ガングリオシドーシス
ガングリオシドーシスとはガングリオシドと呼ばれる糖脂質が脳などに蓄積する常染色体劣性遺伝の遺伝病。タイプにはGM1-ガングリオシドーシスとGM2-ガングリオシドーシスとがあり、コラットにおいては両方の発症例が確認されています。しかし大規模な疫学調査が行われていないため、この品種の好発疾患なのかどうかまではわかっていません。
GM1-ガングリオシドーシス
GM1-ガングリオシドーシスは、β-ガラクトシダーゼと呼ばれる酵素が遺伝的に欠損することにより糖脂質を正常に分解することができなくなり、進行性の中枢神経障害や中枢神経障害を伴わない全身骨系統疾患を引き起こすタイプ。1998年には人間のGM1-ガングリオシドーシス幼児発症型に似たコラットの症例が報告されましたが、進行速度、生存期間、β-ガラクトシダーゼの欠損レベルに関しては必ずしも人医学の知見と一致しなかったとされています(→出典)。
GM2-ガングリオシドーシス
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症とは、メス猫の子宮内に病原体が入り込み、炎症反応が起こって膿が溜まってしまう病気。診断は血液検査や尿検査、エックス線や超音波検査を通して下します。治療は抗生物質による投薬治療や外科的な子宮摘出がメインです。
発症リスク
2014年、スイス農科学大学の調査チームはペット保険会社に対する1999年~2006年の請求データを元に、猫における子宮蓄膿症の発生率を調査しました(→出典)。その結果、猫全体における発生率が1万頭中17ケースだったのに対し、コラットでは86ケースと5倍近い発症が確認されたといいます。調査チームは明確なメカニズムまではわからないものの、猫の中には当疾患を発症しやすい品種があるようだとしています。
尿酸塩尿石症
下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めていますが、まれに尿酸塩(アンモニア・ナトリウム・シスチン・キサンチン)が結石を形成することもあります。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。
発症リスク
1981年1月から2008年12月の期間中、ミネソタ尿石センターに蓄積されたデータの中から尿酸塩結石を発症した猫5,072頭と発症していない比較対照群437,228頭とを選び出し、結石の発症リスクを高めている要因を検証しました(→出典)。その結果、純血種、不妊手術(12倍)、4~7歳の年齢層(51倍)という因子が浮かび上がってきたといいます。さらに品種ごとにリスクを計算した所、コラットで1.84倍(1/49)のリスクが確認されたとも。