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ジャパニーズボブテイルに多い病気~原因・遺伝性から検査・治療法まで

 ジャパニーズボブテイルがかかりやすい病気を原因、遺伝性、検査法、治療法などに分けて一覧リストでご紹介します。なお出典データには海外のものも含まれているため日本に暮らしている猫には必ずしも当てはまらないことがあります。

脊椎奇形

 脊椎奇形とは、背骨を構成している骨の形状や数に異常がある状態のこと。診断はエックス線やCTスキャン、MRI撮影などを通して下します。根本的な治療法はありませんので、猫も飼い主も障害と付き合いながら暮らしていくことになります。

よくある奇形

 2014年、カリフォルニア大学デイヴィス校のチームが21頭のジャパニーズボブテイルを対象としてレントゲンによる詳しい調査を行った所、しっぽが短かったり曲がっていた17頭では全て脊椎の形や数に異常が見られたといいます(→出典)。具体的には以下です。
Jボブテイルの椎骨異常
  • 14頭(82.4%)は胸椎が1つ足りない12個
  • 2頭(12%)は頚椎が1つ足りない6個
  • 1頭(6%)は腰椎が1つ足りない6個
  • 短曲尾猫の尾椎は1~20個で平均は16個
  • 屈曲部は根本から遠い場所にあった
  • 屈曲部には半椎骨が多く含まれていた
 ジャパニーズボブテイルの短曲尾が、少数の癒合椎と多くの半椎骨で構成されていることが明らかになると同時に、尾椎以外の椎骨にも高い確率で変異が見られることが判明しました。最も多かったのは、胸椎が通常よりも1個少ない12個というパターンです。 猫の短曲尾は半椎体や癒合椎によって形成されている  屈曲部が根本から遠い場所にあったことから、マンクスで見られるような神経系の異常は確認されませんでした。また少なくとも調査期間中において疾病率や死亡率が高まるという傾向は確認されませんでした。
 こうしたことから調査チームは、ジャパニーズボブテイルの短曲尾が猫の健康に悪影響を及ぼす可能性は低いだろうとしています。ただし脊柱の数が通常とは違い1~2個少ない可能性があるため、肋骨の位置を目安に手術を行うときなどは注意が必要だとしています。