車いすを作ってほしい」と依頼を受けたことだったといいます。経験不足からいったんは断ったものの、女性の熱意に動かされて一念発起。約2ヶ月間の試行錯誤の後、ついに猫用の車いすを完成させました。
ポイントは、「車いすが後ろにひっくりかえらないよう、椅子の後部に補助輪を付けること」、「猫が装着を嫌がらないようアタッチメントを極力少なくすること」、「猫が寝転がらないようタイヤをハの字形にすること」などだそうです。1月24日の初トライでは、慣れない装置に戸惑いながらも少しだけ歩くことができたとのこと。飼い主の女性は「今まではおしりの床擦れがひどく、不憫(ふびん)だった。暖かくなったら、もっと歩かせてあげたい」と喜んでいます。 Source---中日新聞
2月16日
猫のゴロゴロ声だけを寄せ集めただけの動画が、先行発売されていた同じ内容の商品と内容的に重複するということで、著作権法違反の疑いを掛けられるという珍事が起こりました。疑いを掛けられたのは、「Digihaven」という名のユーザーがアップした「Happiest Cat Purring loud 1 hour」という動画。飼っている猫「Phantom」のゴロゴロ声を1時間つなぎ合わせただけのものです。この動画は2014年の3月から公開されていましたが、なぜか今頃になってYoutubeの著作権違反自動検出機能に引っかかりました。内容は、「EMIが発売している同じ内容の音源の著作権を侵犯している」というもの。
「Digihaven」からのクレームを受けたEMIは早々に違反を解除しましたが、どうやらそんなことで投稿者の怒りは収まらなかったようです。「精神的苦痛」への代償として、10ポンド(約1800円)相当のマタタビを要求すると息巻いています。 Source---news.com.au
2月13日
「バレンタインデーを記念して猫にパンチしよう」という悪質なページがFacebook内に登場しましたが、ネットを通じた署名活動により即効で削除されました。「cat punching」と題されたこのページは、「バレンタインデーに猫をパンチしよう」という意味不明な行動を人々に喧伝するもの。これを目にした動物愛好家たちは、あっという間に2万もの署名を集めてFacebookに報告。即座に削除されました。ページを立ち上げたのは、「Jamie Card」(偽名)という名の有名な荒らしと見られており、2012年にはとある女性のアカウントを乗っ取り、「子供売ります」という悪ふざけをした前科があります。なお、早速「Valentine's Day Cat-Punching」という模倣犯も出ている模様。 Source---Mirror
2月9日
犬や猫などの外注検査を受け持つ「アイデックス」(Idexx)は、猫の腎機能低下を、従来よりも17ヶ月以上早く検知できる画期的なバイオマーカー「SDMA」を発表しました。「SDMA」(対称性ジメチルアルギニン)はタンパク質の異化作用と共に血液中に放出され、ほぼ腎臓でのみ排出される物質のこと。腎臓における糸球体濾過量を忠実に反映するという特性を持っているため、今まで猫の腎機能低下を知る際の指標として用いられてきた「血中クレアチニン濃度」にとって代わるだろうと期待されています。
クレアチニンは筋肉が代謝された時の副産物で、腎機能が75%まで低下してようやく血中に出現するものでした。しかし「SDMA」の方は、腎機能がわずか25~40%低下しただけで検査値に現れるといいます。これを時間に換算すると、従来よりおよそ17ヶ月も早く検知できる可能性があるとのこと。
新たなバイオマーカー「SDMA」は、今年の夏からIdexxの検査機関において標準検査値として追加される予定だそうです。腎機能低下の早期発見が普及した暁(あかつき)には、腎臓病で苦しむ猫や、その猫を看護する飼い主の負担が、大きく減るものと期待されます。 IDEXX Laboratories
2月5日
【続報】ベトナムにおいて、中国から数千匹の猫が生きたまま密輸された問題で、当局は密輸品に関連する法律に従い、全ての猫を埋却処分したことを明らかにしました。事の発端は1月29日、ベトナムの首都ハノイにおいて、合計3トンにも及ぶ生きた猫が密輸品として押収されたこと。猫の数が数千匹とあまりにも多く、また大部分は生きた状態だったため、当局では扱い方を思案していました。
ところが、猫たちの助命を求める声が高りつつあった今月4日、AFPの取材を受けた警察関係者の証言により、猫たちは他の密輸動物と同様、法規定に従って埋却処分にされたことが明らかとなりました。当局の見解は、「原産地を示す正式書類がなかった」、「検疫もされていなかった」、「何匹かは死んでおり、環境に対する悪影響が懸念された」というもので、法にのっとった妥当な対応だったことを強調しています。
一方、猫の助命を訴えていた動物愛護団体らは、当局が猫の処分方法に関する明確な証拠を提示できない点から、「多くの猫が生き埋めにされたのではないか?」との懸念を表明しています。インターネットにおける署名サイト「change.org」には早くも、ベトナム当局に対し、動物の扱い方を改善するよう求める署名が、4日の時点で2万以上寄せられているとのこと。 Source---AFP
2月4日
顔を覆った長い毛のせいで、まるでヨークシャーテリアのような姿になった猫「アチューム」が人気を集めています。アチュームは2014年5月生まれのオス猫。カナダのケベック州に暮らすナタリーさんのペットです。彼は生まれつき多毛症という非常に珍しいホルモン異常を持っており、被毛が通常よりも長く伸びてしまうとのこと。また、鼻の穴に続く空洞が狭い「鼻腔狭窄」を患っているため、いつも鼻をすすっているような音を出しています。このことからフランス語で「鼻がぐじゅぐじゅ」を意味する「アチューム」(Atchoum)と名付けられました。強面(こわもて)ですが実は愛嬌もので、お気に入りはiPadで遊べる「Cat Playground」だとか。 Atchoum's Fun(Facebook) Source---Daily Mail Online